Inventor Nastranで熱伝導解析をしてみよう
ヒートシンクの温度分布をシミュレーション
Autodesk Inventor Nastranを用いて、ヒートシンクの温度分布を解析した事例をご紹介します。この解析により、ヒートシンクに加わった熱が部品内でどのように伝わり、どの部分が最も高温になるかをシミュレーションで把握できます。
Inventor Nastranは、定常および非定常の熱伝導解析ができ、特に電子機器など発熱源を含む製品の設計においてその有効性が発揮されます。
問題
図1に示すヒートシンクモデルを対象に、非定常熱伝導解析を行います。モデルは対称形状であるため、計算時間短縮のために1 / 4モデルで計算を行います。
温度荷重の設定
ヒートシンクの底面には発熱素子が接触しており、この部分に図2・3のように時間によって変化する温度荷重を定義します。具体的には、25℃から開始し、10秒間で50℃まで上昇した後、50℃を維持する条件としました。
対流の設定
次に、ヒートシンクの表面から空気中への放熱条件として、対流条件を設定します。ヒートシンクの周囲の温度は25℃とし、表面の熱伝達係数は、周囲の空気が強制対流状態であるとして、200W / m2・Kとしました。
熱伝導解析の結果
図6・7で示すように、ヒートシンクの温度分布を確認することができ、発熱素子と接触している部分の温度が最も高く、そこからヒートシンクの先端に向かって温度が低下することが分かります。非定常解析を実施しているため、各部の温度の時間変化も確認できます。
まとめ
Inventor Nastranを用いたヒートシンクの熱伝導解析を通じて、製品の温度分布を予測する事例をご紹介しました。熱伝導解析を実施することで、製品の温度分布の傾向を効率的に把握することは、過熱による故障を防ぎ、製品の信頼性を向上させるために役立ちます。
Inventor Nastranの熱伝導解析をぜひご活用ください。