小規模河川の氾濫推定計算がリリース

FORUM8新製品情報2023年9月:水工スイート バンドル製品

「小規模河川の氾濫推定図作成の手引き」に対応した氾濫推定図を作成、UC-win/Road連携による可視化にも対応。

水工設計計算ソフトの最新情報を一冊に

水工設計計算ソフトの最新情報を一冊にまとめた資料をご用意しています。無料ですので、お気軽にお取り寄せください。

資料ダウンロードお申し込み

プログラム概要

近年、一級河川および二級河川(小規模河川)での氾濫被害が多数発生していますが、このような小規模河川では、水害リスク情報が十分に整備されていないため、水害リスク情報の空白地帯となっているとされています。これを背景に流域治水の考え方のもと、膨大な数の小規模河川に対し、水害リスクの空白地の解消や見直しが進んでいます。

国土交通省ならびに国土技術政策総合研究所より発刊された「小規模河川の氾濫推定図作成の手引き」(R2年6月版)では、一般の浸水氾濫シミュレーションでの作業に比べて少ない労力で氾濫推定図が作成できる手法が提示されました。

本製品はこの手引きに基づき、地形データから河川情報を取得し、氾濫推定図を短時間かつ低コストで作成できます。さらに、本製品で作成した氾濫推定図の情報を、3D VRソフト「UC-win/Road」で作成したデジタルツイン空間に取り込んで可視化することで、浸水氾濫だけでなく交通・人流、避難などほかの各種解析結果ともあわせて、統合的な災害対策シミュレーションが可能となります。

  • 地理院タイルの地形、航空写真を取り込み短時間に解析用ベースデータ生成。
  • 任意地形データ(CSV、xyz)取り込み、DXFなどCADファイルからの地形取り込み対応。
  • 横断測線から河道の横断図を自動生成し短時間のデータ入力が可能。
  • 断面生成後、各横断図の粗度係数の設定や形状の修正が可能。
  • 不等流計算を実行後、手引きに沿った流下型氾濫、貯留型氾濫の氾濫推定図作成。
  • 解析結果はUC-win/Roadで可視化し3DVRシミュレーションが可能。

プログラムの機能と特長

計算機能

本製品は、三つの氾濫形態「流下型氾濫」、「貯留型氾濫」、「拡散型氾濫」のうち、「流下型氾濫」と「貯留型氾濫」に対応しています。「流下型氾濫」の判定材料として、手引きの図6-2(P.24)の壁立て計算水位の延伸線と地表面の交点、および10×川幅Bの範囲を平面図化する浸水予想範囲の表示機能を用意しています。不等流計算は、粗度係数の変化を考慮する平均流速公式レベル1aを使用します。川幅内、川幅の左外側、右外側ごとに粗度係数を指定できます。貯留型氾濫では、不等流計算結果によるH-Q式を用いた流下能力の算定を行い、一番流下能力の低い断面を氾濫開始流量とした流量ハイドログラフから氾濫流量を計算します。

浸水予想範囲図

操作概要

初期入力として、3次元地形データの読み込みを行います。地形データはDWG、DXFファイルからの読み込み、または地理院タイルからの読み込みにより行います。地形データを平面図として表示した地図上に河心線を定義して、この河心線に沿って不等流の計算断面となる横断線を定義します。横断線は最初に断面幅、縦断ピッチ等を指定して一括作成し、その後、地図上のマウス操作で各横断面の配置、角度、長さを変更します。地形上の横断線から自動的に作成した不等流計算断面は、編集も可能です。地形データから河川断面形状を正確に定義できない場合は、断面の2次元座標を直接修正します。また、簡易河床断面生成機能も用意しています。概略的な断面であれば、河床幅と河床高を入力して単純な河川断面を生成が可能です。

河心線、横断線を定義したメイン画面

簡易河床断面生成画面

不等流計算では、計算条件として計算開始水位、流量を入力して不等流計算を行い、結果画面で確認を行います。計算条件や計算結果は、計算書に出力も可能です。

計算書出力設定画面

地形の3D表示

作成した計算モデルを確認するために、3D表示機能を用意しています。地形データ上に河川横断面や、不等流の計算水位等を3D描画しますので、データの妥当性を目視での確認に役立ちます。この画面では、以下の3Dモデルについて、座標値をリストに表示できます。

  • 地形座標
  • 横断線座標
  • 窪地座標(貯留型氾濫時の貯留範囲外形)

リストで選択した行の座標が、3Dモデル図にハイライト表示されます。

3D図表示画面

UC-win/Roadとの連携

氾濫推定図の情報を、「UC-win/Road」形式のファイルに保存も可能です。保存したデータ(rdファイル)を「UC-win/Road」で読み込み、Roadデータとして活用できます。

UC-win/Road連携による3Dシミュレーション

氾濫推定図

氾濫推定図は、地形平面図上に浸水範囲を重ね合わせます。浸水範囲は手引きP.27の表示色に従って、浸水深に応じた配色で描画します。氾濫推定図は、画面上での確認や任意の用紙サイズへの出力、Excelファイルへの出力が可能です。

氾濫推定図

電子データ保存

地理院地図に描画可能なKMLデータとHTMLファイルの出力を行うことが可能です。保存したKMLデータをブラウザーに表示した地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/)にドラッグ&ドロップすると、氾濫推定図が描画されます。

KMLデータによる氾濫推定図

保存したHTMLデータは、ブラウザーに表示するとKMLデータを描画した地理院地図と必要事項の記述、凡例を表示したページを閲覧できます。

適用基準および参考文献

参考文献

  • 小規模河川の氾濫推定図作成手引き(令和2年6月) 国土交通省 水理・国土保全局河川環境課水防企画室、国土技術政策総合研究所河川研究部水害研究室
  • 防災調節池等技術基準(案) 解説と設計実例(平成19年9月) 社団法人 日本河川協会
  • 増補改訂 流域貯留施設等 技術指針(案)(平成19年3月) 社団法人 雨水貯留浸透技術協会
  • 土地改良事業設計指針「ため池整備」(平成27年5月) 農林水産省農村振興局整備部設計課監修 公益社団法人農業農村土木学会発行
  • 建設省河川砂防技術基準(案)同解説 調査編(平成16年8月) 国土交通省 水理・国土保全局河川環境課水防企画室、国土技術政策総合研究所河川研究部水害研究室
  • 浸水想定(洪水、内水)の作成等のための想定最大外力の設定手法(平成27年7月) 国土交通省 水管理・国土保全局

製品価格

小規模河川の氾濫推定計算270,000円(税別)

フローティングライセンス価格

本体価格の40%を追加いただくことで、誰でもどこでもどのPCでも製品の利用が可能となります。

小規模河川の氾濫推定計算108,000円(税別)

サブスクリプション価格

対象製品初年度1年
小規模河川の氾濫推定計算 サブスクリプション無償108,000円(税別)
小規模河川の氾濫推定計算 サブスクリプションフローティング151,200円(税別)

サポート内容

  • バージョンアップ無償提供
  • 電話問い合わせテクニカルサポート
  • 問い合わせサポート(電子メール、FAX)
  • ダウンロードサービス
  • 保守情報配信サービス

本製品を除くお得なスイート製品については、製品情報にてご確認ください。

水工スイート 製品情報