SOLIDWORKS Plasticsで出力できる解析結果のご紹介(Professional版)

保圧解析と繊維配向解析で一歩進んだ成形性の評価を実施!

SOLIDWORKS Plastics Standardで樹脂の流れを評価し、製品の成形性を確認できるようになったら、さらに一歩踏み込んで、製品の品質に大きく影響する保圧や繊維配向について評価してみましょう。

Plastics Professionalでは、ランナーやインサートの評価、充填時の保圧、そして繊維入り樹脂の挙動を詳細にシミュレーションすることができます。今回は、特にニーズの高い保圧解析と繊維配向解析について、具体的な内容とメリットをご紹介します。

保圧解析から体積収縮率を出力

保圧解析では、成形品が冷却固化する過程で発生する体積の収縮を割合で示し、保圧終了時の体積収縮率として出力します。

図1は、成形品の部位ごとの密度の減少を示しており、このデータは、製品の品質に大きく影響する反り(製品が平らな面からそれてしまう現象)、ヒケ(製品表面にできるくぼみ)、ボイド(製品内部にできる空洞)といった不良発生の予測に利用できます。

図1:体積収縮率

固化時間と固化領域

型開き直前の固化時間と固化領域を解析することで、保圧時間や冷却時間の最適化に役立てることができます。固化時間は、樹脂が固まるまでの時間を示し、固化領域は樹脂が固まっている部分と液体のままの部分を可視化します。

固化時間でグレー色の部分は溶融状態を示します。固化領域は緑が固化、赤が溶融を示します。図2は、型開き直前に溶融状態となっているので、冷却時間の不足が分かります。また、真空ボイドの評価にも利用できます。

  • 図2:固化時間

  • 図2:固化領域

ガラス繊維の配向

ガラス繊維入りの樹脂の解析では、繊維の向き(配向)を可視化し、製品の強度や変形挙動を詳細に予測することができます。解析結果では、繊維が線状に並んでいる部分がより赤色で表示され、繊維の配向状態が一目で分かります。この配向情報は、製品の反りや変形を予測する「反り解析」にも活用されます(Premium版)。

繊維の配向は、製品の強度や収縮に大きな影響を与えます。一般的に、繊維が並んでいる方向には高い強度を持ち、収縮は小さくなります。この特性を利用することで、製品の各部位の強度や変形量を予測し、製品設計に生かせます。

また、樹脂が型内に充填される際のゲート位置は、繊維の配向に大きな影響を与えます。ゲート位置を変更することで、繊維の配向をコントロールし、製品強度の最適化につながります。

図3

まとめ

このように、SOLIDWORKS Plastics Professionalでは、一歩進んだ成形性の評価が可能となります。体積収縮率と繊維配向を事前に評価し、後々問題となる反り、ヒケ、ボイドといった成形不良を事前に予測することができます。

樹脂の成形不良でお困りの方はSOLIDWORKS Plasticsをぜひご検討ください。

SOLIDWORKS Plastics