矢板式河川護岸の設計・3D CADがリリース

FORUM8新製品情報2025年2月(水工スイートに含まれる製品です)

本製品は河川護岸における自立式矢板の設計計算プログラムです。鋼矢板、鋼管矢板、コンクリート矢板に対応し、「災害復旧工事の設計要領」や「河川構造物の耐震性能照査指針」、「土地改良事業計画設計基準及び運用・解説-設計-「水路工」」、「自立式鋼矢板擁壁設計マニュアル」に準拠した検討、図面作成を行えます。

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「土地改良設計基準「水路工」(H26)」に対応

軟弱地盤における円弧すべりの検討、液状化時の検討には対応していません。

コンクリート矢板の設計

コンクリート矢板は、従来の鋼矢板に比べ耐久性、景観が優れていると考えられている工法です。コンクリート矢板では、以下2点について照査を行います。

  1. 最大曲げモーメントが、ひび割れモーメントを下回ること
  2. 変位量が許容変位量以下となること

土地改良以外の基準でも、コンクリート矢板を設計できます。

河床安定の照査

(a)ボイリング

ボイリングとは、砂質地盤で矢板の先端から締切内部に水がまわりこんでくる現象です。飽和した砂質地盤では、水路内の水を排水し、内部の土を掘削していく過程で、急激に地盤が破壊される場合があります。このような現象をふせぐために行う検討です。

(b)ヒービング

ヒービングとは、軟弱な粘性地盤において深い根切りや高い盛土を行う際に、周囲の地表面との高低差が荷重となって地盤にすべり破壊が生じ、設計地盤面が膨れ上がる現象です。これについて、設定に応じ照査ができます。

ヒービングの照査

フリューリッヒの地盤応力の理論

従来、盛土による換算載荷重の計算は、崩壊角を用いて行っていました。土地改良の基準では、単層盛土の場合にフリューリッヒの地盤応力の理論を適用し、載荷重の換算を行います。

河川構造物の耐震性能照査指針(平成28年版)に対応

レベル2地震動のタイプI、タイプIIについて、耐震性能2または3を満たすことを検討します。これらの検討では、地震時の影響として以下のものを考慮します。

  1. 構造物の重量に起因する慣性力
  2. 地震時土圧
  3. 液状化の影響
  4. 地震時動水圧

地震時の設計水平震度の算出は、道路橋示方書に準拠した地層条件からの自動算定が可能です。

また、見かけの震度については、二建の提案式のほか、災害復旧の標準式、荒井・横井の提案式を用いた算出に対応しています。

矢板壁の弾塑性解析に対応

解析に同社製品 Engineer's Studioのソルバーを用いた、断面力、変位の計算に対応しています。

本モデルにおいて、矢板壁に作用する主働側側圧は、要素に対し連続の分布荷重として考慮します。受動土圧については、上下限値を受動土圧、傾きを水平方向地盤反力係数としたバイリニアの地盤バネを設定することで考慮しています。

地盤バネ

また、弾塑性法を用いることで、慣用法では計算できない鉛直方向の変位量を得ることができます。これにより、耐震性能2の変位についての照査を行うことが可能となります。

検討ケース:液状時に対応

液状化の影響を考慮するため、地震時の各ケース、主働側、受働側地層のそれぞれに対して、液状化の判定と、低減係数の自動計算に対応しました。

形状決定画面

判定結果より、「液状化する」層が含まれている地震動に対して、新たに液状化時が検討ケースとして追加されます。

液状化時の場合、液状化すると判定された層に対しては、地盤バネに低減係数を考慮し、また、土水圧の影響として漸増成分と振動成分を考慮します。「河川構造物の耐震性能照査指針」では、2層系地盤を想定した計算法が記載されていますが、本製品ではこの手法を多層系地盤にまで拡張し、多様な地層条件における作用力の計算を可能としています。

多層系地盤における振動成分

多段盛土に対応

最大5層までの盛土を考慮することができます。

この盛土部分は、換算載荷重として、主働土圧や、漸増成分を計算する際の有効上載圧に考慮されます。

多段盛土の入力画面

全体安定(円弧すべり)の検討

全体安定の検討では、矢板を含む地盤全体が崩壊に至るかを検討します。全体安定性が不足する場合には、基本的な計画の見直し、あるいはこの安定を満足するための対策について検討する必要があります。

