「CATIA」のV6って、何者なんだ?

「V6 PLM Express」の全貌を明らかに!

既に皆様のお耳にも入っているかと思われますが、CATIA V5の後継としてリリースされている「V6」。これは一体何者なのか?

3DEXPERIENCE CATIA(CATIA V6)最新情報

CATIA V5をさらに強化。3D CADの枠組みを超えた協業環境で、革新的なアイデアや製品開発を実現する3DEXPERIENCE CATIA(CATIA V6)の最新情報は次のリンクよりご確認ください。

3DEXPERIENCE CATIA(CATIA V6) 製品情報

V6の具体的な機能(特徴的な機能)

ここでは、個々の機能レベルで特徴的なV6の機能(代表)をご紹介します。

  1. 画面周りのインターフェイス
  2. 形状サーチ(Similar Search)
  3. コラボレーション(チャット)
  4. セレクティブ・ローディング
  5. CATIA Live Shape
  • * CAD操作+機能はV5継承

1. 画面周りのインターフェイス

3Dを扱う二つのレイヤー

ナビゲーションレイヤー(シルバーレイヤー)

  • PDM画面
  • ターンテーブル表示
  • 3D形状確認可能
  • 高度な検索で各種設計情報へアクセス

ナビゲーションレイヤー(シルバーレイヤー)

ナビゲーションレイヤー

編集レイヤー(ブルーレイヤー)

  • CAD画面
  • 完全なCATIAの機能を利用

編集レイヤー(ブルーレイヤー)

編集レイヤー

設計情報に素早くアクセスする「コンパス」

画面の中央には「コンパス」と呼ばれるへそがあり、コンパスの4つの「相」で素早くデータ情報にアクセスできます。もちろん、割り当てる情報はカスタマイズ可能です。

【アクセスできる情報の例】

  • 誰が使っているのか、管理しているのか?
  • データの状態は?(作業中、出図、承認中)
  • バージョン(版)は?
  • 保管状態(いつ更新されたデータか)は?

画面の中央にある「コンパス」と呼ばれるへその図

様々な操作に利用する「バー」

あらゆる設計情報のコントロールは画面下に配置されたバーからアプローチできます(ワークベンチ、検索、3D情報、コラボレーション、プロパゲート)。

画面下に配置されたバー(ワークベンチ、検索、3D情報、コラボレーション、プロパゲート)

画面下に配置されたバー

2. 形状サーチ(Similar Search)

「形状」から類似形状の3Dデータを検索する場合、これまでは、検索に時間がかかったり、目的のデータを見つけられず新規で作成しなおすことが起きやすいという問題がありました。
これにより、「増殖するデータ数」「煩雑な類似データの管理」「無駄なモデリング工数」などの状況が発生してしまいます。

【V6で検索の問題を解決】

V6を使うと、より簡便に意図したデータにたどり着くことができるようになります。また、ロードする前に内容の確認が可能です。
「探すより描いたほうが早い」という感覚は、もういらなくなります。

その結果、無駄な工数を削減したり、標準的なモデルデータを利用できることになります。
また、「高品質で標準化されたデータ」や「新たなミスのないデータ」の使用、「過去のノウハウの利用・共有」というメリットが得られます。

「形状」から類似形状の3Dデータを検索する図

検索と確認・選択

3. コラボレーション(チャット)

ネットワークを通じて別の端末(設計者)と画面・情報を共有できます。

プロジェクトリーダーが設計者に指示を送る場合

設計者どうしのやり取りでコミュニケーション不足によるミスが少なくなります。

設計データを他の設計者や解析担当者に送るとき

データ受け渡しの際のオフタイムがなくなります。

離れた場所で協調設計しているとき

いつでも設計のレビューが可能になります。

ネットワークを通じて別の端末(設計者)と画面・情報を共有する図

画像共有、注記・マーク、チャットメッセージ表示、リアルタイムなやりとり

4. セレクティブ・ローディング

V6は従来のV5での大規模アセンブリ操作に関わる機能は全て引き継いでいます。
また、V6の構造ではアセンブリの中のデータを選択的に読み込むことができます。これにより、次のようなメリットがあります。

  • 設計の作業を進める際に関係のない部品を読み込む必要はありません。
  • 開かないだけでなく、裏でロードすることもないのでメモリ資源を有効に活用できます。
  • アセンブリ(参照部)をロードしなくても、必要なリンク関係は保持・更新されます。
  • この結果、大規模・大容量な3Dデータを軽量にハンドリングすることが可能となります。

V6の構造ではアセンブリの中のデータを選択的に読み込むことができる。

5.CATIA Live Shape

直感的なモデリングアプローチが可能で、設計者の頭にあるイメージをダイレクトに操作して形状を定義できます。

操作感覚

  • 直接3D形状の「形状を操作したい部分」に直接アプローチ
  • 選択した部位(形状)をマウス操作で直感的に変形
  • 選択した部位により、可能な操作が自動的に絞り込み
    (移動や回転、オフセットなど)

直感的なモデリングアプローチが可能(移動や回転、オフセットなど)

こんなケースで効果を発揮

  • 構想段階の検討は作図順序やルールに縛られずに、思いのままに設計したい
  • 毎日CADを使うわけではないので簡単に使いたい
  • 他社から支給された履歴のないデータを修正したい
  • 後工程の編集が困難なケース

作図順序やルールに縛られずに設計・修正ができる。

設計手順の例

例えば他CAD(Pro/Eなど)で作成された3Dを入手して設計する場合、次のような手順で行います。
例:入手したPro/Eデータの穴サイズを変更したい場合

  1. Pro/EのデータをSTEP、ダイレクト変換などでV6にインポート(インポートした形状:IGES、履歴なしデータ、他のCADデータなど)
  2. ライブ・シェイプの機能で穴を選択し、マウスで穴を外側にドラッグして拡大
  3. 3Dの形状が簡単に変更可能