あなたにぴったりのワークステーションを見つけましょう
CADのスペックを満たしたHPワークステーションが簡単に見つかります。
問い合わせが増加しているマルチモニター
コロナ禍の影響を受け、働き方が大きく変わったという業種は多い。CAD、CAEあるいはCG、デザインなどワークステーションを扱う多くの業種の中でも、オフィスと在宅ワークを中心とするハイブリッドワークの波が押し寄せている。
そんな中、配布されるワークステーションも持ち運びが可能な「モバイルワークステーション」が採用されるケースが多くなり、これまでにはなかった業務効率化のための環境構築が求められるようになっている。今回はHPの担当者3人にモバイルワークステーションのさらなる活用について話を伺ったのでご紹介しよう。
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近年、エンジニアやデザイナーといったワークステーションのオペレーションを行うスタッフに対していわゆるノートPCタイプのモバイルワークステーションが配布されるケースが増えている。背景として、コロナ禍になり在宅ワークが日常となる中、ある程度の業務を自宅で行う必要があるため、高性能なモバイルワークステーションが求められる傾向があるという。
そんな中、マルチモニター環境の構築についての問い合わせが増加中なのだという。
「そもそもデスクトップPCタイプのワークステーションは外部ディスプレイが必須でしたから、概念的にもマシンの仕様的にもマルチモニター環境の構築は簡単だったと思います。しかし、ノートPCタイプのモバイルワークステーションの場合、外部出力用のポートがそもそも限定されているため、戸惑っているケースがあるのだと考えています」とその背景を語るのは石川氏だ。
HPのZモバイルワークステーションシリーズの場合、もともとHDMIポートが採用されているので、本体のモニターと外部ディスプレイのデュアルモニター環境はすぐに構築できる。
しかし、さらにもう1枚のモニターを追加した3画面、あるいは4画面となると拡張の仕方が分からないケースが出てしまうのだ。
「加えて企業や個人が持っているモニターの資産も年代がバラバラで、どのモニターにどのポートが採用されているのか把握しづらいという状況もあるでしょう。多くの方はノートPCの画面一つでの作業に限界を感じてモニターの増設をお考えでしょうから、3画面あるいは4画面と表示領域を拡大することで、さらなる業務効率化を目指しているのだと思います」と石川氏は解説する。
実際にモバイルワークステーションを中心としたマルチモニター環境構築には何が必要なのだろう。「例えば、モニターを複数枚使い、表示領域だけを拡張するなら今お使いのワークステーションでも可能です。HP Zモバイルワークステーションシリーズの場合、ハイブリッドグラフィックスが採用されているモデルがほとんどですから、グラフィックスパワーには問題ありません。ただし、2画面、3画面にするとそれだけコンピューターに仕事をさせるわけですから、アプリの利用状況に見合うようにCPUやメモリーのリソースにも気を配る必要があります」と語るのは姫野氏だ。
CADソフトウェアとオフィスソフトウェア、動画編集ソフトとイラスト作成ソフトといったように、単純に表示領域を広げるだけでなく、複数枚のモニターを使う場合はそれぞれにアプリケーションを割り当てたいケースがほとんどだろう。その場合、やはりスペックは高いほどマルチタスクはスムーズに動作する。特にバックグラウンドで常時稼働させておくような作業が多いケースでは、この傾向はより強く出てくるはずだ。
「例えば第12世代インテルCoreプロセッサーの場合、多数のCPUコアによる演算処理をよりスムーズにするためにPコア、Eコアという2種類のコアによるマルチスレッド分散処理を行うことができます。日常業務でのマルチタスクを考えるとかなりのパフォーマンスの向上が期待できます。ですから、これからモバイルワークステーションを購入してマルチモニター環境でさらなる業務効率化を目指すなら、十分なメモリーと第12世代インテルCoreプロセッサーの組み合わせがおすすめですね」と姫野氏はアドバイスを送る。
「パフォーマンスも大切ですが、モバイルワークステーションによるマルチモニター環境構築で忘れていけないのはUSB Type Cポートを使いこなすことです。このポートはモニターのデイジーチェーンが可能(Displayport Alt Mode対応の場合)で、最初から外部モニターと接続しやすいように設計されていますからぜひ利用していただきたいです。それには幾つかのポイントがありますから、実際の手順を追いつつご説明していきましょう」と語るのは知花氏だ。
