Steelheadアプライアンスは、広域ネットワーク(WAN)で使用されるアプリケーションの応答速度を飛躍的に向上させる製品です。
災害対策(ディザスタ・リカバリ)やITインフラ統合後のブランチオフィスとのファイル共有、センターへのバックアップなどの際、LAN同様の環境をご提供します。
WAN環境でSolidWorksデータを複数拠点で共有
SolidWorks Enterprise PDMを利用した拠点間のデータの一元化
災害対策も絡み国内拠点間に限らず、国内と海外拠点との設計データの一元化が求められている今、BCP(事業継続計画)の一環として取り組もうと思った時に実際に考えられる課題とは?
物理的にネットワークで繋がっていたとしても、回線事情で安定性に欠ける地域もある中ではどうしたらよいのか?
上記のような課題に対し、専用線を引かずともストレスなくファイルの送受信を行ない、LANの様なパフォーマンスを実現する仕組みを一例としてご紹介します。
インフラ環境の実情とWAN環境で考えられる課題
近年、ブロードバンドインフラの普及により内部統制の強化やサーバの効率的な管理を目的として、サーバ統合が進んでいます。その結果、企業システムがWAN経由で利用されることが多くなり、ネットワークの通信遅延、回線品質、パフォーマンスの劣化などの問題があります。
インフラ環境の実情
現在、以下のようなインフラ環境の実情が挙げられます。
- サーバ統合の実施、もしくはこれから実施予定。
- ディザスタリカバリの実施。
- グローバル展開の検討。
- WAN環境の再検討。
- 地方・海外拠点との大容量データ通信。
設計開発環境における課題
- データを輸送した場合に大変時間がかかる。
- データを輸送した場合にコストがかかる。
- 回線を利用してデータを送った場合でも大変時間がかかる。(3次元データは特に)
- 最新版管理が大変困難。
- ライブラリの共有が大変困難。
- 設計の流用が大変困難。
- チーム設計が大変困難。
Steelheadアプライアンスで解決
なぜ、WAN越しのアクセスがLAN同様の速度でデータ送信できるのか?
TCP/IT規格のため、アプリケーション特有の問題の影響をうけずにWAN越しのアクセスをLAN上のアクセスのように高速化することができます。回線帯域はそのままでパフォーマンスの向上が図れます。
Steelheadのテクノロジー~4つのコンポーネント~
Steelheadアプライアンスは、以下の4つのコンポーネントを柱としています。
データストリームライニング
高速化の中核技術(SDR)
データキャッシュ、データ圧縮、差分データの転送により、重複したデータの送信を省き高速な処理が可能となります。
トランスポートストリームライニング
データ転送の効率化
TCPのウィンドウサイズを仮想的に拡張し、1度の転送で多くのデータを送ることが可能となります。
アプリケーションストリームライニング
遅延影響の軽減化
アプリケーションのクライアントサーバ間の通信を予測することにより、応答を短縮します。
マネージメントストリームライニング
透過的な管理
通信状況の可視化による管理ができます。
アプリケーションパフォーマンス
各アプリケーションごとに、下記のような改善が見込まれます。
SolidWorks Enterprise PDMとSteelheadの最適化検証
基本環境
- SolidWorks Enterprise PDM 2011(Service Pack2)
- Steelhead RiOS 6.1.3
- ファイルサイズ:46MB
環境想定1
- 日本と中国
- 帯域:3M/遅延:300msec/パケットロス:0.01
- 片側にSolidWorks Enterprise PDMのアーカイブサーバー有り(複製環境なし)
Steelhead アプライアンス SH550H-SH550H | Steelhead 無し | Steelhead 有り1回目 (Cash無し) | Steelhead 有り2回目 (Cash有り) | 備考 |
---|---|---|---|---|
サーバからデータをDownload (Check out) | 5分29秒 | 2分45秒 | 15秒 | 圧縮率:40~45% 15コネクションうちSQL 3コネクション |
クライアントから サーバへ新ファイルをUpload (Check in) | 25分30秒 | 11分11秒 | 2分43秒 | 圧縮率:51% 8コネクションうちSQL 5コネクション |
ファイルコピー | 26分30秒 | 10分10秒 | 2分1秒 | 圧縮率:55% 1コネクション(CIFS) |
環境想定2
- 日本と中国
- 帯域:3M/遅延:300msec/パケットロス:0.01
- 両側にSolidWorks Enterprise PDMのアーカイブサーバー有り(マルチボルト=複製環境あり)
Steelheadアプライアンス SH550H-SH550H | Steelhead 無し | Steelhead 有り1回目 (Cash無し) | Steelhead 有り2回目 (Cash有り) | 備考 |
---|---|---|---|---|
クライアントからサーバへ新ファイルをUpload(Check in) | 1分7秒 | 1分7秒 | - | |
同期(複製) | 5分13秒 | 2分44秒 | - |
環境想定3
- 東京と大阪
- 帯域:3M/遅延:15msec/パケットロス:なし
- 両側にSolidWorks Enterprise PDMのアーカイブサーバー有り(マルチボルト=複製環境あり)
Steelheadアプライアンス SH550H-SH550H | Steelhead 無し | Steelhead 有り1回目 (Cash無し) | Steelhead 有り2回目 (Cash有り) | 備考 |
---|---|---|---|---|
クライアントからサーバへ新ファイルをUpload(Check in) | 10秒 | 10秒 | - | |
同期(複製) | 2分18秒 | 1分16秒 | - | |
ファイルコピー | 2分41秒 | 1分10秒 | 8秒 |
- * 協力:ソリッドワークス・ジャパン株式会社、株式会社ネットマークス
SolidWorks Enterprise PDMの構成例
データの通信はメタデータと物理ファイルに分けられ、以下のような構成で通信がなされます。