「3DEXPERIENCE World 2021」 レポート3日目

世界中にいるエンジニアを結ぶコミュニティー形成

「3DEXPERIENCE World 2021」1日目では3D設計やシミュレーションについて、2日目では「ものづくり」を超えた経験を提供することについて講演が行われました。最終日3日目の基調講演は、3DEXPERIENCEを介したコミュニティー形成について、ユーザーの事例を交えながらご紹介しました。

基調講演「Power of Community」

Vice President of Strategy & Business Development, Suchit Jain氏

ダッソー・システムズVice President of Strategy & Business DevelopmentのSuchit Jain氏が登壇しました。

SOLIDWORKSは現在、世界中のデザイナーやエンジニア、学生にも使用されており、そのユーザー数は600万人を超えます。さまざまなデザインや設計に用いられ、シンプルな椅子から高層ビル、複雑な手術ロボットまで幅広い分野で活用されています。デザイナーやエンジニアは将来を見据え、世界の潮流をとらえ、創造し新しいテクノロジーやトレンドを発信していくことで未来を開拓することができます。

Vice President of Strategy & Business Development
Suchit Jain氏

ダッソー・システムズは最短時間で最高の製品を作成できるようサポートします。そのため、CADとSOLIDWORKSは進化します。設計やデザインだけでなく、エコシステム全体を統合します。3DEXPERIENCEではデータがクラウド上でリアルタイムに共有され、それぞれのデバイスからアクセスすることで共同作業が可能になり生産性が向上します。

ただアクセスが可能になるだけでは不十分です。3DEXPERIENCEのプラットフォームは世界中のあらゆる場所にいる人たちとつながることができるコミュニティーです。そのコミュニティーは驚くべきパワーを秘めています。コロナ禍の中でエンジニア同士が集まることもままならない状況においても、3DEXPERIENCEならプロジェクトを止めずに推進できるのです。そして、その一例として、Suchit Jain氏は新しい義手の制作に取り組んでいるコミュニティーをご紹介しました。

Open Standard Respirator, Co-founder, Matt Carney氏

2020年に開発したバイオニックレッグ(義足)について講演を行ったOpen Standard Respirator, Co-founderのMatt Carney氏が登壇しました。

Matt Carney氏はコロナ禍において、エンジニアとして何かできることはないかと模索していました。人工呼吸器は難しくてもマスクなら作れるのではないかと思いました。新型コロナウイルスに対する防護用マスクとして、高品質で顔の形に左右されない、医療用としても利用できるマスクの開発です。

Research & Development Vice President
Manish Kumar氏

世界中のエンジニアにオープンハッカソンとして、呼びかけを行い、50人ほどのエンジニアが参加してくれました。

しかし、集まったエンジニアは卒業した大学も違えば、使っているソフトウェアもバラバラで共同での作業が難しい状況でした。そこで、Suchit Jain氏に連絡し、協力を求めました。Suchit Jain氏に3DEXPERIENCEのライセンスを付与してもらい、共通のプラットフォームで開発を進めることができました。このマスクは新型コロナウイルスをろ過して通しません。現在、マスクは商品化され、2020年12月までに500個を販売しました。

SOLIDWORKS CEO, ジャン・パオロ・バッシ氏

最後にSOLIDWORKS CEOのジャン・パオロ・バッシ氏が登壇しました。「3DEXPERIENCE World 2021」が、皆さんにとって有意義な情報を発信できたイベントであったことを願っています。成長するエコシステムと前進する私たちの未来の姿、それは人類が創造に対して夢中になる環境になっているということです。私たちは創造を行うエンジニア、デザイナーにもっと夢を実現できる自由な開発環境、革新的なソリューションを提供していきたいと考えています。

ありがとうございました。また来年、アトランタでお会いできることを楽しみにしています。

SOLIDWORKS CEO
ジャン・パオロ・バッシ氏

「3DEXPERIENCE World 2021」 レポート