SOLIDWORKS Flow Simuationで粒子の移動を確認してみよう

粒子スタディ機能で粒子の移動を可視化

分離器や集塵装置のように計算した流体流れの結果に対して、質量を考慮した粒子がどのように移動するか可視化したいという場合はありませんか?

SOLIDWORKS Flow Simulationでは製品内部や外部に流れる流体の流れを計算し、可視化することができます。さらに「粒子スタディ機能」を使用すると、計算した流体流れの結果上に粒子を流した際にどのような移動をするか簡易的に可視化することができます。

問題

解析対象は図1のサイクロンセパレーターを想定した簡易的なモデルです。

モデルの左側と上下はそれぞれ開口部となっています(注1)。上下の開口部は静圧の境界条件の設定を行っています。空気は図1の青色矢印で示した開口部から秒速10mで入り、壁に沿って下部へらせん状に流れていき、下側開口部から空気が流出します。また、円筒中心付近では上側開口部へ向かう流れが生じます。

図1:流入条件

  • (注1)計算の処理上、各開口部は蓋機能によりサイクロンセパレーター内は閉じた空間である設定を行っています。

図2で結果を確認できます。計算結果に対して流体の流入面を中心とし、金属粒子がどのように移動しているかを「粒子スタディ」を使用して確認します。

図2:流体流れの解析結果

粒子スタディの設定

粒子スタディでは、次の3項目を設定します。

  • 開始箇所
  • 粒子径、粒子材質
  • 壁面条件

本計算では流体の流入面を開始箇所として、粒子の種類ではアルミニウムを選択しています。

粒子スタディの結果

粒子直径の値を変更した2種類の粒子スタディの結果を示します。

直径1マイクロメートルのアルミニウム粒子の移動

この動画には音声は含まれません。

直径10マイクロメートルのアルミニウム粒子の移動

この動画には音声は含まれません。

直径1マイクロメートルの結果では、流体計算の結果と同様に上側開口部へ向かう移動と壁に沿いながら、らせん状に下側開口部へ向かう粒子の移動を確認できます。

直径10マイクロメートルの結果では、粒子自身の重さによって上側開口部へ向かう移動は発生せず、壁に沿いながら下側開口部へ向かう粒子の移動を確認できます。

粒子の直径や材質が変わることで、粒子がどのような移動となるか簡易的に確認できます(注1)。

  • (注1)粒子スタディでは粒子を考慮した流体計算および粒子同士の衝突を考慮した計算は行っていません。

まとめ

粒子スタディを使用することで、製品の流れ解析の結果に対して粒子がどのように移動するかを簡易的に確認できます。製品外部でも使えるため、粒子の移動を確認したい際は本記事を参考に粒子スタディをお試しください。

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