SOLIDWORKS Plastics 2025 新機能 ~そり解析の原因特定に役立つ新しいプロット機能とは~

射出成形における代表的な成形不良の一つが、そり(反り)です。樹脂部品では、形状や肉厚、冷却条件、材料特性など複数の要因が複雑に影響し合うため、そりの原因特定が難しく、対策に時間を要するケースも少なくありません。

こうした課題に対して、SOLIDWORKS Plastics 2025では、そりの発生要因をより詳細に把握できる新しいプロット機能が追加されました。従来はトータル変位を中心に確認していたそり結果を、要因別に切り分けて確認できるようになり、そり解析の精度向上や対策方針の明確化に役立ちます。

本記事では、SOLIDWORKS Plastics 2025で追加された新たなプロット機能について、解析事例を交えながらご紹介します。

解析モデル

今回は、図1に示すモデルを解析対象としました。

図1:解析モデル

解析条件

図2の通り、冷却管を作成し、ガラス繊維入りの樹脂を使用しました。今回は、肉厚差による影響だけでなく冷却速度の違いや繊維配向の影響についても検証しています。

このような条件を設定することで、射出成形におけるそりの主な要因を複合的に確認できます。

図2:冷却管と繊維配向

解析結果

図3にそりの結果を示します。いずれのプロットも高さ方向変位を示しており、赤色の部分は上方向の変位、青色の部分は下方向の変位、緑色の部分は高さ方向の変位がほとんどないことを意味します。

  • 図3:そり結果 トータル変位

  • 変位-不均一収縮

  • 変位-冷却差

  • 変位-配向効果

SOLIDWORKS Plastics 2024までは、主にトータル変位をベースにした結果確認が中心でしたが、SOLIDWORKS Plastics 2025では新たに以下の要因別プロットが表示可能になりました。

  • 不均一収縮:モデル形状の肉厚差などによる影響
  • 冷却差:金型の温度むらや冷却速度差による影響
  • 配向効果:繊維の向きによる影響

今回の解析例では、不均一収縮の影響によって、両端部および中央部が上方向へ大きく変位するようなそりが発生することが確認できました。

一方、冷却差の結果では、中央部が下方向へ大きく変位する傾向が見られました。そのため、トータル変位では中央部の変位が相殺され、結果として変位が抑えられていることが分かります。また、配向効果の結果からは、今回のモデルにおいては繊維配向の影響が比較的小さいことが確認できました。

このように、新機能を活用することで、単に「どこが反ったか」だけではなく、「なぜ反ったのか」を要因別に把握できます。

そり対策の検討にどう役立つのか

今回のモデルでは、そりの主な原因が不均一収縮であることが確認できました。そのため、対策としては肉厚差の見直しが有効である可能性が高いと考えられます。

もし冷却差の影響が大きい場合は、冷却管レイアウトや金型温度条件の最適化が必要になる場合があります。また、配向効果が支配的である場合は、材料選定やゲート位置、充填条件の調整が有効な対策になる可能性があります。

このように、SOLIDWORKS Plastics 2025の新しいプロット機能は、そりの原因を可視化し、より適切で効率的な改善策の立案につなげられる点が大きなメリットです。

まとめ

本記事では、SOLIDWORKS Plastics 2025の新機能として追加された、そり原因の特定に役立つ新たなプロット機能をご紹介しました。

新たに追加された要因別プロットにより、そりの原因を要素ごとに把握しやすくなり、設計変更、金型調整、成形条件の見直しなど、より具体的な対策検討が可能になります。これまでトータル変位だけでは、そりの原因を十分に切り分けられなかった方にとって、非常に有効な機能といえるでしょう。SOLIDWORKS Plastics 2025をご利用中の方は、ぜひこの新機能をご活用ください。

また、現在2024以前のバージョンをご使用中の方は、バージョンアップを検討するきっかけの一つとして、ぜひご注目ください。