Mastercam 2019の新機能をいち早くレポートします

Mastercam 2019 何が変わる?

Mastercamの最新バージョンである2019が2018年7月30日国内でリリースされます。Mastercam 2019では、CAD機能の強化や新しいツールパスの追加など、多くの機能強化が行われています。新機能情報をいち早くお届けします。

Mastercam 2019で強化されたCAD機能

Mastercam 2019では、直観的な操作でワイヤーフレームを修正できる「スーパートリム」が搭載されました。スーパートリムとは、交差した図形をペンでなぞるように触るだけで端点整理ができる機能です。マウス操作を大幅に軽減し、初心者でも使いやすくなっています。

スーパートリム

また、ソリッドモデラーで新しく追加された穴作成機能は、ハイエンドCADのように穴の諸元を入力するだけで自動的に面取り、段付き、タップ、皿穴などの形状を正確にモデリングできます。

サーフェス

サーフェスモデラーでは、加工データの作成・修正に威力を発揮する機能が豊富に搭載されています。これまで、サーフェス面の修正に要していた作業時間を大幅に短縮できます。

サーフェス編集:サーフェスの曲率(曲げ方向など)を自由に変更でき、モデル上に設計者の意図を反映しやすくなった

パワーサーフェス:CADデータの面落ち(形状内のサーフェス面がなくなる現象)したモデルに対し、穴の縁に輪郭線を生成するだけで周囲の曲率を維持した新しいサーフェス面を自動作成する

Mastercam 2019で強化されたCAM機能

MastercamのコアであるCAM機能も大幅に強化されました。3D面取り加工は立壁や段付きなどのモデル形状を考慮し、工具干渉を起こさないツールパスを生成します。また、ホルダ形状とCADデータを比較し、工具突き出し量の計測とツールパス分割を行うチェックホルダ機能が標準搭載されました。

CAMのエンジンが見直されたツールパス

3軸ツールパスでは、CAMのエンジンが見直され、ツールパス全体を滑らかにつなぐ推移動作への対応、仕上げ加工におけるコーナー部の処理など仕上がり面をより一層向上するツールパスを生成します。

さらに、5軸ツールパスでは、近年注目を集めているバレル工具などの高効率工具に完全対応したほか、工具の切削点をコントロールするフロントシフト機能、多軸動作によるバリ取り加工など幅広い加工への対応が可能になりました。

旋盤機能では3D工具へ対応可能

そのほかの強化されたCAM機能

STEPファイルを取り込むことで3D形状の工具定義が可能になり、より詳細な干渉チェックを実現します。

また、溝加工の荒取り動作を見直した複数切り込み機能やサンドビック社との共同研究によるプライムターニング加工が標準機能となりました。プライムターニングによる逆引き加工で、荒取りツールパスにおける効率的な旋削加工を実現します。