すべり円中心が格子範囲内にある不特定多数のすべりに対する臨界面(最小安全率)の計算を縦横メッシュの格子上で行ない、その中で最小安全率となるすべり円を抽出する処理を行います。全体安定の計算データは同社UC-1「斜面の安定計算」用のデータとしてエクスポートすることができますので、同製品を活用することによって、より詳細な検討や対策工の検討などを行うこともできます。

全体安定(円弧すべり)

全体安定の検討結果画面

設計水平震度の計算/主働土圧係数の算定/Engineer’s Studioのデータファイル形式(*.es)に対応

設計水平震度の計算に対応

地層の物性値より地盤種別を判定し、設計水平震度を自動計算します。

主働土圧係数の算定に対応

「修正物部・岡部法」を適用した場合の主働土圧係数の自動算定に対応しています。

Engineer’s Studioのデータファイル形式(*.es)に対応

適用基準および参考文献

適用基準

道路橋示方書
  • 道路橋示方書・同解説V耐震設計編(平成14年3月)社団法人 日本道路協会
  • 道路橋示方書・同解説V耐震設計編(平成24年3月)社団法人 日本道路協会
設計基準
  • 河川構造物の耐震性能照査指針(平成28年3月)国土交通省 水管理・国土保全局治水課
  • 河川構造物の耐震性能照査指針(平成24年2月)国土交通省 水管理・国土保全局治水課
  • 災害復旧工事の設計要領(令和6年)社団法人 全国防災協会
  • 土地改良事業計画設計基準および運用・解説-設計-「水路工」(平成26年3月)社団法人 農業農村工学会
  • 自立式鋼矢板擁壁設計マニュアル(平成29年3月)一般社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会

参考文献

  • 災害復旧工事の設計要領(平成27年) 社団法人 全国防災協会
  • 建設省河川砂防技術基準(案)同解説・設計編(平成9年10月)建設省 河川局監修、社団法人 日本河川協会編
  • 港湾の施設の技術上の基準・同解説(平成19年7月)社団法人 日本港湾協会
  • 漁港・漁場の施設の設計の手引き(2003年版)社団法人 全国漁港漁場協会
  • 道路土工 仮設構造物工指針(平成11年3月)社団法人 日本道路協会
  • 鋼矢板 -設計から施工まで- (2014年版)社団法人 鋼管杭・鋼矢板技術協会
  • 道路橋示方書・同解説 V耐震設計編(平成8年3月)社団法人 日本道路協会
  • 高強度コンクリート矢板設計・施工ハンドブック(2014年7月)日本コンクリート矢板工業会
  • 土木工事設計要領 第II編 河川編 (平成26年4月) 国土交通省 九州地方整備局
  • 河川構造物設計要領 (平成28年11月) 国土交通省 中部地方整備局 河川部
  • 道路土工 擁壁工指針(平成11年3月)社団法人 日本道路協会
  • 道路土工 擁壁工指針(平成24年7月)社団法人 日本道路協会

製品価格

複数製品を導入ご希望でしたら、スイート製品がお得です。

これからまとめて買いたい方は

水工スイート 価格(通常)

持っている製品があるけど、費用を抑えたい方は

水工スイート 価格(単体製品ユーザー)

新規1年目

矢板式河川護岸の設計・3D CAD280,000円(税別)

フローティングライセンス価格(新規1年目)

本体価格の40%を追加いただくことで、誰でもどこでもどのPCでも製品の利用が可能となります。

矢板式河川護岸の設計・3D CAD112,000円(税別)

サブスクリプション価格(2年目以降費用)

矢板式河川護岸の設計・3D CAD初年度無償
2年目以降:112,000円(税別)
矢板式河川護岸の設計・3D CAD フローティング初年度無償
2年目以降:156,800円(税別)

サポート内容

  • バージョンアップ無償提供
  • 電話問い合わせテクニカルサポート
  • 問い合わせサポート(電子メール、FAX)
  • ダウンロードサービス
  • 保守情報配信サービス

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