ボルト締結部の安全率や軸力を解析する

ボルト締結部を解析する

皆様は「選定したボルトが必要な安全率を満たしているかどうか」をどのように評価されているでしょうか? 解析で評価する場合、ボルト自体をモデリングしていると時間がかかってしまいます。

SOLIDWORKS Simulationには「ボルト結合」という機能があり、この機能を使うとボルトを簡略化でき、解析時間を大幅に短縮できます。さらに、結果として軸力やボルトの安全率を確認できます。

本記事ではボルト結合の機能、使い方をご紹介します。

ボルト結合の設定方法

ボルト結合は解析ツリー上の結合部からボルトを選択します。

図1のように、画面左側に表示される画面に従ってボルトタイプやボルト材料、予圧の設定を行えます。強度データの入力は任意ですが、ボルト強度の数値を入力することで解析結果からボルトの安全率を確認できます。

図1:ボルト結合設定

ボルト結合の設定が完了すると、図2のようにモデル上に仮想ボルトが表示されます。ボルト結合を使用する際は部品間に接触を設定する必要があります。

図2:ボルト結合がされたフランジ

解析結果

応力

図3・4のように、ボルトのトルクによる解析結果を確認できます。

解析結果を見やすくするために、ボルトを表示した結果と非表示にした応力結果を表示しています。また、締結部の面圧分布を確認できます。

  • 図3:応力結果(ボルト表示)

  • 図4:応力結果(ボルト非表示)

せん断力や軸力など

図5のように、結合力リストからボルトのせん断力や軸力、曲げモーメントを確認できます。

図5:結合力リスト表示

ボルトの安全率

ピン/ボルトチェックプロットの定義を使用するとボルトの安全率を確認できます。ボルトをアセンブリで設計して解析を行うよりも正確にボルトの安全率を確認できます。

図6:ボルトの安全率

まとめ

SOLIDWORKS Simulationのボルト結合を使用すると、仮想的なボルトを挿入できるので解析時間や手間を小さくしたうえで、ボルトの安全率や軸力を確認できます。ボルト締結の解析を行う場合は、本記事で紹介したボルト結合を試してみてください。

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