今注目の3Dプリンター用材料とは

工業用3Dプリンターを提供しているストラタシス社が2019年1月に販売開始した新しいアクリル3Dプリンター用材料(マテリアル)・VeroCyan Vivid(注1)。その名のとおり、美しいビビッドなブルーを再現し色域が大きく広がります。

  • (注1)Vero VividカラーはストラタシスのフルカラーPolyJet式3DプリンターであるJ750に対応。

透明色の再現に差がつく

従来のVeroCyanと比較すると、非常にクリアに表現できることが分かります。透明の仕上がりが求められる造形物がよりリアルに再現できるようになりました。

VeroCyan(上段)とVeroCyan Vivid(下段)との比較。右側が一番分厚く、左に行くほど素材が薄くなっている

VeroCyan Vividはこれまで難しかった表現を実現するため、次のようなプロトタイプで活躍します。

  • 青色LEDの代用品として
  • 車内インテリア用LED照明、自動車内装パーツ
  • 照明レンズカバー
  • 家電用照明、間接照明(雰囲気照明)
  • 急速に変化するコンシューマグッズ
  • おもちゃ製造 など

色域の広さ

VeroCyan Vividの追加により、ストラタシス社製PolyJet式3DプリンターJ750の色域が大きく広がりました。

それ以前は36万色のフルカラーを実現していましたが、VeroMagenta Vivid、VeroYellow Vivid、VeroCyan Vividの追加により、50万色以上の色域を実現したからです。

図1では人間が見える色域を白い三角形、J750で表現可能な色域を黒い枠で囲っています。人間の目で確認できる色のほとんどをJ750にて表現可能なことが分かります。

図1:人間が目に見える色のほとんどをカバー

  • Vividカラー追加以前のJ750の色域
    34万色強

  • Vividカラー追加後のJ750の色域
    50万色強

より自然な色を表現するために

Vividカラー3色(VeroCyan-V、VeroYellow-V、VeroMagenta-V)が追加されたことで、色の境界がより自然になり、実際にデータ上で設定した色と造形物で再現される色の差がより一層なくなりました。試作段階でより最終製品に近い発色をご確認いただけます。

Veroシリーズについて

Veroシリーズは、ストラタシス社が提供するPolyJet(インクジェット)式3Dプリンティング用材料の一つで、アクリル樹脂です。Veroシリーズは多彩なカラーの再現に優れており、特にVividシリーズはポリカーボネートやアクリルレンズの外観をシミュレートするのに最適です。

【Youtube】VeroCyan Vividのご紹介

対応機種 J750

Vero VividカラーはストラタシスのフルカラーPolyJet式3Dプリンタ「J750」に対応しています。

工業用にハイエンドな3Dプリンターとして作成されたJ750は、十分な材料を装填(そうてん)でき、庫内の温度も適切に管理されるため、1回のプリントで本物に近い美しい造形を可能にします。

安定した稼働で、造形物の再現性も確保できます。3Dプリンターにおいて初めてPANTONE Colorsを指定でき、デザイナーと製造者のスムーズなコミュニケーションが可能になりました。

透明色を含む最大6種類の材料を組み合わせることで、さまざまな質感や色を再現します。

Stratasys J8シリーズ

  • * J750の後継機「Stratasys J8シリーズ」がリリースされました。