大塚商会のスクールでは、解析について実機での操作や理論を学べます。解析ソフトウェアの操作と理論を学ぶコースとソフトウェアに依存しない概念や基礎知識を学ぶ座学コースがあり、用途・目的に合わせて受講いただけます。
メッシュサイズを自動改善して解析結果の精度を向上させる
メッシュを自動改善する
多くの場合(特に応力を評価する際)解析精度を上げるためには、モデルのメッシュサイズを小さくしなければなりません。少しずつメッシュサイズを小さくし、解析結果の精度向上を都度手動で行うのは手間がかかってしまうかと思います。
SOLIDWORKS Simulationではメッシュの密度をユーザーが設定できます。SOLIDWORKS Simulationの「アダプティブh-法」機能を用いると、メッシュサイズの改善を自動で繰り返し、既定の精度まで解析を行えます。本記事ではアダプティブh-法の設定方法をご紹介します。
問題
- 拘束:背面を固定
- 荷重:上面に100N
このような3Dモデルをアダプティブh-法を使用した場合、しない場合の違いを解析の手順と共に見ていきましょう。
アダプティブh-法の設定方法
図2のように、スタディーのプロパティからアダプティブh-法を指定します。ループ回数を設定すると、メッシュ改善の回数を5回まで指定できます。
ターゲット精度はモデル内のひずみエネルギー基準を示しており、デフォルトの98%を指定しています。ひずみエネルギーの誤差が2%以下になると繰り返しが終了します。
メッシュの違い
元のメッシュと実行後のメッシュの状態を比較すると、アダプティブh-法を行った後の方がフィレット部分のメッシュが細かく分割されていることが分かります。
解析結果
図5はアダプティブh-法を行う前の応力結果を、図6はアダプティブh-法の終了後の応力結果を示しています。アダプティブh-法を行うことで、応力分布が滑らかに表示され、解析精度が向上していることが確認できます。
収束グラフでもメッシュの自動改善による応力の収束が視覚的に確認できます。
まとめ
SOLIDWORKS Simulationのアダプティブh-法を使用すると、繰り返し解析する時間は必要になりますが、メッシュを手動で細かくする手間が少なくなります。自動でメッシュ改善を行い、精度の高い解析を行いたい場合は本記事でご紹介したアダプティブh-法を試してみてください。