ハイエンドモデルの活用で約10倍の生産性向上を確認! HP Z8 G4 Workstation

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株式会社アスク

建築分野で普及が進むBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)をはじめ、現在の企業では3D CGにおけるハイレベルなレンダリング性能が求められるようになった。

そこで今回は、顧客の目的に応じて最適なソリューションとサービスを提供する総合商社という観点から、株式会社アスク エンタープライズ営業部 ソフトウェアソリューション営業グループ グループ長の白澤圭司氏が徹底検証を実施。話題のレンダリングソフトウェア「V-Ray 5 for Revit」とHP製ワークステーションのウルトラハイエンドモデル「HP Z8 G4 Workstation(以下、HP Z8 G4)」を組み合わせたパフォーマンスチェックに加え、エントリーモデル「HP Z4 G4 Workstation(以下、HP Z4 G4)」との比較なども行った。

レンダリング開始から数十分待たされるのは当たり前の世界

3D CGといえばゲームやアニメーションを連想する方も多いと思うが、建設や自動車製造などの各分野においてもそのニーズは年々高まっている。近年では、コンペにおける3D CGのクオリティが、受注率に大きな影響を与えるといった状況も生まれつつある。そうした3D CG制作のプロフェッショナルたちが愛用している、業界標準のレンダリングソフトウェアがV-Rayだ。中でも、BIMソフトウェアRevitのアドオンに対応したV-Ray 5 for Revitは、リアルタイム処理と高い描画能力で評価が高い。

そこで今回は、同ソフトウェアとHP製ワークステーションのウルトラハイエンドモデル HP Z8 G4を組み合わせ、3D CG制作における実力を見ていきたい。

比較対象として、エントリーモデル「HP Z4 G4」も用意した。実際に検証を担当してくれたのは、株式会社アスクの白澤氏だ。同氏はこれまで業務関連でのCAD経験やクオリティの高い3D CG制作を手掛けてきた経験から、ベンチマークの正確性や的確な状況判断に定評がある。

株式会社アスク エンタープライズ営業部 ソフトウェアソリューション営業グループ
グループ長 白澤圭司氏

「弊社への問い合わせでも多いのですが、3D CG制作を一般的な事務用ソフトウェアのような感覚でとらえている方って意外にいらっしゃいます。例えば標準的な事務用のPCにV-Rayをインストールして、レンダリングを開始したらすぐに絵が表示されるといった感覚です。しかし実際には、建物や車などのオブジェクトを作成し、光源を配置した後、レンダリングを始めてから数十分待たされるなんて当たり前の世界です。ようやく表示されたものをチェックしたら、微妙な形状や色の修正でまたやり直し。気付いてみたら1日で完成した3D CGがたったの1枚だった、なんてことも日常茶飯事です。だからこそ、マシンのスペックは極めて重要になります」

超高速なレンダリング処理を実現するHP Z8 G4

ここで今回の検証に用いたHP製ワークステーションのスペックを紹介しておこう。

HP Z8 G4

  • 32コア・64スレッドのIntel Xeon 6246R(3.4GHz)
  • 96GB(8GB×12)の大容量メモリー
  • 1TBのM.2 SSDを採用。
  • グラフィックボードに関しては、NVIDIA Quadro RTX 5000×1枚とNVIDIA RTX A6000×1枚を挿し替えて使用する。

HP Z4 G4

  • Intel Xeon W-2225(4.1GHz)
  • 32GB(8GB×4)メモリー
  • 1TBのHDDを搭載。
  • グラフィックボードについては、GPU用の電源が6ピン×2となっているため、8ピン×2が必要なNVIDIA RTX A6000ではなくNVIDIA Quadro RTX 4000を採用した。

上記の環境において、V-Ray 5 for Revitのデモにも使われているモデル(ファイル容量:96MB)を使用。ミディアムクオリティのレンダリングにかかった時間を、CPU / GPUの各モードで測定した結果がこちらだ。

HP Z4 G4
CPUモード10分40秒
GPU(NVIDIA Quadro RTX 4000)/CUDAモード2分40秒
HP Z8 G4
CPUモード1分12秒
GPU(NVIDIA Quadro RTX 5000)/CUDAモード2分33秒
GPU(NVIDIA RTX A6000)/CUDAモード1分45秒
GPU(NVIDIA RTX A6000)/RTXモード1分9秒

今回の検証に使用したモデル(ファイル容量:96MB)

HP製ワークステーションのウルトラハイエンドモデル HP Z8 G4(写真奥)とエントリーモデル HP Z4 G4(写真手前)での比較を行った。グラフィックカードは今回使用したNVIDIA Quadro RTX 5000とNVIDIA RTX A6000だ

