SOLIDWORKS Simulation(マルチコア非対応・対応)メッシュ作成にかかる時間を比較

IntelとAMD、どちらが速く処理できるのか

近年、製品開発のスピードが求められる中、設計段階でのシミュレーションによる検証は欠かせません。SOLIDWORKS Simulationは、その高い精度と豊富な解析機能で多くのエンジニアに利用されています。しかし、製品が複雑化するにつれて、解析に時間がかかるという課題も抱えています。

この課題を解決するために、SOLIDWORKS Simulationは、「マルチコア」という技術を活用しています。本記事では、マルチコア非対応・対応のSOLIDWORKS Simulation、そしてIntelおよびAMDプロセッサーを用いた性能比較を通して、メッシュ作成にかかる時間を比較します。

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マルチコア対応のメリット

SOLIDWORKS Simulationは、マルチコアの性能を引き出すことで、解析時間を短縮することができます。

  • メッシュ生成: モデルを要素に分割するメッシュ生成は、計算量の多い処理です。マルチコア処理により、モデルを複数の部分に分割して並行処理することで、メッシュ作成時間を短縮できます。
  • ソルバー計算: メッシュに荷重や拘束条件を与え、変形や応力を計算するソルバー計算もマルチコア処理の対象となります。
  • 後処理: 解析結果の可視化やデータ処理もマルチコア処理によって高速化できます。
  • 設計の自由度向上: 短時間で複数の解析ケースを試せるため、設計の自由度が広がります。また、設計変更も迅速に対応できるようになります。

検証に使用したワークステーションのスペック

 

機種HP ZBook Power 16inch G11 IntelモデルHP ZBook Power 16inch G11 AMDモデル
プロセッサーIntel Core Ultra 7 155H
Preformance-cores 6個(基本1.4GHz/最大4.8GHz)
Efficient-cores 8個(基本900MHz/最大3.8GHz)
低消費電力 Efficient-cores 2個(基本700MHz/最大2.5GHz)
16コア/スレッド数22
AMD Ryzen 7 PRO 8845HS
3.8GHz 最大5.1GHz(8コア)
HDDM.2 SSD
(PCIe-4x4 NVMe TLC)
M.2 SSD
(PCIe-4x4 NVMe TLC)
キャッシュメモリー24MB24MB
RAM32GB DDR532GB DDR5
最大仮想メモリー98,304MB98,304MB
グラフィックス
エンジン
NVIDIA RTX 1000 Ada Generation Laptop GPU
(6GB GDDR6)
NVIDIA RTX 1000 Ada Generation Laptop GPU
(6GB GDDR6)
グラフィックボード
ドライバーVer.
31.0.15.525531.0.15.5255
OSWindows 11 ProWindows 11 Pro
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。
  • * グラフィックスカードはCAD推奨のドライバーを使用する。グラフィックスの基本設定を高パフォーマンスに設定。
  • * 設定―システム―電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定(Windows 11のみ)。
  • * 各計測作業前には必ずシャットダウンし、再起動する。LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

メッシュ作成にかかる時間を比較

SOLIDWORKS Simulation(マルチコア非対応)とSOLIDWORKS Simulation Premium(マルチコア対応)で、同じ設定を行い、メッシュ作成を実行し処理にかかった時間を計測します。

(mm:ss)
 IntelモデルAMDモデル
SOLIDWORKS Simulation(マルチコア非対応)00:581:20
SOLIDWORKS Simulation Premium(マルチコア対応)00:3100:41

考察

マルチコア非対応環境では、IntelモデルがAMDモデルを大きく上回る性能を示した。これは、IntelモデルのEfficientコアが、単一スレッド性能においても高いパフォーマンスを発揮することが示唆された。

マルチコア対応環境でも、IntelモデルがAMDモデルを上回ったが、その差はマルチコア非対応環境ほど大きくはなかった。Intelモデルはコア数が多いため、そのアドバンテージが生かされたと考えられる。

一連の操作時間比較 結果

最後に、SOLIDWORKS 2024で一連のCAD操作を行った際の時間比較を掲載します。

(mm:ss)
 IntelモデルAMDモデル
ソフトウェア起動(1回目)00:0400:04
ソフトウェア起動(2回目)00:0300:03
アセンブリファイルを開く00:0600:07
部品ファイルを選択00:0100:02
部品ファイルを開く00:0100:02
部品ファイルを編集00:0300:04
フィーチャ再構築00:0400:04
アセンブリファイル再構築00:0200:02
アセンブリファイル保存00:0100:01
干渉チェック01:3201:32
アセンブリファイル保存00:0100:01
標準三面図+等角投影図作成00:0500:07
平面図削除00:0100:01
作図スケール変更00:0200:03
断面図作成00:0200:02
アセンブリファイル編集00:0100:01
図面ファイル更新00:0900:10
図面ファイル保存00:0300:04
アセンブリファイル保存00:0100:01
すべてのファイルを閉じる00:0100:02
ソフトウェア終了00:0100:01
合計02:2402:34

使用する部品

構成部品の合計数1,042
部品872
ユニークな部品55
サブアセンブリ170
ユニークなサブアセンブリ15

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