「Green Creative」という理念を掲げている株式会社ExtraBold(以下、ExtraBold)は、大量生産以外の製造方法を提案、マテリアルリサイクルを推進。樹脂ペレット式の3Dプリント技術を駆使し、リサイクルプラスチックやバイオコンポジットのようなサステナブルな素材を活用したアップサイクルを目指しています。
樹脂ペレット式の大型3Dプリンター「EXF-12」
リサイクルペレット材の活用で環境負荷低減に寄与
プラスチックをはじめとする石油由来の資源の大量消費により、地球温暖化や海洋汚染などの環境問題が深刻化しています。特に使用済みプラスチック製品や製造過程で発生するプラスチック破片など、廃プラスチックを要因とした環境への悪影響は大きいといわれています。
3Dプリント技術とサステナブル素材を活用した革新的なモノづくりを通して、環境負荷低減と資源循環型社会の実現に向けた取り組みを行っている株式会社ExtraBold様をご紹介します。
サステナブルな素材を活用した3Dプリント技術
プラスチックなど、廃棄物低減のための相談が増加
プラスチック製品の原材料である合成樹脂には、非常に多くの種類があります。お客様のニーズに応じた材料のご提案が不可欠であることはもちろん、最近ではプラスチックのリサイクルだけでなく、食品や繊維など廃棄物低減のためのご相談も増えてきていると言います。
ExtraBoldは、自社ペレタイザーを使った初期的なコンパウンド検討も可能なため、バイオコンポジット材料の造形によるアップサイクルの選択肢も広がります。
樹脂ペレット式の大型3Dプリンター「EXF-12」
ExtraBoldは、独自開発したプリントヘッドにより、高速造形と幅広い材料選択を実現し、熱可塑性樹脂として、PPやPS、PE、ABSといった汎用(はんよう)樹脂からPCやPAのようなエンジニアリングプラスチック(エンプラ)まで幅広く使用できる樹脂ペレット式の大型3Dプリンター「EXF-12」を開発しました。
このプリンターは、複合材料やコンパウンド品、バイオコンポジットまで、ニーズに応じた材料を選定可能です。一般工業用品に使用されているものと同じ材料を使用することにより、材料コスト面では他方式の樹脂プリンター対比で大幅な競争力の向上要因となります。
EXF-12の造形サイズは、1.7m×1.3m×1.0mと大型造形に対応すると共に、反り対策としてチャンバールームなどの機能を提供しています。フレームや制御装置を含め工作機械レベルの品質設計により、高速かつ高精度の連続運転を実現しています。また、最大15kh/hrの高吐出設計により造形時間の大幅短縮を実現したことで、開発期間を早め、失敗のコストを極限まで低減することができます。樹脂ペレット使用による材料コスト削減と併せ、造形コストの引き下げにも貢献しています。
ExtraBoldが提供するサポート&サービス
使用可能な材料が限られるこれまでの3Dプリンターとは異なり、ペレット形状であれば通常の熱可塑性樹脂や複合材料をはじめ、広範な材料から選択することが可能です。そのためには材料選定や造形パラメーター最適化まで含めた使いこなしのノウハウが不可欠となりますが、ExtraBoldでは。導入前後も含めてしっかりサポート。さらに廃棄プラスチックをリサイクルするコンパクトな粉砕機、ペレタイザーも提供しており、ユーザーの分散型循環システム構築をサポートします。
金型を使わずに開放環境で樹脂を吐き出し積層するため、樹脂材料の特性に応じた造形パラメーター開発は、重要なコア技術の一つです。ExtraBoldでは、材料検討からデータ作成、造形条件最適化まで一気通貫のサポートを実施しており、設備導入されたお客様の技術習得支援はもちろん、ご要望に応じてプロダクト共同開発や大型3Dプリンター「EXF-12」のホスティング(時間貸し)といったサービスも提供しています。
EXF-12主なスペック
造形範囲 | X 1,700mm Y 1,300mm Z 1,000mm |
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ヘッド数 | シングルヘッド |
最大射出量 | 最大15kg / h |
ノズル径 | φ2~φ8mm |
軸ガイド | リニアガイド |
駆動方式 | ボールねじ |
繰り返し位置決め精度 | ±0.1mm |
使用樹脂 | 各種熱可塑性樹脂、各種複合材料、バイオマスなど、各種コンパウンドにも対応 |
テーブル積載可能重量 | 300kg(均等荷重) |
テーブル制御温度 | ~100℃ |
造形物固定 | バキューム |
チャンバー制御温度 | ~60℃ |
制御装置 | FANUC31i |
スライサーソフト | 専用ソフトまたは汎用スライサーソフト |
その他周辺ソフト | 専用ポストプロセッサー(Gコード変換) |
電源 | AC200V(30A×2) |
外形寸法 | W 3,502×D 2,102×H 2,121~2,930mm |
必要設置スペース | W 5,100×D 3,600×H 3,100mm |
重量 | 2,800kg |
運搬 | 10tトラックまたは10tウイング 5tフォークリフトで持ち上げ可能 |
操作パネル | Windows 10で動作する独自オペレーションソフトとタッチパネル採用でリモート操作も可能 |
3Dプリントで、廃棄物を資源に変え未来を創造するモノづくり
3Dプリンター市場において注目される「ペレット材」とは
従来のフィラメント材に代わる新素材として注目を集めている「ペレット材」。コスト削減、素材自由度、環境への配慮など、さまざまな面で優位性を持つこの素材が、3Dプリンター市場にどのような変革をもたらすのでしょうか?
廃プラスチックと食物残渣問題
近年、世界的な課題として「廃プラスチック問題」と「食物残渣問題」が深刻化しています。これらの問題は、環境汚染や資源枯渇、地球温暖化など、さまざまな問題を引き起こしています。
3Dプリント技術とサステナブル素材で革新的なモノづくり―株式会社ExtraBold
地球温暖化や海洋汚染などの深刻な環境問題に対し、ExtraBoldは樹脂ペレット式3Dプリント技術とサステナブル素材を活用し、革新的なモノづくりを通して解決に貢献しています。
樹脂ペレット式の大型3Dプリンター「EXF-12」
リサイクル材で造形可能な大型3Dプリンター「EXF-12」で、環境負荷低減と資源循環型社会の実現を目指すExtraBold様。EXF-12の魅力や提供サービスについてご紹介します。