AMDプロセッサー搭載ワークステーションの魅力を各ベンダーが直接語る

AMD×HP×大塚商会 スペシャル対談

ビジネスシーンで大きくシェアを伸ばしているAMDプロセッサー搭載PC。CAD用途に使われるワークステーションにもその波は訪れており、既に導入済みの企業からは大きな反響が巻き起こっている。

しかし、AMDのことをよく知らないという方もまだ多いかもしれない。今回、直接AMDと同ベンダーのプロセッサー搭載モデルを販売しているHPにもご参加いただき、AMDプロセッサー搭載ワークステーションの魅力を語ってもらった。ワークステーションの購入や入れ替えを検討されている方はぜひご確認いただきたい。

あらめてAMDとは?

ワークステーションのプロセッサーとして、AMDプロセッサーを指定するユーザーが増えています。しかし、AMDプロセッサー搭載ワークステーションを選びたくても、AMDのことをあまり知らなくて導入に踏み切れないというケースもあるようです。ここであらためてAMDというブランドについてご紹介いただけますか?

峰岸
分かりました。AMDは1969年に設立された半導体企業です。同じ業界のインテルの設立が1968年ですから、ほぼ同時期に設立されたということになります。主な製品もマイクロプロセッサーですから、そういった意味でも同じような存在であり続けてきたわけです。

その後、AMDはグラフィックスベンダーとして、業界大手だったATI Technologiesを買収することで、GPUのテクノロジーも手に入れました。これによりグラフィックスカードベンダーとしても市場に参入。特に「AMD Radeonグラフィックス」は、その強力な描画性能で多くのPCベンダーや自作ユーザーなどに高く評価されてきました。

長い歴史を歩んできたAMDですが、大きな転換点となったのは2014年にリサ・スー博士が代表取締役社長兼CEOに就任したときです。彼女は、それまでの製品のテクノロジーを継続するのではなく、新たなテクノロジーを採用した全く新しいプロセッサーを開発することにしました。その結果生まれたのが、後でご説明する「AMD Ryzen プロセッサー」であり、「AMD EPYCプロセッサー」です。

これらの新しい製品は、それまで以上に市場に受け入れられました。なお、AMDが提供する幅広い製品群の中には、有名ゲーム機器に搭載されている製品もあります。AMDのことをご存じない方でも、そのような機器をご利用されることで、AMDのテクノロジーに触れていただいているかもしれません。

AMDは世界でもトップレベルのテクノロジー企業

リサ・スー博士

AMDプロセッサーのラインアップ

ありがとうございます。PCとワークステーション向けのAMDプロセッサーのラインアップと特長を教えてください。

峰岸
大きく三つのラインアップがあります。コンシューマー向けのプロセッサーとして「AMD Ryzen」、法人向けクライアント製品およびワークステーション向けとして、よりセキュリティ機能を充実させた「AMD Ryzen PRO プロセッサー」、そしてデスクトップ型ワークステーション製品向けの「AMD Ryzen Threadripper PRO プロセッサー」です。

AMD Ryzen PRO プロセッサーのベーシックな特長ですが、マルチコア、マルチスレッドにより、マルチタスクでのパフォーマンスが良くなるように設計されています。また、最新の「AMD Ryzen PRO 7040HS」は、4nmという超微細な製造プロセスを実現することで省電力性が高く、電力消費が少ないのも特長です。特にノートPCの場合は大きなメリットになっています。

また、これまで培ってきたAMD Radeonグラフィックスによるテクノロジーをオンチップ(CPU内蔵)グラフィックスとして搭載しているモデルもあり、プロセッサー単体でも優れた描画能力を提供することができます。さらに、近年注目されているAIエンジンも搭載しているため、Microsoftが提供する「Copilot」などのAIタスクの高速処理にも今後対応していく予定です。

AMD Ryzen PROに関しては、先ほども触れたようによりセキュリティが強化されたモデルになるため、法人向けのPCやワークステーションなどに最適な機能を提供できます。AMD Ryzen PROに内蔵されている「AMDセキュアプロセッサー」を利用して機密データをハードウェアレベルで保護する「AMDメモリー・ガード」、OSが提供するセキュリティ機能、さらにはHPの提供するセキュリティソフトを利用することで、多層防御が可能となります。

日本AMD株式会社 コマーシャル営業本部 パートナービジネス推進室長 峰岸博英氏

HPワークステーションにAMDモデルを展開

AMDプロセッサーがワークステーション向けのプロセッサーとして、とても魅力的な存在であることが分かりました。HPのワークステーション製品群にはAMDプロセッサーを搭載したモデルがありますが、どのような製品展開をしているのか教えてください。

新井
峰岸様がご紹介されたAMD Ryzen PROは、HP ZBook Firefly 14 inch G10 AとHP ZBook Power 15.6 inch G10 Aというモバイルワークステーションに搭載しています。AMD Ryzen PROを搭載することによって低消費電力でコストパフォーマンスの高いモデルを実現することができました。

