製造業の生産性向上と技術伝承を同時に進めるカイゼン活動を支援

経営工学に基づいた作業分析ソフトウェア「OTRS」

日本は少子高齢化によって、労働人口の減少が起きています。特に製造業においては若者の就業者不足が顕著であり、さらに高齢となって引退を迎える熟練技術者が増加する中、その技術者が培った技術を次の世代に受け継ぐ「技術伝承」ができないという課題も深刻化しています。

製造業が抱える「技術伝承」という課題

2018年に経済産業省が発表した資料では、製造業の人手不足は94%以上の大企業、中堅・中小企業において顕在化しており、32%の企業は「ビジネスにも影響が出ている」と回答。特に人材確保に課題のある人材としては「技能人材」が突出しており、規模別にみますと、中堅・中小企業ほど「技能人材」の確保に苦労しているという調査結果を発表しています。

中堅・中小企業においては、熟練の技術者が長年積み上げた経験や勘によって、業務が進められている場面も多く、その技術は体系化されていないため、ほかの技術者へ引き継ぐことも難しいという事態に陥ってしまいます。その熟練技術者が引退してしまえば、また一から長年かけて、経験と勘を培っていくしかありません。

体系化した技能人材の育成環境が重要

少子高齢化が進む日本で、新たに若い人材を確保して長年かけて育成していくということは難しくなってきています。今いる人材を成長させていくと共に熟練技術者の再雇用や外国人人材を活用して、生産性の向上や業務効率化を目指していくことが重要となってきます。そのためには今まで培ってきた技術や業務内容を効率よく習得できるよう、経験や勘に頼るのではなく会社として体系化された育成環境を整えることが必要です。

動画を利用して技術伝承を行うソフトウェア「OTRS」

動画を利用して技術伝承が行えるのが作業分析ソフトウェア「OTRS」です。作業を動画撮影し、OTRSで各動作が必要か無駄か選別し、分析を行います。その情報を基に、マニュアル作成や新人教育、ノウハウの蓄積などに展開できます。OTRSでは、熟練者と新人の作業動画を並べて比較する機能があり、動きの違いが一目瞭然で把握できます。また、分析機能を使えば、無駄な動きが示され、どの作業でロスしていたのかが明確に分かります。英語や中国語など、多言語対応もしており、外国人人材への技術伝達もスムーズです。

OTRSは経営工学に基づいて作られた「カイゼン活動」を支援するソフトウェアです。作業の標準化による公平な評価ができるほか、モーションマインドの向上によって職場の活性化や、作業のムリ・ムダ・ムラをなくしてQCDの向上につなげます。

熟練者の技術を新人に伝えるOTRSとは?

導入事例1:作業分析にかかる労力・時間・コストを削減

自動車メーカーにおいて、作業分析に費やす時間を50%削減

一般的な作業観測にはストップウオッチを使用していますが、正しく計測するのは難しく、何度も計測していました。OTRSなら使いやすいUIと早送り、コマ送りの動画制御でスピーディーな現場動画分析ができました。

導入事例2:新しい生産にマッチした最適な作業工程を創出

建設資材製造会社において、1日当たりの生産個数が108個から150個へ増加

OTRSの動画連動・作業編成シミュレーション機能を使って、複数工程の流れとボトムネックを確認しました。そのうえで、作業の組み換えシミュレーションを行い、新たな工程を作成して実ラインに適用したところ、1日当たりの生産個数を大幅に向上させることができました。

導入事例3:教育・技術伝承へ向けて環境を整備

電子部品製造会社において、ライン作業前教育時間を50%削減

ライン作業前の作業者教育はOJTを主としていましたが、OTRSを学習用に活用し、新人が自ら撮影、分析し、新人と熟練者の作業比較を作業時間と組み合わせて行うことで、教育時間を大幅に削減することができました。

導入事例4:最適な作業工程による省人化を実現

電気機器メーカーにおいて、26人から19人へラインを省人化

OTRSの分析機能で、付加価値のない作業の削減シミュレーションを行いました。シミュレーションした作業を実現するための前教育を行い、実ラインで実施したところ、移動や手持ちなどの付加価値のない動作の大幅な削減ができ、ラインの省人化をすることができました。

FlexSimとの連携

OTRSで得たデータを工場・物流倉庫などの生産性シミュレーションに活かしてみませんか? FlexSimは、工場・物流倉庫の機器の処理数・作業速度・作業員の配置などのデータから生産ラインの能力を可視化します。

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