それでは実際の環境構築方法について解説していただこう。
モバイルワークステーションと必要なモニターを用意しよう。ここではHP Z24u G3 プロフェッショナル液晶モニターを最初の1枚に使用する。
ワンポイント
USB Type Cポートを使ったモニターのデイジーチェーンでは最初につなぐ1枚目は必ずDisplayPortのアウトプットがあるモデルを選んでください。グラフィックスの仕様により最大4枚までつなげられますが、その場合は中間のモニターにも同様の仕様が必要です。
準備ができたらUSB Type Cケーブルで本体のポートとモニターのインプットポートをつなげる。ここまでは誰もが直感的に作業できるはずだ。
ワンポイント
モバイルワークステーションから1枚目のモニターまでのUSB Type Cケーブルは映像信号が送れるDisplayport Alt Mode対応仕様のものが必要です。ご自分での購入が難しい場合は、モニター購入時に付属していたケーブルを使えば問題ありません。
1枚目のモニターのDisplayPortのアウトプットと2枚目のモニターのDisplayPortのインプットポートをDisplayPortケーブルで接続する。製品によっては1枚目のモニターのDisplayPortアウトプットが目隠しされているケースもあるので説明書をよく見て場所を確認してほしい。
ワンポイント
3枚のモニターを接続可能な場合は2枚目のモニターもデイジーチェーン対応モデルである必要があります。終端となるモニターは通常のDisplayPortインプットだけあるモデルでも構いません。
必要な枚数のモニターが接続できたらモバイルワークステーションの電源を入れ、Windowsのディスプレイセッティングでマルチモニター環境になっているか確認しましょう。必要に応じて番号表示させるなど好みの環境を構築しよう。
デスクトップタイプのワークステーションでも、DisplayPortの節約やケーブル管理のためにデイジーチェーンでマルチモニター環境を構築することは可能だ。コツはここでご紹介した内容と同じだが、例えば4画面のうちグラフィックスからは2系統だけを出力し、2枚のモニターからそれぞれデイジーチェーンで1枚ずつモニターを追加するといったこともできる。
日常的に使うかは別として、知識として知っておくと役立つケースがあるかもしれないのでぜひ覚えておいていただきたい。
「モバイルワークステーションを活用したマルチモニター環境の構築にはUSB Type Cポートの使い方が大切なことがご理解いただけたと思います。また、デイジーチェーン対応のモニターも必須になりますが、この場合のメリットはモニターが増やせるというだけでなく、LANケーブルをモニターに差しておくことで有線によるネットワーク接続や、100Wまでですがモバイルワークステーションへの給電ユニットとしても活用できます。つまり、ちょっとしたハブやドッグの役割をモニターがしてくれるというわけです」と説明する姫野氏。
「ただし、デイジーチェーンによるマルチモニター環境の構築では注意点もあります。USB Type Cはさまざまな規格をそれぞれが間借りするような仕様なので、映像信号については上限があるということです。一般的にDisplayport1.3 / 1.4は約26Gbpsの帯域容量を持ち、フルHDモニターの場合は4枚でも帯域容量の問題はありませんが、4Kモニターを追加したいような場合は容量不足で表示できないケースも考えられます。ですから、どうしても4Kが欲しい場合は最初の1枚目に持ってくるなどの予防策が必要です」と石川氏は語る。
「また、繰り返しになりますが、グラフィックスばかりに注目しがちです。マルチモニター環境で作業したいというニーズの裏にはマルチタスクによる業務効率化への要求が隠れています。モニターが増えた分、作業効率が上がりますから、プロセッサーへの負担も大きくなります。最新の第12世代インテルCoreプロセッサーシリーズやインテルXeonプロセッサーといった高性能なプロセッサーによって、さらなる業務効率化も視野に入れられると思います。マルチモニター環境構築後、パフォーマンス不足を感じたらすぐに私たちにご相談ください」と知花氏は語る。
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HP Z Displays デュアルディスプレイ接続ガイド
主な内容
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