【建築現場におけるペーパーレス化のススメ2】打ち合わせでの活用1

段取り八分

建設業界では昔から事前の準備が重要であることから「段取り八分」、残りの二分が実際に行う作業と言われています。ほとんどの業界にも当てはまりますが、成果物が一品生産となる建設業界では特に重要視されている言葉です。そのため、建築現場では、その段取り確認と情報共有および合意形成の場として、次のようにさまざまな形で打ち合わせが実施されます。

  1. 現場監督と現場作業員による休憩時に缶コーヒーを飲みながらの個人対個人の話し合い
  2. 元請け会社(ゼネコン)+工事専門会社(サブコン)間による「納まり(注1)」現地確認
  3. 設計監理会社+元請け会社+工事専門会社間による設計監理定例
  4. 発注者+設計監理会社+元請け会社+工事専門会社によるプロジェクト全体定例会議
  5. 元請け会社主催による独自イベント(本社安全パトロール、工事開始に伴う周知会など)など
  • (注1)納まり:建築部材の取り付け部や接合部を表す。仕上がり、見た目によって納まりが良い・悪いといわれる。

会議の性質

「段取り八分」にて挙げた打ち合わせでは、打ち合わせの「性質」によって準備の負荷も変わってきます。

現場の休憩中の話し合い

日々付き合いがある施工者と工事関係者の関係性により、ラフな打ち合わせが多い。

  • 参加者がお互いに現場独自の情報や工事に関する共通知識がある。

という背景から話し合いや図面、簡単なマンガ(フリーハンドによる絵図)があれば大抵事が足ります。

現地確認や定例会議

  • プロジェクトにおける組織立場が明確なため、フォーマルな傾向になる。
  • 報告の場という現場の情報などを伝達する場であるため、全員が同じ情報、知識を有していない。
  • 上記内容を伝達するため、設計図書(設計図や仕様書など設計に関する書類)をはじめ、備忘録やチェックリスト、各報告書など、多数書類が発生する。

その書類準備のため、大量の紙資料の用意が必要となります。私も施工管理をしていた時代、工事の合間を縫って準備していましたが、紙資料の準備にはだいぶ時間がかかりました。その内容はまた別の機会にお話しします。

紙資料の代替ツールに「iPad with i-Reporter」

紙資料ならば、参加者に配布するだけでOK、余白へのメモ書きなど即効性のあるツールとして最適かもしれません。しかし、その一方ではエビデンスとして一部保管されるものの、その紙資料のほとんどが廃棄となります。常に情報が更新されるため、その場だけの情報手段となるからです。

それならば、その手段を置き換えてはどうでしょうか? それだけで次のようなメリットが大いに期待できます。

  • 普段利用しているiPadやiPhoneの一機能として追加するだけで利用ができる。
  • 情報更新の際、データ差し替えだけで済む。コピーやプリントのし直しが必要となる紙資料に比べて柔軟性がある。
  • 情報データが一元管理されているため、常に更新情報を関係者がリアルタイムに確認、共有できる。
  • 紙、インク印刷および廃棄による継続的なコストの削減ができる。
  • 紙資料準備(資料フォーマットの整理、コピー印刷など)に関わる労務を省力できる。

iPadやiPhoneなどの日頃の業務や日常生活に浸透している時代にフィットした運用と費用対効果が期待できます。

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