SOLIDWORKS Flow Simulation 結果表示

SOLIDWORKS Flow Simulationでは、コンター図、ベクトル図、流線表示、XYプロット、アニメーションなど、多様な結果表示ができます。本来は可視化が困難な熱・流体現象を把握でき、設計上の課題や流れのボトルネックを早期に特定・理解することができます。

視覚的な情報による結果確認は、設計者や他部門との情報共有・合意形成にも効果的です。

図1:代表的な機能

断面プロット

SOLIDWORKS Flow Simulation では、任意断面における各種パラメータ(温度、流速、圧力など)の分布を可視化できます。モデル全体の定性的な挙動だけでなく、局所的な熱集中や流れの滞留領域などを把握できます。

図2では、流速分布を示しており、濃い青色は領域が低速域(流速が遅い)であることを示しており、流れの滞留や熱溜まりの原因となる可能性を示唆しています。任意位置をクリックするだけで、値を取得することも可能です。

図2:断面プロット出力例

サーフェスプロット

モデルの面上に各種パラメータ(温度、圧力など)の分布を可視化できます。断面プロットと同様、プロット上の任意位置をクリックするだけで値を取得できます。

図3:サーフェスプロット出力例

等値面

指定したスカラー値(例:温度、圧力、濃度など)に相当する領域を3次元的に可視化できます。図4に示すように温度が30℃である領域をオレンジ色で表示することで、対象空間内の等温領域を立体的に把握できます。

図4:等値面出力例

流跡線

流体粒子の移動軌跡をラインや矢印付きのベクトル線として可視化できます。これにより、流れの経路や循環、滞留領域、流入未達部などの特性を視覚的に把握できます。

流跡線は、アニメーション再生や動画として保存できます。

図5:流跡線出力例

ゴールプロット

指定したパラメータ値(圧力、温度、流量、流束など)を定量的に出力・評価できます。解析の目的に応じて「目標値(ゴール)」を設定することで、解析結果の収束性や設計性能の指標を確認できます。

  • 非定常解析では、時間変化に伴うゴール値をグラフとしてプロット・出力可能。
  • ゴールデータはCSVやExcel形式でエクスポートでき、後工程での解析・報告にも対応。

図6:ゴールプロット出力例 圧損

図7:ゴールプロット出力例 時系列のグラフ

XYプロット

SOLIDWORKS Flow SimulationのXYプロット機能では、指定した線上におけるパラメータ値(例:圧力、速度、温度など)の分布をグラフ形式で出力します。図8のようにバルブ内部の流路にスケッチ線を配置し、その上で圧力値をプロットすることで、流路に沿った圧力降下の様子を確認できます。

図8:XYプロット出力例

ポイントパラメータ、サーフェスパラメータ、ボリュームパラメータ

SOLIDWORKS Flow Simulationでは、指定領域に対するパラメータを確認できる機能として、次の3種類の評価が用意されています。

ポイントパラメータユーザーが指定した任意の点におけるスカラー量やベクトル量(例:温度、流速、圧力)を取得可能
サーフェスパラメータ指定した面全体に作用するパラメータ(例:面平均温度、圧力、流体からの作用力など)を出力
ボリュームパラメータ指定した部品内のパラメータを出力

粒子スタディ

計算済みの流れ場に対して粒子を追従させることで、どのような移動をするか移動経路を簡易的に可視化できます。

粒子の直径、密度、材質などの物性を設定できるため、分離機や集塵装置の検討に役立ちます。

SOLIDWORKS Flow Simuationで粒子の移動を確認してみよう

図9:粒子スタディ解析例

熱のバランス

SOLIDWORKS Flow Simulationでは、シミュレーション結果から熱の移動経路とエネルギーの分布量をチャート形式で可視化できます。各コンポーネント間での熱エネルギーのやり取りを定量的に把握できます。

図10では、「main chip」が5Wの発熱量を持ち、そのうち約4.5Wがヒートシンクへ伝導し、残りの熱は周囲の部品や空気中に放出されていることが示されています。設計意図に沿った熱経路になっているかを容易に確認できます。

図10:熱のバランス出力例