SOLIDWORKS Plasticsで出力できる解析結果(Standard版)
充填解析で樹脂の流れをさまざまな状態で評価!
解析ソフトは、シミュレーションした計算結果をさまざまな形式で出力することができます。一般的には「カラーコンター図」と呼ばれる色のついた等高線図が中心で、充填時間、圧力、温度、ヒケ、冷却時間などさまざまな物理量を色の分布で確認できます。
SOLIDWORKS Plastics Standardでは、金型内に樹脂がどのように流れ込み、充填されるかをシミュレーションする「充填解析」に対応しています。今回は、充填解析から出力される代表的な項目と結果についてご紹介します。
樹脂の充填時間や充填終了時の状態を出力
充填時間は、樹脂が金型内にどのように流れ込み、充填されていくかの時間経過を示す解析結果です。青色部分は樹脂がまだ到達していない領域となり、樹脂が完全に充填された赤色部分に向かって流動(進行)しています。
流動の先端がぶつかるウェルドラインやショートショットもこの充填時間から確認できます。また、アニメーションでも出力できるため、より直感的に理解することができます。
充填終了時の圧力分布と温度分布
圧力分布は、金型内の圧力分布を可視化します。高圧部分が集中している箇所は、金型への負荷が大きくなります。一方、低圧で成形できるゲート位置を見つけることで、金型への負荷を軽減し、金型寿命を延ばすことにつながります。
温度分布では、熱溜まり部位の発見や低温部のショートショットを確認できます。
ヒケの変位量とサイクルタイムを予測する冷却時間
ヒケの結果は、製品形状からヒケが発生しやすい部位を予測します。製品形状によっては、ヒケが目立ち、外観を損なう可能性があります。
冷却時間は、パーツの90%の温度が固化温度以下になるまでの時間を予測します。断面図や等値面で内部を確認することもできます。
肉抜きなどの形状変更で冷却時間を短縮すると、結果としてサイクルタイムも短縮されます。
型締め力や各節点の温度・圧力のXYグラフ
型締め力は、金型を閉じるために必要な力です。型締め力が不足すると、バリなどの成形不良になる可能性があります。時刻歴のグラフから成形機の必要トン数や温度グラフからゲートシールを予測できます。
まとめ
このように、SOLIDWORKS Plasticsは、低価格でエントリー向けの解析ソフトでありながら、充填に関するさまざまな状態をカラーコンター図、断面図、等値面、アニメーション、グラフなど、豊富な出力形式で樹脂充填を詳細に分析できます。
樹脂の充填流れでお困りの方は、SOLIDWORKS Plasticsをぜひご検討ください。