実際に検証を行っている様子。ハイパースレッディングにより64コアがフル稼働しているのが分かる

CPUモードでの結果だけを見ても、HP Z4 G4がレンダリング完了まで10分40秒を要したのに対し、HP Z8 G4では1分12秒と実に十分の一近い処理時間を実現しているのが分かる。

この結果について白澤氏は「今回はファイルサイズが小さいモデルで検証を行いましたが、実際の現場ではGB単位のファイルを扱います。当然ながらファイルサイズが大きくなるほど、レンダリングにかかる時間の差も開くので、さらにHP Z8 G4の優位性が高まりますね。レンダリングが高速だと、光の差し込み方や影の落ちる角度、室内の明るさの変化などがすぐに把握できるようになります。これが3D CGにおいて一番メリットとなる部分です」と語る。

処理能力の高いマシンで生産性が飛躍的に向上

CADやCGのオペレーターにとって、レンダリング処理にかかる時間は生産性に直結する。白澤氏は「3D CGの制作担当者は多くの場合、いくつものプロジェクトを同時進行で手掛けているものです。確かにHP Z8 G4はミドルクラスのワークステーションと比べて初期投資コストこそ高めですが、複数プロジェクトの業務をこなすうえで、生産性向上は必要不可欠といえます。また、HP Z8 G4をレンダリング処理専用の共有マシンにして、通常の作業は各自エントリー・ミドルクラスのマシンで行うというのも一つの方法です。そうした意味では、HP Z4 G4も極めてコストパフォーマンスの高いモデルですね。筐体がコンパクトですし、CPUのクロック数も4.1GHzと優秀なので、通常の作業をこなすのにぴったり。もちろん、レンダリングに多少時間がかかっても構わないので、これから3D CG制作を学びたい、といったビギナー層のニーズにも対応できます」と語る。

グラフィックボード2枚挿しの有用性について語る白澤氏

例えば低スペックのマシンでは、その日に3D CGを1枚制作し、夕方に手直しが発生した場合、修正作業は翌日となってしまう。しかし、処理能力の高いマシンならトライアンドエラーが繰り返せるため、生産性が飛躍的に向上するというわけだ。

さらに「グラフィックボードに関しては、できれば2枚挿しがオススメです。パフォーマンスが高い方を演算専用に回して、もう1枚を描画用にすれば処理効率が格段に上がります。ストレージについては、やはりHDDと比べるとSSDに軍配が上がりますね。生産性を上げるために、SSDへ換装するとよいでしょう」とアドバイスしてくれた。

長期的な視点で投資対効果が極めて高いHPワークステーション

V-Ray 5 for Revitは、リアルタイムに光源の情報が反映できるメリットがある。しかし、その恩恵を受けるためには、今回の検証でも分かる通りマシンのパフォーマンスが必要だ。投資をすれば、それだけ3D CG制作の生産性は上がる。中には、「自作PCでも十分なパフォーマンスが出ている」という方もいると思うが、長期的に見ると大きな落とし穴になりやすい。

白澤氏は「3D CG制作に使うマシンは、どうしてもレンダリング時に高負荷がかかりやすく、モデルによってはそれが長時間持続します。つまり、マシンにとってはかなり過酷な環境です。だからこそトラブルが起きにくい、万が一の際もパーツやドライバーの長期間供給が受けられる、メーカー製品がベストといえます。実際、私が所有している約10年前のHP製ワークステーションが、まだ現役で稼働しているくらいです。多少高くてもトラブルが少なく、運用時期も長く見積もれるというだけで、十分な投資対効果が得られるわけです」と語る。

数多くの実績とノウハウで最適なワークステーション選びをサポートしてくれる

「業務に最適なワークステーションが分からない」という方がいるかもしれないが、そんなときはぜひ株式会社アスクに問い合わせてみてほしい。同社ではGPUを多数取り扱っているので、V-Ray 5 for Revitを使った大規模演算でも、顧客の環境に合わせたPoC代行が可能。最適なワークステーションを提案してくれる。

白澤氏は「3D CGは、使用するソフトウェアや制作物の内容、ファイルサイズなどによって、必要なマシンの条件が大きく異なってきます。ソフトウェアが動作するか、どれだけレンダリング時間がかかるかだけでなく、場合によっては物理的なスペースの問題で筐体にグラフィックボードが入らない、なんてこともあります。そんな細かい違いも含めて、弊社ではお客様に最適なワークステーションをご案内しています。弊社には数多くの実績とノウハウがありますので、ワークステーション選びでお困りの際はぜひご相談ください」と語ってくれた。

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