CAMとは

CAMとは

CAMとは、「Computer Aided Manufacturing」の略語です。「コンピューターで製造を支援する」ことを意味していますが、多くの場合、「加工プログラムを作成するソフトウェア」という意味で使用されています。

CAMには2次元CAMと3次元CAMがあります。2次元CAMは、DXFなどの2次元CADデータをもとに加工プログラムを作成します。3次元CAMは、3次元CADで作成された3Dモデルをもとに加工プログラムを作成することが一般的です。

一方、紙図面からCAMで加工プログラムを作成するには、2次元CADまたはCAMに付属しているCAD機能で2次元製図をしてから2次元CAMでプログラムを作成するか、3次元CADで3Dモデリングをしてから3次元CAMでプログラム作成するなど、自社に合った方法を選択する必要があります。

支給される設計データの種類から考える3次元CAM

日本のものづくりの設計現場では近年3Dモデルが普及してきており、それに伴い加工現場でも設計の3Dモデルを活用できるように3次元CAM導入が広がってきています。

しかし、3次元CADが普及しているとはいえ、加工現場に支給されるデータは紙図面や2次元CADデータである場合も多くあります。3次元CAMを選定する際には支給される設計データの種類やその割合で選定方針が変わってくるため、今回は紙図面・2次元CADデータでの支給が多い場合を例に説明します。

まず前提として、3次元CAMの大半は3Dモデルありきで加工プログラムを作成するようにシステムが作られています。そのため、紙図面や2次元CADデータから3次元CAMで加工プログラムを作成するには、まず3Dモデルを作成する必要があります。そして3Dモデルを作成するには、3次元CAMに搭載されているCAD機能で行うか、CAMとは別に設計用の3次元CADを導入して行います。

このように紙図面や2次元CADデータでの支給が多い企業・部署で3次元CAMを検討する場合、システム選定時はCAMだけでなく「CAD」にも着目する必要があります。一方、3次元CAMの中には3Dモデルがなくても、2次元データから加工プログラムを作成することが得意なCAMもあります。2次元データはCAMで加工深さなどのZ座標を入力する必要が出てきますが、3Dモデルと2次元CADデータを使い分けて運用することができます。

図1:設計データの種類から考える3次元CAMの選定方針例

図1に示した青矢印のルートは、支給される設計データは2次元であるものの3次元CAMを導入するならば3Dモデルを前提とした運用にシフトしていきたいという意向を持った方向けの選定方針です。

中には3Dモデリング時に付与した穴情報を使って、CAMで穴加工プログラム作成の効率化を図ることができるシステムもあるため、こうしたCAMが導入される傾向があります。

赤矢印のルートは、支給される設計データは2次元で、3Dモデルも活用したいし、2次元CADデータも上手く活用したいという意向を持った方向けの選定方針です。2次元CADデータからの加工プログラム作成が得意なCAMが導入される傾向があります。

緑矢印のルートは、基本的に3Dモデルが支給される場合ですが「同時5軸活用“や”複合加工機活用」、「設計と製造の連携強化」など課題に見合ったCAMが導入される傾向があります。

このように支給される設計データの種類や加工現場の課題や今後の展望などによって、最適な3次元CAMは大きく変わってきます。

今後、こうしたCAMの選定基準や導入メリットについて連載していきます。CAM選定でお悩みがある方やご質問があればぜひ大塚商会にご相談ください。

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