AMD Ryzen PRO プロセッサー搭載モデルは2種類

AMD Ryzen PRO プロセッサー搭載モバイルワークステーションを既にお使いの方からも「業界をリードするコストパフォーマンスが得られる」という声をたくさんいただいています。さらに峰岸様にお伝えいただいたとおり、バッテリー駆動時間が長いという点でも大きな優位性があり、ハイブリッドワークで快適にお使いいただけますので、働き方改革への貢献もポイントだと考えます。

最近のモバイルワークステーションは、外付けGPU、大容量メモリーなどの搭載により内部で熱が発生しやすくなります。AMDのプロセッサーの優秀なところは、高性能CPUと高性能GPUを1チップにし、さらに微細化によって大幅な省電力化が実現できることです。コンパクトな筐体(きょうたい)サイズでハイブリッドワークを快適にする高性能が実現できるのが素晴らしい点だと思います。

また、シングルCPUで最大96コアという圧倒的なコア数の「AMD Ryzen Threadripper PRO」プロセッサーを搭載する「HP Z6 G5 A」も発表してから大きな反響をいただいています。1CPUで最大96コアのCPUにハイエンドGPUを最大3枚、最大1TBのメモリーまで搭載でき、解析、レンダリング、点群処理、AIなどの高負荷の処理が必要なお客様から業務効率が劇的に上がったとのお声をいただいています。AMD Ryzen Threadripper PROは、多数のコアを1CPUで実現しているため、筐体内のスペースを有効活用でき、排熱処理に優れ、安定性・信頼性や静音性と拡張性の高さを両立することができました。

HPワークステーション独自の機能

HPのワークステーションならではの機能として、どのようなものがあるのでしょうか?

HPのモバイルワークステーションならではの機能の一つとして、例えば、標準搭載のWebカメラに加えてもう1台の外付けWebカメラを接続できるマルチカメラエクスペリエンスがあります。一つを自分に向け、もう一つのカメラでホワイトボードや製品を写すといった視覚効果に優れたカメラワークができますので、Web会議の品質が向上します。また、ハイブリッドワークでよくご使用いただくZoomやTeamsで音と映像をクリアに提供できる機能が充実していることも特長です。

また、ハイブリッドワークでは、セキュリティを確保することが重要です。脅威を仮想空間に閉じ込める機能などを提供する「HP Wolf Security」により、日常業務におけるセキュリティ対策も万全です。加えて、米軍調達基準であるMIL規格に準拠し、持ち運びの際も安心してご使用いただける堅固性も備えています。あらゆる場所で快適さを提供するだけでなく、安心して運用できる機能が豊富にそろっているのがHP モバイルワークステーションの特長です。

HPワークステーション AMDモデルを選ぶメリット

AMDプロセッサー搭載のHPワークステーションを選ぶメリットについて教えてください。

コストパフォーマンスに優れハイブリッドワークを快適にしていただけるモバイルワークステーションを導入いただけます。また高負荷な業務では、1CPUで最大96コアというCPU性能を実現したデスクトップワークステーションにより、特にマルチコア演算が必要とされる業務を大幅に効率化していただくことが可能になります。

また、ワークステーションは通常PCとは違い、CAD業務を円滑に進めていただくためにソフトウェアの検証し認証を取得しています。

HPはAMDと緊密に協働しながら製品開発を行い、タイムリーにISV認証の取得を行っています。HPとAMDは日本国内でも密接にコミュニケーションを取っていますので、安心してAMDプロセッサー搭載ワークステーションをご使用いただけます。

日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーション営業部 市場開発担当部長 新井信勝氏

CADユーザーの皆さまへ

AMDさん、HPさんからCADユーザーに対してPRをお願いします。(両社ひとこと)

峰岸
既存のお客様はもちろん、パートナー企業の皆様が新規の市場開拓をするケースにおいてもAMDプロセッサー搭載機は有力な選択肢として受け入れていただけると考えています。これからも魅力的なプロセッサーを開発していきますので、さまざまな業種の皆様にご活用いただければと思います。

新井
AMDプロセッサーを搭載したことによって、ワークステーションがさらにさまざまなニーズにお応えできるようになりました。大塚商会様にサポートをいただき、今後も魅力的な製品をご用意していきますので、これからもたくさんのお客様の業務効率化のためにご活用いただければと思います。

お二人とも、ありがとうございました。私たちも大塚商会オリジナルの「HP ZBook Power 15.6 inch G10 のAMD製CPU搭載モバイルワークステーション」を準備していますので、お客様へさらに幅広い選択肢をお届けできます。今後もAMDモデルに関する情報は更新していきますので続報をお待ちください。

司会を務めた大塚商会 マーケティング本部 CADプロモーション部 戦略推進課長 吉川達郎

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