製造業に変革を起こす、AIとIoTへの対応を強化したCreo 4.0

ARやIoTは、製造業でどのように活用できるのか?

現在、世界の多様な分野で活用され始めているAR(拡張現実)やIoT(Internet of Things)は、製造業においてもプロセスを大きく変革させる新たな手法となってきています。製造業において、ARやIoTは具体的にどのように活用できるのでしょうか?

ARが製造業にもたらす価値

ARの活用によるプロセス変革の可能性を工程ごとにご紹介します。このほかにもマーケティングやアフターサービス分野にもARの活用の場が広がっています。

設計段階

設計段階では、3DモデルをCAD使用者だけでなく関係者全員で共有し、詳細なデザインレビューを行えるようになります。ARにより、実際の場所に実物大の製品を配置したイメージを確認できるため、事前に実物大の見え方を確認できるようになります。

製造段階

製造段階では、ARが作業員に作業指示をアシストすることで、作業を無駄なく確実なものにし、作業時間の短縮や製品の品質向上に役立ちます。また、熟練者の作業手順をデータとして記録し、デジタルマニュアルにしておけば、作業員のトレーニングにも利用できます。

販売

販売では、お客様に実環境での運用イメージをご覧いただけるようになり、効果的な営業活動につながります。製品が目の前になくとも、ARによりサイズ感や使い勝手を体験していただければ、ショールームが必要なくなり営業コストの削減にもなります。

イベント会場でのレビュー:お客様にヘッドマウントディスプレイを装着いただき、実際の自動車がなくても完成イメージをご覧いただける

IoTを活用したものづくり

IoTの活用によって、従来は知ることができなかったモノに関する情報を収集できるようになります。

  • 生産設備やラインをIoTにより可視化することができ、稼働率や生産性の向上、管理体制の見直しにつながる。
  • IoTを通じて、既に出荷された製品の状態をコンピューターに取り込み、分析を行うことで、故障や問題の発生を事前に回避できる。より良い製品を設計するための改善策を検討する手助けにもなり得る。

製品の状態やパフォーマンス、振る舞いなどを把握するためにIoTを利用

実世界とデジタル世界をCreo 4.0がつなぐ

ARやIoTを活用するためは、その機能に対応したCADシステムが必要です。PTC社の「Creo 4.0」はいずれにも対応し、「実世界とデジタル世界をつなぐ」ことをCADで実現しています。

PTCが開発した独自のARマーカーを専用アプリでスキャンするだけで、ARを体験いただけます。

IoTを通じてセンサー情報をCADモデルに取り込めば、CAEでのシミュレーション結果だけでは得られない情報を把握できます。さらに、Creo上でバーチャルセンサーを配置し、形状データから得られる空間の面積や角度などの情報も用いて検証することで、設計の再検討などに利用できます。

全ての工程をもつなぐ、Creo 4.0のモデリング機能

Creo 4.0では、CADモデルに対して寸法や幾何公差、材料、シンボル、注記などのエンジニアリング情報を定義できます。このモデルベース定義(MBD)によって、設計から製造、検査など全ての工程に設計意図を正確に伝達可能となります。また、幾何公差の設定を支援するツールや、モデリング時の手数を削減するための豊富な機能により、設計者の作業負担を減らし、生産性を向上させます。

Creo 4.0 MBDの例:CADモデルにエンジニアリング情報を定義

Creo 4.0から直接3Dプリントも可能

従来、CADモデルを3Dプリンターで出力するためには、プロセスに応じてソフトウェアを使用する必要があり、データ変換がうまくいかない、異なるフォーマットのモデルが複数生成されてしまう、何度も検証や修正を行わなければならないなどの問題がありました。Creo 4.0では、設計だけでなく検証や最適化、データのエラーチェックまで、全ての3Dプリント工程をCreo上で行えます。