「3DEXPERIENCE World 2021」 レポート1日目

「3DEXPERIENCE World 2021」初のバーチャルイベントとして開催

2021年2月8~11日で開催された「3DEXPERIENCE World 2021」。例年の米国各地のカンファレンスセンターでの開催と異なり、今年は初のバーチャルイベントとして全世界に向けてオンラインで行われました。125カ国以上の国・地域から、3万人以上が登録・参加する大規模なイベントとなりました。イベント初日に行われた基調講演をレポートします。

基調講演「Power of Experience」

SOLIDWORKS CEO ジャン・パオロ・バッシ氏

基調講演「Power of Experience」では、SOLIDWORKS CEOのジャン・パオロ・バッシ氏が宇宙空間に登場。この宇宙空間は「Grand Challenge」として、SOLIDWORKSデザインチームの約600人がコラボレーションし、「3D Creator / 3D Sculptor」を活用して、1万1,000以上のパーツを組み合わせて作りだした約1km×2kmのバーチャル宇宙です。バーチャルをよりリアルとして感じたい、そういう狙いがあります。SOLIDWORKSは3Dクラウド型アプリケーションに変わり、たくさんの人たちと共有することができるようになりました。従業員や顧客といった垣根を越えて共有・協力することができるようになるのです。

SOLIDWORKS CEO
ジャン・パオロ・バッシ氏

ダッソー・システムズ取締役会副会長、最高経営責任者 ベルナール・シャーレス氏

ダッソー・システムズ取締役会副会長、最高経営責任者のベルナール・シャーレス氏は「コロナ禍の中で、私たちはやるべきこと、変えなければならないことをたくさん学びました。新型コロナウイルスによるロックダウンのもと、学生たちはコミュニケーションやコラボレーションが難しい状況で、学ぶことも苦労しています。彼らは仮想現実の世界に活路を見出そうとしています。私たちは次世代の学生たちをイノベーターに変えるため、これらを提供します」と話し、「3DEXPERIENCE Platform」の導入例を紹介しました。

ダッソー・システムズ取締役会副会長、最高経営責任者
ベルナール・シャーレス氏

パリ、ニューヨーク、インドに住む学生3人による導入例

導入例では、パリ、ニューヨーク、インドに住む3人の学生がいつでも、どこでも、デバイスを問わず使用可能なプラットフォームで、「ソロホバーボート」の開発に取り組み、クラウドファンディングを使って製造までも実現できるという例を紹介。

そのほか、「3DEXPERIENCE Platform」を活用して制作を行ったソーラードローンの実例も紹介しました。「3DEXPERIENCE Platform」があれば、さまざまな場所にいるクリエイターが一緒にプロジェクトに参加できるという一例です。プラットフォーム上では、設計やシミュレーション、データなどの共有ができるだけでなく、アイデアを共有したり、コミュニケーションツールやマーケティングツールとして活用したりといったことが可能です。

社内外のコラボレーション、正確なシミュレーションが可能

ジャン・パオロ・バッシ氏が再び登場し、DX(デジタルトランスフォーメーション)のさらなる推進が叫ばれている中、「3D Creator / 3D Sculptor」や「3D Sheetmetal Creator / 3D Structural Creator(注1)」、「3D Mold Creator(注1)」、「3D Model Based Creator(注1)」、「Documemt Creator(注1)」、「Product Communicator(注1)」など、新しいアプリケーションを次々に公開してきたことを説明。

そして、「3DEXPERIENCE Platform」を導入した企業トレーニングマシンの開発を行うスタートアップ企業や医療用インプラントを開発する企業が取り組んだ社内外とのコラボレーションや医療用の正確なシミュレーションなどの実例を紹介し、高い精度と信頼性を実証しました。医療用インプラントを開発する企業では、SOLIDWORKSとクラウドが完全に融合したことで、研究者と結果を共有することが簡単になり、利便性が向上したという実例です。

2021年内に二つの「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS」を公開予定

2021年5月に学生向けの「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS for Students」を公開します。これは年間60ドルで利用することが可能です。直接オンラインで購入することができます。また、学生たちと専門家をつなげ、雇用を創出する機会も設ける予定です。

さらに2021年後半にはメーカー向けの「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS for Makers(注1)」も公開する予定です。この「3DEXPERIENCE SOLIDWORKS for Makers(注1)」は、グローバルメーカーコミュニティーへのアクセスが追加され、世界中のメーカーをコミュニティーでつなぐことができます。幅広いコラボレーションネットワークでさまざまな専門知識と出会うことができます。

最後にスペシャルゲストとして、IKEAからITマネージャーなど3人が登場。製品の設計など、「SOLIDWORKS」を活用した事例を紹介しました。そのほか、鉱業における自律ロボットの開発などの事例なども紹介しました。

  • (注1)日本国内でのリリース・発売は未定

「3DEXPERIENCE World 2021」 レポート