FlowDesigner解析事例35:ダブルスキンの効果検討(簡略化事例2)

大型ビル・施設での導入が増えているダブルスキンの効果とは?

ダブルスキンとは、外壁とガラスを2重構造にし、間に発生する空気を対流させて空調負荷を低減させる建築手法です。夏は外壁からの熱の侵入を防ぎ、冬は温められた空気を空調として活用できる効果があります。今回はこのダブルスキン構造にどのような効果があるのか、季節ごとに比較します。

目的:ダブルスキン構造内の気流、温度分布を確認する

5階建てのオフィスビルの西側において、「5月14時」を想定した条件下でダブルスキン構造内の気流・温度分布を確認する。季節によりいくつかのパターンをすばやく比較するため、できるだけ簡易モデル化して解析を行いたい。

ダブルスキン構造のオフィスビル

TIPS:空間の一部を切り取った簡略化モデルを用いる

本来、建物と周囲の空間を含めた範囲をモデル化する必要があります。しかし、ビルの西側が連続的なダブルスキン構造となっているため、評価領域をビル全体ではなく一部分をカットして検討します。

本来は評価領域をビル全体とするが、今回は一部をカットした簡略化モデルを使用

簡略化モデルのメリットデメリット

メリット簡単にメッシュ数を減らせるため・・・
短時間で計算が可能。
安定した解析結果を得やすい。
初期検討、ケース比較に向いている。
デメリット空間全体で起こる大局的な現象を見落とす可能性があるため・・・
切り取り対象の選定は慎重にする必要がある。
実現象に即したモデル化ではない。

STEP1:屋外側条件、日射条件の設定

各条件を次のように設定します。

  • 屋外側条件:風速毎秒0.2m(メートル)(高さ方向一定)
  • 屋外温度:28℃
  • 日射条件:5月27日14:00の神奈川県横浜市、曇天率0%(パーセント)

STEP2:メッシュ分割

メッシュを総分割数1,021,032(X 163、Y 27、Z 232)に分割します。

FlowDesignerでは、このように結果を表示できます

FlowDesignerを使った解析結果は図のようになりました。図では、矢印の向きで風向、矢印の色で温度を表しており、1度の表示で複数の項目を確認できます。ビルの上層階程、温度が高く、流速が大きくなっていることが分かります。

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動画で分かるダブルスキンの効果検討

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FlowDesigner解析事例 ダブルスキンの効果検討

主な内容

  • 建築分野での逆解析技術の適用
  • 検討の流れ
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