IoT時代、ARが製造業のビジネスを加速させる
IoTやARを製造業のビジネスに有効活用するには
IoT(Internet of Things)によって、あらゆるモノがネットワークに接続され、さまざまなデータを収集できるようになりました。増え続けるデータは、2020年には1年間の生成量が約70ゼタバイト(700億テラバイト)(注1)になると予測されています。
このビッグデータを業務に活用するには、必要な情報を抽出し、人間が理解できる形に可視化する技術が有効です。収集したデータを画像や動画にして、実世界に投影するAR(拡張現実)技術は、人間が必要な情報を的確に理解し適正な判断を下す大きな手助けとなります。
- (注1)PC用のハードディスクにおいて、TBという表記が比較的身近になりましたが、そのTBの1,000倍がPB(ペタバイト)。さらにその1,000倍がEB(エクサバイト)、その1,000倍がようやくZB。つまり、70ZBとは70兆GBを指します。
製造業のビジネス戦略にARを生かす
ARは業務効率を改善するだけでなく、あらゆるビジネスモデルに変革を起こし始めています。製品に新たな付加価値を生み出し、営業やマーケティングの手法も変化していくでしょう。
今まで見えなかった顧客の潜在ニーズを発見することで、製品のさらなる差別化や全く新しいビジネス開拓などの可能性を秘めています。自社のビジネスにARをどう生かせるのかを検討する価値は十分にあるといえます。
AR実践に当たっての課題
ARを実践するに当たっては、幾つかの課題があります。
- ARデータ作成などに必要な専門技術
- IoTデータを取り込む仕組み
- 既存の3Dデータの利用
それぞれの用途に応じて異なるツールを使用すると非効率であるうえ、ツール選定や操作の習得に時間と労力をかけるのは現実的ではありません。
しかし、PTC社がご提供するARテクノロジーはこれらの課題を解決し、実践を身近なものにします。
PTC社のARテクノロジー「Vuforia」
PTC社は世界トップクラスのAR技術「Vuforia」を採用し、3D CAD「Creo」、IoTプラットフォーム「ThingWorx Studio」、アプリ開発者向けARプラットフォーム「Vuforia SDK」の三つの形式でご提供しています。
中でもCreoは、特別なプログラミングを必要とせず、簡単にARデータを作成いただけます。
製品 | 概要 |
---|---|
Creo | Creoに搭載されているAR機能(バージョン4.0以上が必要)。3次元CADから直接ARコンテンツをパブリッシュできる簡単設定が魅力 |
ThingWorx Studio | プログラムコードの記述はせずに、画面操作だけでARアプリを作れる簡易開発環境 |
Vuforia SDK | AR開発ライブラリ。iOS、Android、Windows UWP向けに提供 |
3ステップでCADモデルからARデータを手軽に作成
CreoでARデータを作成する手順は簡単な3ステップで完了します。
- 読み込んだCADモデル上にARマーカー(ThingMark)を配置。
- データをパブリッシュするためにサーバーへアップロード。
- 専用アプリをインストールしたデバイスを使用して、モノや図面に貼られたARマーカーをスキャン。デバイス越しに表示された物理空間上にCADモデルが出現。
IoTとARの相互連携
IoTで抽出したセンサーのデータとCADモデルを合わせてARデータを作成し、再び物理空間に戻して利用するといったIoTとARの相互連携も「ThingWorx Studio」を利用すれば可能になります。
例えば、発電機に取り付けているセンサーから電圧や燃料タンクなどのメーター情報を抽出し、CADモデル上に配置した状態でARデータを作成すると、実際のメーターが見えない場所にあっても数値を確認できるといった活用事例もあります。
ARによって3Dデータがビジネスの武器となる
3Dデータを製造業のあらゆるシーンで有効活用するためには、個々に存在する情報を「つなぐ」技術が必要となります。設計から製造、出荷まで一方向であったプロセスが、IoTやARによって、出荷後の情報を各分野にフィードバックできるようになります。
従来は知り得なかった現場の知見を取り入れて製品の改善や新規開発を加速させ、営業力やサービス力をさらに強化するなど、これからのビジネス変革に3Dデータが強力な武器となるでしょう。
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