FlowDesigner解析事例33:スポーツ施設の温熱環境検討(簡略化事例1)

大規模空間の検討に有効な「切り取り」

大規模空間を検討する場合、計算負荷が高くなりやすいという課題があります。大規模空間内が対称形な空間で成り立っている、もしくは決まったパターンが連続しているなどのルールがあれば、その一部分だけを切り取って計算負荷を抑えて検討できます。
この考え方は体育館やアリーナ、データセンター、工場などに生かせます。今回は体育館をピックアップしています。どのように切り取れば、効率よく温熱環境を検討できるでしょうか?

目的:体育館の温熱環境を確認する

1辺が100m(メートル)、天井高さ30m程度の体育館について、冬場の温熱環境を検討する。空調・換気扇位置などに関するいくつかのパターンを比較するため、空間切り取りモデル(簡略化モデル)を使って、すばやく解析を行いたい。

STEP1:体育館の一部を切り取る

対象となる空間が大規模、かつ線対称の構造となっているため、評価領域を体育館全体ではなく4分の1に切り取ります。

TIPS:簡略化モデルを使うメリットと注意点

簡略化モデルを使うと、簡単にメッシュ数を減らせるため、次のようなメリットがあります。

  • 短時間で計算が可能。
  • 安定した解析結果を得やすい。
  • 初期検討、ケース比較に向いている。

反対に、空間全体で起こる大局的な現象を見落とす可能性を考慮する必要があります。そのほか、次の点に注意しましょう。

  • 切り取り対象の選定は慎重に。
  • 実現象に即したモデル化ではない。

STEP2:解析領域の設定と流出入条件、発熱条件設定

解析対象空間体育館の4分の1のみを解析対象空間とする
流出入条件空調機、観客席出入口、フロア入退場口を流出入対象とし、流量、吹出温度、寸法を設定する
温度条件天井、屋外に接する壁、観客席の壁、床に表面温度条件を設定する

STEP3:メッシュ分割

メッシュを総分割数3,552,696(X 196、Y 171、Z 106)に分割します。

FlowDesignerでは、このように結果を表示できます

FlowDesignerを使用し解析を行った結果です。図では、矢印の向きで風向、矢印の色で温度を表しており、一度の表示で複数の項目をご確認いただけます※。

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FlowDesigner解析事例 スポーツ施設の温熱環境検討

主な内容

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