3Dデータの活用方法について機構解析していますか?

3次元CADを導入されているお客様にどんな解析を行なっているか聞いた時、「構造解析」とか「流体解析」と答えてくれるお客様は多くいらっしゃいますが「機構解析」と答えてくれるお客様は極端に少ないように思います。

機構解析は、動作アニメーションの作成に始まり、必要な駆動力を求めたり、駆動部の反力の算出、適切なバネ剛性の判断、動的干渉チェックなどが行なえ、設計者にとって非常にメリットの多い計算ツールと言えます。

最近ではメジャーな3次元CADには機構解析の基本機能が統合されるようになり一昔前に比べるとだいぶ値段も下がって、身近に使える環境も整ってきています。

では、なぜ使用しているユーザーが少ないのでしょうか?
その理由のひとつとしては「操作が煩雑でよく分からない」という理由があげられるようです。

操作性を煩雑にしている問題のひとつに「ジョイント」の作成があげられます。
各パーツ同士がどのような自由度をもって動くか定義しているのが「ジョイント」で、自由度を意識した上での適切なジョイントを選択する知識がないと、思ったとおりの機構が再現できません。
「ジョイントの種類が多すぎて何を選択したらいいのか分からない」
「ジョイントを定義する際の座標の考え方や作成方法がよく分からない」
などといった声を多く耳にします。

このような声を意識してか、いくつかの3次元CADベンダーからはジョイントの設定をさせないような機構解析製品がリリースされています。3次元CADでアセンブリモデルを作成した段階で、自動的にジョイントが作成され、あとは駆動源の指示をするだけで設定が完了するような、機構解析を行っている事を一切感じさせない仕組みの製品です。

これらの製品は煩雑な操作は一切ありませんので、機構解析は難しいと考えずに3次元CADを生かすツールとしてぜひご活用頂きたいと思います。

なお、一部の製品の中には機構解析と称して、アニメーション作成の機能しかなかったりすることもありますので製品の選択には注意が必要です。

この記事を書いた人:S・T

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