【建築現場におけるペーパーレス化のススメ3】作業間連絡調整と作業指示

i-Reporterの有効性

前回は建築現場ではどんな打ち合わせが成されているのか、i-Reporterの活用方法と共に会議体の性質の面から説明させていただきました。

【建築現場におけるペーパーレス化のススメ2】打ち合わせでの活用1

今回はその続編として、現場作業中打ち合わせについてもう少し深掘りし、i-Reporterの有効性について提案させていただこうと思います。建設業では常識的な部分ですので、「そんなこと知ってるよ!」という方は、「作業間連絡調整会議による現場負担」から読み進めてもらえるとうれしいです。

作業間の連絡調整とは?

建設業の工事現場では多種多様な作業員が働いています。よって、同じ作業区域で多種多様な作業員が混在して作業が行われることは日常茶飯になります。

そんな中、隣で電動カッターやガス切断作業など危険作業が行われていたり、他職の邪魔を知らず知らずのうちにしていたりしたら嫌ですよね。作業をする側も作業周辺に状況を知らない人がいると不必要に気を使って作業しなくてはなりません。

そのため、自身の上下左右でどの職種がどんな作業を展開しているのか把握しておく必要があります。そこで、「労働安全衛生規則(厚生労働省の省令)」では元請け会社と工事会社の間で「作業間の連絡および調整」をすることと定められています。

実施目的は主に次のようなことが挙げられます。

  1. 自身の作業に関連する工事作業の流れを把握、計画するため(次に何をすれば円滑に進められるか考える)。
  2. 1について現場全体や他職種の作業に関わる作業について工事関係者へ情報共有、調整するため。
  3. 事故・労働災害を未然に防ぐため(どこに危険作業、危険ポイントがあるか把握、知らせるため)。

特に3は大事故・死亡災害に直結しますので、最重要目的と言っても過言ではありません。

前記の目的解決の場として「作業間連絡調整会議」が設けられています。これは、「明日の工事打ち合わせ」「職長打ち合わせ」などと現場や人によって呼び方も変わります。工事を管理する元請け会社と工事会社の責任者や職長が集まり、工事作業のすり合わせ、情報共有をする場となります。

特に開催時間のルールはありませんが、合理的な時間帯としてお昼休憩前に会議が実施される傾向にあります。私も元請け会社での施工管理者時代、会議準備業務と午前中の個人担当業務との折り合いや会議時の調整が間に合わずよくご指導いただきました。

ここでは上項で挙げた目的1~3に関連付けると次のような打ち合わせが進められます。

(1)各工事会社の当日午後、翌日など、今後の工事計画予定の発表(これから何をするか全体周知)。他職との折り合いも問題があれば、このタイミングで調整をする。

(2)現場のクレーンや重機使用、搬出入のタイミングを始めとした現場共有環境の調整(いつ、どの職種がいつクレーンを使うから他職の人は注意してねと調整する)。

(3)「下階への穴が空いている」「クレーン楊重作業を頻繁に行うため、吊荷落下の可能性がある」といった危険ポイントが、どの区域で、どの時間帯で発生するのか、関係者以外立ち入り禁止の周知徹底をする。

作業間連絡調整会議の重要性

会議は今後の工事の調整、情報共有する場となっています。そのため、進行担当である施工管理者は司会進行役として会議前に1~3、(1)~(3)に関する情報整理と次のような内容を会議参加者に可視化できるように準備しておかなくてはなりません。

【1】工事全体の進捗(しんちょく)状況(各工種作業の把握、午前中に現場巡回して気になるところをチェック)

【2】当日午後以降の作業確認と調整および計画(当日の残業は発生するのか、翌日工事の手配はOKか)

【3】翌日の各工種の作業内容

特に【3】について次の具体例があります。

  • いつにどこで何をしているか?
  • 翌日、何人現場に来るのか?
  • 搬出入は実施するのか?いつにどの区域で行うのか?
  • クレーンをいつに使うのか?
  • 危険作業、危険区域による立ち入り禁止は発生するのか?

もちろん「記録」も必要となります。会議参加する各工事会社の協力により会議前にホワイトボードや作業間連絡調整書、翌日の安全指示書と各書類に事前記入してもらうケースもよくあります。この内容は、翌日朝礼での作業員全員への周知や、各工事会社への作業指示書に反映される情報となります。

作業間連絡調整会議による現場負担

作業間連絡調整会議は準備が多い重要な会議です。ですが、自身の「担当工事の管理」や「朝礼後の新規入場者教育対応」、日によっては「打ち合わせ会議とその準備」をしなくてはならない環境下での準備なので「とてもしんどい」のではないでしょうか。

前記で述べた会議時に完成する「作業間連絡調整書」「安全指示書」は当日のうちに書類作成、元請けとなる施工管理会社社員にて回覧、チェックが必要となるので「自分だけこなせばよい」という話ではないのです。しかも、その書類は回覧により原本を完成させることも条件となるため、紙媒体の場合、誰までチェックが進んでいるのか担当者は都度確認しなくてはなりません。

i-Reporterでスマートな作業間連絡調整を

それならば、作業間連絡調整に必要な情報共有ツールをホワイトボードによる全体確認や紙媒体による「作業間連絡調整書」、「安全指示書」からi-Reporterに置き換えてみてはどうでしょうか?

次のようなメリットが大いに期待できます。

  • 会議前、会場での作業間連絡調整書、安全指示書の記述制限がなくなるため、工事関係者は会議前であればどのタイミングでも情報を記入できる。
  • 工事会社本人による予定記述なので、他者転記による誤った情報記述の防止ができる。
  • 翌日から現場入りなど当日参加をしていない工事会社もタブレット上で情報共有ができる。
  • 工事関係者間で情報共有がリアルタイムに確認でき、その場で他工種との調整相談ができる。
  • 元請け施工管理会社側は転記作業を省略、別の作業に時間を割ける。

オプション利用でさらに便利に

i-Repo FreeDraw

i-Repo FreeDrawを利用すると、図面データ上記載による情報を可視化することができます。

  • 危険作業区域の図示
  • 搬入搬出経路
  • クレーン使用箇所

i-Repo WorkFlow

i-Repo WorkFlowによる回覧状況の把握、チェックバックの取得も容易になります。

  • 作業間連絡調整書、安全指示書などの回覧状況が自身のタブレットで逐一チェックが可能。
  • 回覧対象者は現場外業務時など現場におらずとも回覧、チェックのリアクションが可能。

i-Reporter帳票において承認申請すると、i-Repo WorkFlowで通知されます。また、i-Repo WorkFlowで承認されると、i-Reporter帳票も自動更新されます。

これさえあれば、面倒な情報収集手間や回覧チェックを逐一確認する環境から解放されます。i-Reporterとオプション製品を取り入れることで「段取りを削減する段取り」ができるというものです。

まずは無料トライアル!

大塚商会では「働き方改革・テレワーク支援」として最大2カ月、無料でi-Reporterの全機能を利用できる無料トライアルを実施中です。ぜひこの機会にお試しください。

i-Reporter 無料トライアル