サーモスタット機能によるホットプレート温度の経時変化予測
さまざまな製品に利用されるサーモスタットの熱伝導を解析する
熱解析は「定常解析」そして「非定常解析」の二つの解析タイプがあります。定常解析は定常状態の温度分布を求めるのに対し、非定常解析は温度の経時変化を求められます。非定常解析は発熱量の設定として時間、および温度依存の値を設定できるほか、サーモスタットによる温度調節機能を持っている製品に対しても設定できます。
今回は、SOLIDWORKS Simulation Professionalのサーモスタット機能を使ったホットプレートの非定常熱伝導解析例をご紹介します。
問題
図1・2に熱解析の例として取り上げるホットプレートの3Dモデルおよび解析条件を示します。
ヒーターは1,200Wで発熱しており、サーモスタットによりセンサー温度が190~210℃に保たれるようにしています。各部品の初期温度は25℃、対流により空気中への放熱を考慮した状態で、電源を入れた後のプレート温度の経時変化を確認します。
対流の設定
対流の設定は、図3に示すように放熱を設定する面を全て選択し、熱伝達係数、および参照周囲温度を入力します。
熱流体解析ソフトSOLIDWORKS Flow Simulationのライセンスをお持ちの場合は、放熱面が自動認識されるので選択の必要はありません。また、熱伝達係数、雰囲気温度における分布の計算を行う場合はFlow Simulationをお勧めします。
サーモスタットの設定
図4にサーモスタットの設定画面を示します。
サーモスタットは、センサー位置、下限温度、および上限温度を設定し、非定常熱伝導解析を実行中に直前のステップでセンサー温度が下限値を下回ると発熱量をオン、上限値を超えると発熱量をオフに切り替えられる機能です。
解析結果
温度分布の経時変化、センサー温度の経時変化を動画・図5に示します。図5では、設定温度までの到達時間や温調時の温度変化の挙動を確認することができます。
まとめ
サーモスタットは、自動車、家電製品、住宅設備などさまざまな場所で利用されています。サーモスタット機能を使用すると、簡単な設定で発熱量のオン、オフを切り替えられます。
温度調節機能を有する製品の熱解析は、SOLIDWORKS Simulationをお勧めします。
- * サーモスタット含む熱解析はSOLIDWORKS Simulation Professional以上で使用可能。