ソリッド、シェル、梁要素の混在メッシュによる構造物の簡略化

4分の1以下のメッシュでの計算が可能に

厚みのある部品、板金、フレームからなる構造物は、ソリッド要素によりメッシュを作成すると要素数が非常に多くなり計算に多くの時間が必要です。

SOLIDWORKS Simulationでは、ソリッド要素(連続体要素)と構造要素であるシェル、梁要素を混在させることによりFEMモデルを大幅に簡略化できます。

問題

ここでは、図1に示す圧力容器の線形静解析を例として取り上げます。

圧力容器は薄肉形状の容器、フレーム構造の脚、厚みのあるフランジおよび端部からなっており、それぞれ溶接されています。端部が地面に固定されており、圧力容器およびフランジの内側の面に0.68[MPa]の圧力が負荷された時の変位、応力を解析します。

図1:圧力容器(左:全体、右:断面表示)

混在メッシュによるモデル化

容器をシェル要素、脚を梁要素、フランジおよび土台をソリッド要素によりメッシュを作成します。図2に作成したFEMモデルを示します。ここで、それぞれの結合部は要素が持っている自由度の違いからそのままではくっついた状態にならないため、ボンド結合を定義する必要があります。

図2:FEMモデル

解析結果

図3に混在メッシュによる解析結果(変形スケール300倍表示)を示します。応力分布はシェル要素およびソリッド要素はVon Mises応力、梁要素は軸と曲げの組み合わせ応力となります。

また、図4に全てソリッド要素とした場合における解析結果(変形スケール300倍表示)を示します。両者の結果は同様の傾向となっていることが分かります。また、それぞれのケースにおける節点数および要素数を次に示します。

混在メッシュ節点数22,698、要素数11,153
ソリッド要素節点数93,495、要素数52,364
  • 図3:混在メッシュによる解析結果 変位

  • 図3:混在メッシュによる解析結果 Von Mises応力

  • 図3:混在メッシュによる解析結果軸と曲げ 応力

  • 図4:ソリッド要素とした場合における解析結果 変位

  • 図4:ソリッド要素とした場合における解析結果 Von Mises応力

混在メッシュのまとめ

今回の例では、混在メッシュにより全てソリッド要素にした場合と同等の結果を4分の1以下のメッシュで計算することができました。

さらにシェル要素、梁要素でモデリングできる箇所が多い問題の場合、より大きな効果が期待できます。計算コストやハードウェアの制限でお困りでしたら混在メッシュが使用できるSOLIDWORKS Simulationをお勧めします。

精度を保つメッシュ作成のテクニック