Moldflowでゲート位置を自動算出

ゲート位置解析でより低圧なゲートを検証

ゲート位置の決定は金型製作において最初に実施する重要課題です。ゲート位置の良しあしで金型の完成度も変わってくるため、より効率的な位置へ配置したいものです。

そこで役立つのが「Moldflowのゲート位置解析」です。この機能は、製品形状や使用する樹脂材料を考慮し、自動で最良と思われるゲート位置を算出してくれます。

ゲート位置解析の計算方法

この解析では主に流動抵抗を評価しており、より低圧で充填可能なゲート位置を算出します。また、ゲートが設定できない部位についてはゲート禁止領域として解析対象から除外することができます。

多点ゲートの場合は最大10点まで設定でき、1点目のゲート位置は決定しており、2点目をどこにするかという評価も可能です。

それでは、ゲート位置解析の活用例をご紹介します。

経験値とゲート位置解析の比較

テストモデルにて経験値で設置したゲート位置と解析結果のゲート位置を比較します。樹脂はPC+ABSを使用、モデルの形状を考慮しゲート数も経験値から5点にて比較します。

  • 製品表側

  • 製品内側

結果の比較

経験値

モデルの体積や流動長を考慮し5点設定。

実充填時間1.14秒
実射出圧力52.97MPa
型締力面積676.8cm2
最大型締め力235.9トン

解析結果

ゲート数「5」にて自動算出。

実充填時間1.11秒
実射出圧力48.85MPa
型締力面積676.8cm2
最大型締め力206.5トン

解析結果のゲート位置の方が圧力と型締め力が低くなっており、より低圧での成形かつ成形機のダウンサイジングも検討できそうです。次にゲート数も確認していきます。

解析結果

ゲート設定「4」にて自動算出

実充填時間1.12秒
実射出圧力50.47MPa
型締力面積676.8cm2
最大型締め力196.4トン

解析結果

ゲート設定「3」にて自動算出

実充填時間1.24秒
実射出圧力72.31MPa
型締力面積676.8cm2
最大型締め力303.8トン

経験値では5点のゲートが必要と思われましたが、圧力と型締め力を見る限り4点ゲートでも同条件で成形できそうです。ゲート数が減れば金型作成費やメンテナンス費用の削減も可能です。

ただ3点までゲートを減らしてしまうと、圧力と型締め力は一気に上昇し、同条件での成形は厳しくなりそうです。

このように経験値の評価はもちろん、一歩進んだ改善の検討にも利用できます。ゲート位置でお困りの方はMoldflowを是非ご検討ください。