イベントベースの機構解析を理解しよう

構成部品が連動するメカニズムをシミュレーションしよう

SOLIDWORKS Motion(機構解析)には、タイムチャートとイベントベースの2種類のインターフェイスがあります。タイムチャートは各動作を時間によりコントロールするのに対し、イベントベースは各動作を時間だけでなく、センサーで定義したイベントやタスクによりコントロールできます。

タイムチャートとイベントベースの違い、そしてイベントベースの機構解析が有効な場面についてご説明します。

タイムチャートとイベントベースの違い

ここでは図1に示すようなドアの開放を例に、タイムチャートとイベントベースの違いを示します。

本例では

  1. 人がドアに近づく
  2. ドアを開放する

といった二つの動作を考えます。

図1:ドアの開放

タイムチャートのインターフェイス

図2にタイムチャートで解析する場合におけるインターフェイスを示します。

タイムチャートはモーターの設定により、○秒~○秒に○mm動くといった設定をします。設定したモーターの動作はひし形マークで囲まれた時間帯でオン状態になります。

図2:タイムチャートのインターフェイス

イベントベースのインターフェイス

次に、イベントベースは図3に示すような表形式のインターフェイスとなります。

イベントベースはトリガー(タスクを引き起こす条件)となるイベントと、それにより生じる動作を定義したタスクにより全体の動きをコントロールします。

タイムチャートとの大きな違いは、イベントにより次のタスクを引き起こせることです。図3のタスク2はドアが開く動作ですが、トリガーに近接1を定義しています。近接1はセンサーの設定で、図1のセンサー線を人が横切るというイベントを条件とします。そのほかトリガーには次の条件を設定することができます。

センサーの設定
干渉認識指定した部品間の衝突を検知したタイミング
寸法指定した部品間の寸法が設定した値に入ったタイミング
時間○秒~○秒の間
タスク指定したタスクが開始、または終了したタイミング

図3:イベントベースのインターフェイス

アニメーションで比較

タイムチャートとイベントベースによるアニメーションを示します。イベントベースでは、人がセンサー線を横切ったタイミングでドアが開くことが分かります。

イベントベースの機構解析が有効な場面

以上のことから、イベントベースは機械装置やロボットなど複数のイベントが連動するメカニズムのシミュレーションに有効です。

イベントベースにより、多数のイベントがあるメカニズムについても動作、センサーの定義およびタスクの発生順序を設定するだけで、簡単にメカニズム全体の動きをシミュレーションすることができます。

イベントベースの機構解析は、装置全体のサイクルタイムの予測やよりリアルなプレゼンテーション用のアニメーションを作成する場合にお勧めです。

  • * タイムチャートはSOLIDWORKS Premium以上で使用できる。
  • * イベントベースはSOLIDWORKS Simulation Professional以上で使用できる。