【セミナーレポート】点群とCAD連携で設備設計の効率化

計測点群の利用が進展し測定機の性能向上により、短時間で多くの計測点が得られるようになりました。しかし、点群のままでは設計上扱いにくく、3次元モデル化への需要が高まる中で、そのモデル化コストが懸念材料となっています。

1. はじめに ~本セミナーの背景~

このトピックでは、点群データのCAD連携による設備設計の効率化に焦点を当てて実施したオンラインセミナーを、設備管理者、保全とメンテナンス、施設のレイアウト変更に携わる技術者向けに、点群データを短時間でCAD化する方法や紙図面からのデジタル化プロセスなどをご紹介します。

2.なぜ点群データなのか

昨今、点群データは、設備設計プロセスにおいて不可欠な要素となりました。しかし、設備管理者、設計部門においては、3Dスキャナーや点群データを利用したことのない技術者が多く、企業によってはアウトソーシングしているケースもあるのではないでしょうか。

その結果、現地調査が従来どおりの道具の利用、紙やコンベックスによるアナログ的な手法となってしまい、工期の圧迫を招くケースや外注費の負担がかかっていないでしょうか。

3.CAD連携のメリットと内製化

3Dスキャナーを導入し、すぐにメリットを実感できることの一つに、可視化や現状の把握、デジタル採寸が挙げられます。しかし、多くの場合は設備設計のワークフロー全体の効率化を目的としています。紙図面しか存在しない状況をデジタル化する、それは点群データを3Dモデル化し、3次元CADへデータを連携することと言えるでしょう。

「点群データから3Dモデル化するには?」
これは、当社に寄せられるご質問の一つです。ひとくちに3Dモデル化、と言っても対象物や目的によって、作業内容は大きく異なります。作業に入る前にしっかり確認しておきたい事項はたくさんありますが、いくつか挙げるとなれば次のようなポイントは押さえておきたいものです。

  • 対象は何か? それは点群編集ソフトで自動処理できるものか?
  • 目的と成果物は何か? 干渉チェックやレイアウト検討なのか? もしくは3次元CADで設計を行うための3Dモデルのか?
  • モデル化の詳細度はどれくらいか? など

設備・プラント業向けの3次元CADにはさまざまなソフトウェアがあります。設計者にとって理想的な運用は点群データから3Dモデル化されたデータがそのまま3次元CADのオブジェクトとして再利用・設計で活用できることかと思います。しかし、どの3次元CADでどのようなデータ連携ができるのは、これまであまり知られていなかった点です。

本セミナーのダイジェスト版をご覧ください。

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4.まとめ

本トピックスとセミナーを通じて、点群データのCAD連携が設備設計プロセスにもたらす効率化や効果について説明しました。今後、設備部門、施設管理部門、設計部門の皆様が、設備設計のプロセスを効率的に改善でき、設備DXを実現することをご支援させていただきます。