不等分布荷重の設定による静水圧の定義

SOLIDWORKS Simulationでの不等分布荷重の設定方法

SOLIDWORKS Simulationは力、圧力、トルクを不等分布荷重として設定することができます。ここでは静水圧が作用する容器を例に、不等分布荷重の設定方法をご紹介します。

問題

図1に示すように、水の入った容器を検討します。容器は地面に置かれており1mの深さまで水が入っています。容器の内面が受ける静水圧は、次の式に示す水の深さの関数で表せます。

P=ρ・g・h

P:静水圧(Pa)、ρ:水の密度(kg / m3)、g:重力加速度(m / s2)、h:水の深さ(m)

図1:水が入った容器

不等分布荷重の設定

SOLIDWORKS Simulationでは、指定した座標系の成分を変数とした関数式で不等分布荷重を表します。ここでは水面の位置を原点とした局所座標系のZ方向(水の深さ方向)成分を変数とし、図2に示す不等分布荷重の設定画面において次の関係式を入力します。

F(x、y、z)=1000(kg / m3)*9.8(m / s2)*”z”(m)

すると、図3に示すように上式に従う分布を持つ圧力を設定することができます。ここで水は解析から除外し、水と触れている全ての面に圧力を設定します。

  • 図2:不等分布荷重の設定画面

  • 図3:圧力のベクトル表示(1 / 4カットモデル)

  • * 本例では形状、拘束、荷重条件の対称性から4分の1にカットしたモデルを解析対象領域としています。

解析結果とまとめ

解析結果(変位および応力分布)を図4・5に示します。容器は水圧で膨らみ、深い位置ほど変位が大きくなります。

  • 図4:変位分布(変形スケール30倍、対称結果表示)

  • 図5:応力分布(変形スケール30倍、対称結果表示)

本例では1次式で定義される静水圧を取り上げましたが、関係式は高次の関数も入力可能です。力や圧力が空間変動の関係式で定義できる問題は、解析対象領域を狭め荷重条件を簡単にすることができる場合があります。そのため不等分布荷重の活用をお勧めします。