SOLIDWORKS Simulation Premiumで高度な解析を
構造解析の活用範囲を増やしませんか?
線形静解析は短い時間で簡単に製品の安全性を確認できます。しかし、適用範囲は限られているため次のようなケースには適用できません。
- 製品が大きく変形する。
- 部品と部品が接触して大きく滑る。
- 荷重が時間により大きさや方向が変わる。
SOLIDWORKS Simulation Premiumではこれらの現象を解析できる非線形解析、動解析をご利用いただけます。その一部をご紹介しましょう。
線形静解析の仮定が当てはまらない場合は非線形解析を実行しよう
線形静解析は、次の仮定が有効な場合に実行できます。
- 荷重が除去されると原型形状に戻る線形弾性材料である(材料線形の仮定)。
- モデルの変形がモデル寸法と比較して小さい(幾何学的線形の仮定)。
- 荷重によって離れている部品同士が接触しない(境界線形の仮定)。
- 荷重と拘束が、大きさや方向が変化することなく一定状態でモデルに適用される(静的荷重の仮定)。
上記の仮定が一つでも当てはまらない場合は、非線形解析を実行し実際の挙動を反映した正確な結果を得なければいけません。
【非線形解析の例】
- 針金ハンガーを曲げたときの塑性変形
- ゴム材のO型リングを板で圧縮したときの変形
- 板バネ、釣りざおなどの大きな変形
- スイッチ端子が摺動する際の変形
線形静解析は線形の仮定の下、フックの法則(F=Ku)の釣り合いの式を1ステップで解くのに対し、非線形解析は荷重を徐々に増やした複数のステップを設定し、各ステップにおいて剛性Kの変化を考慮しながら反復計算を行うことで釣り合い状態を解きます。
従って、非線形解析は線形静解析に比べ多くのコンピューター資源と計算時間が必要となるため、反復計算の中で収束しやすい条件設定をすることが運用のポイントになります。
非線形解析
次に示すようなスナップフィット方式の樹脂クリップを挿入する解析は、上述の2、3、4の仮定が当てはまらないため非線形解析を実行する必要があります。
解析結果
クリップを挿入する過程に生じる応力、変位結果を確認することができます。また、クリップを挿入するために必要な挿入力も確認できます。
製品の振動時の変位や応力を見たかったら動解析を実行しよう
荷重が時間や周波数により変化し、それによる慣性や減衰が無視できない振動時の動的挙動を見たい場合は動解析を実施します。
同じ振動を取り扱う解析に固有値解析がありますが、固有値解析では振動状態の変位量(振幅)や応力を求めることができません。動解析では応答(応力、変位、速度、加速度など)を求めることができます。
線形動解析では、構造物の運動方程式を解くのにモード合成法という手法を用います。モード合成法は変位を固有モードの線形重ね合わせとして表現することで運動方程式を簡易的に解くことができます。そのため線形動解析を実施する前に固有値解析を実行する必要があります。
線形動解析は荷重のタイプや評価項目により次の四つがあります。
モーダル時刻歴 | 時間変化する荷重に対する応答の経時変化を評価 |
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調和解析 | 正弦波荷重に対する応答の周波数による変化を評価 |
不規則振動 | 不規則な変動荷重に対する応答のRMS値を評価 |
応答スペクトル | 不規則な変動荷重に対する応答のピーク値を評価 |
その他、材料非線形、幾何学的非線形、境界非線形を考慮することができる非線形動解析も利用できます。
線形動解析
次に示すような機械においてモーターより発生する振動は、テーブルを伝わってフレームに影響します。この時のフレームの応答はモーダル時刻歴解析により評価できます。
解析結果
フレームの振動挙動および振動時の応力、変位の分布や最大値を確認できます。