SOLIDWORKS 2025×最新ZBookシリーズ ―2年間で進化した性能を検証

AI、環境性能、セキュリティ、通信。2年で進化した設計者のためのZBook

2023年から2025年にかけて、HPのモバイルワークステーションは、AI処理性能、環境配慮設計、セキュリティ機能、通信性能の面で大きく進化しました。

今回は、HP ZBook 8 G1i(2025年5月発売)、Firefly G10(2023年5月発売)、Power G11 / G11A(2024年発売)の3機種を用いて、SOLIDWORKS 2025における一連の操作時間を比較し、最新ハードウェアが設計業務に与える影響を検証します。

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検証に使用したワークステーションのスペック

 

機種ZBook 8 G1i 16インチZBook Firefly 14インチ G10ZBook Power 16インチ G11ZBook Power 16インチ G11 A
CPUIntel Core Ultra 7 プロセッサー 255H
2.0GHz 最大5.10GHz(注1)
Intel Core i7-1365U
1.8GHz 最大5.2GHz(注2)
Intel Core Ultra 7 155H
1.4GHz 最大4.8GHz(注3)
AMD Ryzen 7 PRO 8845HS
3.8GHz
最大5.1GHz(8コア)
ハードドライブM.2 SSD
(PCIe–4x4、NVMe、TLC)
M.2 SSD
(PCIe–4x4、NVMe、TLC)
M.2 SSD
(PCIe–4x4、NVMe、TLC)
M.2 SSD
(PCIe–4x4、NVMe、TLC)
キャッシュメモリー24MB12MB24MB24MB
RAM32GB DDR532GB DDR532GB DDR532GB DDR5
最大仮想メモリー98,304MB98,304MB98,304MB98,304MB
グラフィックス
エンジン
NVIDIA RTX 500 Ada Generation Laptop GPU(4GB GDDR6)NVIDIA RTX A500 Laptop GPU(4GB GDDR6)NVIDIA RTX 1000 Ada Generation Laptop GPU(6GB GDDR6)NVIDIA RTX 1000 Ada Generation Laptop GPU
グラフィックボード
ドライバーVer.
32.0.15.725831.0.15.662431.0.15.525531.0.15.5255
OSWindows 11 Pro 24H2Windows 11 Pro 24H2Windows 11 Pro 23H2Windows 11 Pro 23H2
  • (注1)Performance-cores6個(基本2.0GHz / 最大5.10GHz)、Efficient-cores8個、低消費電力 Efficient-core2個、(16コア / スレッド数16)
  • (注2)Performance-cores2個、Efficient-cores8個、(10コア / スレッド数12)
  • (注3)Performance-cores6個(基本1.4GHz / 最大4.8GHz)、Efficient-cores8個(基本900MHz / 最大3.8GHz)、低消費電力 Efficient-core2個(基本700MHz / 最大2.5GHz)16コア / スレッド数22
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。
  • * グラフィックスの基本設定を高パフォーマンスに設定。設定―システム―電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定。
  • * 各計測作業前には必ずシャットダウンし、再起動する。LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

HPモバイルワークステーションの進化

2023年から2025年にかけて、HPモバイルワークステーションは、設計業務のニーズに応えるために、次の四つの分野で進化しました。

1.AI対応の強化

最新モデルでは、AI専用の処理ユニット(NPU)が搭載され、設計支援や図面作成などの作業をより速く、効率的にこなせるようになりました。また、Windows 11のAI機能とも連携し、設計者の作業をサポートする「Copilot Key」も追加されています。

2.環境への配慮

筐体やキーボードなどに再生素材を使用し、環境負荷を減らす設計が進みました。特に2025年モデルでは、90%再生マグネシウムを使った筐体が採用され、国際的な環境認証も取得しています。

3.セキュリティの強化

設計データや知的財産を守るために、最新モデルでは高度なセキュリティ機能が標準搭載されています。AIを活用したマルウェア検出や、量子ハッキング対策など、次世代の脅威にも対応しています。

4.通信性能の進化

2023年モデルはWi-Fi 6Eまでの対応でしたが、2025年モデルではWi-Fi 7に対応したことで、クラウドCADやオンライン設計支援ツールとの連携がよりスムーズになりました。これにより、リモートワークや複数拠点での共同作業にも強くなっています。

使用する部品

構成部品の合計数1,042
部品872
ユニークな部品55
サブアセンブリ170
ユニークなサブアセンブリ15

一連の操作時間比較 結果

mm:ss
 ZBook 8 G1i
16インチ
ZBook Firefly
14インチ G10
ZBook Power
16インチ G11
ZBook Power
16インチ G11 A
ソフトウェア起動(1回目)0:040:060:040:04
ソフトウェア起動(2回目)0:030:050:030:03
アセンブリファイルを開く0:050:070:060:07
部品ファイルを選択0:010:010:010:02
部品ファイルを開く0:010:010:010:02
部品ファイルを編集0:030:030:030:04
フィーチャ再構築0:030:040:040:04
アセンブリファイル再構築0:010:010:020:02
アセンブリファイル保存0:010:020:010:01
干渉チェック1:101:301:321:32
アセンブリファイル保存0:010:010:010:01
標準三面図+等角投影図作成0:040:060:050:07
平面図削除0:010:010:010:01
作図スケール変更0:020:020:020:03
断面図作成0:030:020:020:02
アセンブリファイル編集0:010:010:010:01
図面ファイル更新0:060:090:090:10
図面ファイル保存0:030:030:030:04
アセンブリファイル保存0:010:010:010:01
全てのファイルを閉じる0:010:010:010:02
ソフトウェア終了0:010:010:010:01
合計1:562:282:242:34

考察

SOLIDWORKS 2025における一連の操作にかかる処理時間を比較した結果、HP ZBook 8 G1i 16インチが最も短時間で完了した。

この性能差の主な要因は、ZBook 8 G1iに搭載されたIntel Core Ultraシリーズ第2世代プロセッサーと考えられる。CPU単体の演算性能向上により、干渉チェックやCPUベースのレンダリング処理など、計算負荷の高い操作で時間短縮が実現された。

また、ZBook 8 G1iは16インチの大画面ながら軽量・薄型設計で、モバイルワークステーションとしての携帯性も高く、頻繁なモデルの拡大縮小や複雑な3D操作を伴わない設計業務においては、十分な性能を発揮するといえる。

AI支援設計やクラウド連携が進む現代のCADワークフローにおいて、処理効率と携帯性のバランスが取れた理想的な選択肢といえるでしょう。

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