解析用語辞典
記事一覧
ヤング率
ヤング率とは、縦弾性係数ともいう。等方的な弾性体に外力を加え、その内部に発生する応力が比例限度内であれば応力とひずみの関係にフックの法則が成り立つ。
粘性
流体中の流れの速度に大小がある場合、速度の大きい部分と小さい部分は互いに接線応力(抵抗)を及ぼしあう。この抵抗を粘性という。
乱流
乱流とは、レイノルズ数が大きく不規則かつ複雑な変動を伴う流れ。
全圧
全圧とは、静圧と動圧の和。
疲労
疲労とは、物体が応力を繰り返し受けた場合に物体の強度が低下する現象。
熱伝導率
物体内に温度勾配があるとき、その高温部から低温部に向かって温度の等値面に対して垂直に熱エネルギーが移動する。単位時間に単位面積あたりに流れる熱量はその点での温度勾配に比例し、この比例定数を物質の熱伝導率という。熱伝導率は熱を伝えやすいものほど大きな値になり、完全な断熱材の場合ゼロとなる。
構造解析
構造解析とは、構造物に荷重をかけた場合に発生する応力・変位・歪(ひずみ)などをCAEを用いて数値的に算出すること。
応力
応力とは、物体内部の任意断面に生じる単位面積当たりの力。応力の種類には垂直応力、曲げ応力、せん断応力などがある。
静圧
静圧とは、静止している流体の圧力にあたる。流れがある流体の場合、流体の流れに対して平行な面に対してかかる圧力。
比熱
比熱とは、単位質量あたりの温度を一度上げるために必要な熱量。
ソルバー
ソルバーとは、プリプロセッサで作成されたデータを実際に計算するソフトウェア。
せん断応力
せん断応力とは接線応力、ずれ応力ともいう。物体の断面に対し平行な方向に生じる単位面積あたりのものを断ち切ろうとする力。せん断応力の大きさはずれが小さい時にはフックの法則が成り立ち、ずれの大きさに比例する。
安全率
安全率とは基準強度(降伏応力、0.2%耐力、引張強さ、疲労限度など)と発生応力との比。ここで基準強度は問題となる現象により適切な値を選ぶ必要がある。
剛体
剛体とは、力を加えても、全く変形しない理想的な物体。
レイノルズ数
レイノルズ数とは、慣性力と粘性力との比で定義される無次元数。一般的にこの値が小さいときは層流、大きいときは乱流となる。
輻射
輻射とは、物質から放出された電磁波(赤外線など)での伝熱。
熱量
熱量とは、高温部から低温部に移動するエネルギー。
圧力
圧力とは、面に対して垂直に分布する単位面積あたりの力。
プリプロセッサ
プリプロセッサとは解析モデル作成、メッシュ作成、境界条件設定など解析の前処理をするプログラム。
ポストプロセッサ
ポストプロセッサとは変形図、コンター図、アニメーション、グラフ、表の表示など解析の後処理(結果表示)をするプログラム。
ポアソン比
ポアソン比とは、弾性限界内おいて物体内に生じる応力方向に沿ったひずみと、それに対して垂直方向に生じるひずみの比。
塑性
塑性とは可塑性ともいい、物体に加えた外力により生じたひずみが除荷した後も残る性質。
変位
変位とは、物体が運動により位置を変えたときの各部分の位置の変化。
非線形
非線形とは、線形ではないものをいう。
非ニュートン流体
非ニュートン流体とは、ニュートンの粘性の法則に従わない流体(コロイド溶液など)。
節点
節点とは、有限要素法で有限個の要素に分割されたモデルについて要素の境界に配置された点。
ニュートン流体
ニュートン流体とは、ニュートンの粘性の法則に従う流体。流体固有の粘性率を持つものをいう。
メッシュモデル
メッシュモデルとは有限要素法などをもちいて数値計算するために、計算対象領域を有限個の要素に分割したモデル。
線膨張率
線膨張率とは、物体の温度が一度上がったときの長さの増加割合。体積の変化と区別するために「線」膨張率という名前がついている。
層流
層流とは、レイノルズ数が小さく規則正しい整然とした流れ。
動粘性率
動粘性率とは、粘性率と密度との比。
非圧縮性流体
非圧縮性流体とは、密度変化が無視できる流体。
熱伝達(対流)
高温固体から低温流体(気体、液体)へ熱エネルギーが移動する際に、加熱された流体が膨張するため密度が小さくなって上昇し、上部の冷たい流体が降下する。これを繰り返すことを熱伝達(対流)という。
熱伝導
熱伝導とは、物体内に温度勾配があるとき、その高温部から低温部に熱エネルギーが移動する現象。
ゲージ圧
ゲージ圧とは、絶対圧と大気圧の差。
流体
流体とは、気体と液体の総称で水や空気に代表される。流体の基本的性質は外力に対し、変形が自由であること。
有限要素法
有限要素法とは、厳密に解くことができない工学的な問題(微分方程式)を数値計算により解くための方法の一つ。計算の対象となる領域を四角形などの単純形状(要素)の集合として表現し、そのそれぞれについての方程式を近似し、それらをつなぎ合わせた連立方程式を解くことで計算領域全体の挙動を数値的に求める。
弾性
弾性とは、物体に加えた外力により生じるひずみと応力の関係が一意に定まり、除荷すればひずみが元に戻る性質。
動圧
動圧とは、単位体積当たりの流体の運動エネルギー。
ひずみ
ひずみとは、物体の基準状態からの変形割合。
密度
密度とは、単位体積当たりの質量。
自由度
自由度とは、物体の運動状態が決まるために必要十分な独立変数の合計数。
圧縮性流体
圧縮性流体とは、密度変化の考慮が必要な流体。
CFD
CFDは、数値流体力学と訳す。一般的には数値シミュレーションで実際の流れもしくは熱移動を模擬し、関連する諸現象の解明・予測を行うことを指す。
CAE
CAEとは、製品の開発時に開発予定の製品が所要の目的を有しているかどうかをコンピュータ上で事前に確認したり検証したりして、製品の信頼度や安全性などを工学的見地から判断する技術やそれを行うソフトウェアの総称。CAEと解析、シミュレーションは同義として用いられることが多い。
座屈
断面積に比べて長さが十分に長い柱または板状の構造物が軸方向に圧縮されるとき、ある圧縮荷重で不安定になり折れ曲がる。この現象を座屈とよぶ。また、座屈しはじめる荷重の値を座屈荷重または限界荷重とよぶ。
軸力
軸力とは、部材の軸方向にかかる力に対して生じる内力。
絶対圧
絶対圧とは、絶対真空をゼロとした場合の圧力。