【3DEXPERIENCE World 2026レポート 1日目】AI×CADが拓く、設計革新のスピード

2026年2月1日~4日、米国テキサス州ヒューストンにて、3D CAD「SOLIDWORKS」の年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2026」が開催されました。会場となったジョージ・R・ブラウン・コンベンションセンターには約4,000名が来場し、初心者からベテランユーザーまで多くの参加者が、SOLIDWORKSおよび3DEXPERIENCEに関する最新情報に触れました。

期間中の基調講演は、YouTubeのSOLIDWORKS公式チャンネルでライブ配信され、現在もアーカイブとして視聴することができます。

本レポートでは、1日目から3日目に行われた基調講演の中から、SOLIDWORKSおよび3DEXPERIENCE Worksに関する主要な新情報を中心にご紹介します。

イノベーションの源泉となるAIのさらなる進化

1日目の基調講演では、SOLIDWORKS CEO 兼 R & D担当バイスプレジデントのマニッシュ・クマー氏登壇でスタート。冒頭から話のテーマはAI技術へ。クマー氏は「AIはパターンに従った反復的な作業等、重要な仕事を担っており、エンジニアの一部タスクが縮小されているが、AIはエンジニアの仕事を奪うものではない」と主張。「AIはあくまでもエンジンであり、運転手はエンジニア自身だ」と語った。

かつて人類が「火」を使って暖を取り、調理をし、金属を生成するなど文明を築いてきたことを例に挙げ、「AIがイノベーションの源になると信じている」と語った。

3DEXPERIENCE WORLD 2026では355件のブレイクアウトセッションが実施され、そのうち20以上がAI活用をテーマにしたものだと説明し、AIテクノロジーの注目度の高さを物語っていた。また、2日目のゼネラルセッションではAI機能の強化ポイントを紹介するとした。

AI=エンジニアの仲間

続いて登壇したダッソーシステムズCEO:パスカル・ダロズ氏もAIのテーマにした話が続く。

「AIはあなたに代わるのではなく、あなたのためのもの。設計者の行動をさらに拡大、強力にするため議論する仲間(コンパニオン)である」と主張。また「AIはあらゆるものの一部になりつつある。より多くのオプションや知識へ即座にアクセスできるようになることで、設計に関する重要な思考、決断に集中できるようになるが、最終的な責任を持つのは人間である」と強調した。

また、デジタルツインにより現実世界を再現する仮想世界の重要性が高まっていく現代は、生成経済(Generative Economy)の第7世代となる「3D Universe」へ進んでいくと説明。仮想世界で幾何形状を表現するだけでなく、現実世界の動作やパフォーマンス、使用方法等再現するようモデル化した「インダストリーワールドモデル」などの言葉を交えながら、デジタルツインとAIが融合する未来について語った。

  • パスカル・ダロズ氏は生成経済の第7世代では「3D universe」へ

新たなバーチャルコンパニオンの登場

昨年の3DEXPERIENCE WORLD 2025でも紹介されたバーチャルコンパニオン「AURA(オーラ)」は知識、文脈を統合したAIとして紹介された。今回の発表ではそれに加え、力学、構造などのエンジニアリング理論を持つ「LEO(レオ)」、科学分野の知識を持つ「MARIE(マリー)」が新たなバーチャルコンパニオンとして紹介された。同じ質問に対して各AI機能がどのように答えるか、実例が紹介され、これらの機能がダッソーシステムズの何十年にもわたる専門知識をエンジニアにもたらすものであると語った。

ステージ上ではマニッシュ・クマー氏と共に、実際に「LEOに対してチャット形式でのやり取りで2D図面からスケッチを抽出、3Dモデルを作成、解析を実行するデモンストレーションが披露された。

  • 新たなバーチャルコンパニオンによりモデリングや解析が実行されるデモンストレーション

イノベーションを加速させるAIとCADシステム

続いてダッソー・システムズ メインストリームイノベーション担当・バイスプレジデント:ジャン・パオロ・バッシ氏が登壇。

「企業における真の競争優位性は、イノベーションを生み出す速度である」と主張し、検討~検証における試行錯誤、フィードバックといった繰り返し作業でAIを用いることで、設計者の作業を変化させるとした。ただ、設計者のアイデアとAIだけではイノベーションを生み出すことはできず、そこには設計の基盤となるシステムが必要としたうえで、SOLIDWORKSのポートフォリオを紹介した。

SOLIDWORKSユーザーである、大手高級家具メーカー:モルテーニグループ最高情報イノベーション責任者:アンドレア・ロエオ氏は、同社の事例を紹介したうえで、「イノベーションを加速させるために、デザイナーや製造、営業、設計者との連携を強化するデジタルプラットフォームや専門知識を補える強力なAIが役立つ」と説明した。

  • イノベーションを加速させる環境として、デジタルプラットフォームやAIの活用の重要性を語るジャン・パオロ・バッシ氏と、アンドレア・ロエオ氏

改善が進むプラットフォーム

セッション終盤では再びマニッシュ・クマー氏と、3DEXPERIENCE CEO:モーガン・ジマーマン氏と共に登壇。コロナ禍に自身で机を作成した体験に触れながら、設計者の頭の中や文書内に分散していた知識、ノウハウを仮想化し、共有することが重要であることを説明しつつ、そうした情報の共有、理解をバーチャルコンパニオンが支援すると語った。

また、SOLIDWORKSは購入プロセスの簡易化をするため、Webサイトから直接オンライン購入できるようになったと説明。SOLIDWORKS Designの各パッケージや、ブラウザベースのSOLIDWORKS xDesignが購入できるとした。

プラットフォームではコンパス表示が改善され、自身の役割別にアプリをフィルタ表示したり、アプリアイコンを探しやすいようお気に入り登録したりするカスタマイズが可能になった。ソフトウェアのインストール/アップデートはプラットフォームから実行でき、アップデートについてはプラットフォームに接続するだけ、90秒で実行できると強調した。

  • SOLIDWORKS Design画面からのアクセス性の向上に加え、ソフトウェアの購入やプラットフォーム内のコンパスなど、ユーザーのメリットとなる改善が進む

大塚商会 SOLIDWORKSビジネス伸長率 世界No.1を受賞

同イベントにおけるパートナーアワードでは「SOLIDWORKS」ビジネス伸長率 世界No.1をはじめ、世界5部門、日本国内6部門、計11部門受賞しました。これらの受賞は、日頃よりSOLIDWORKSをご活用いただいている多くのお客様のご支援と、課題解決に真摯に向き合ってきた結果であり、心より感謝申し上げます。

大塚商会は、日本におけるSOLIDWORKSのパートナーとして、導入検討から設計・解析・製造連携、運用後のサポートまで、お客様のものづくりをトータルで支援してまいりました。

今後もSOLIDWORKSと3DEXPERIENCEプラットフォームを通じて、設計者・エンジニアの皆様の業務革新と価値創出に貢献してまいります。日本でSOLIDWORKSをご検討・ご活用の際は、ぜひ大塚商会にお任せください。