SOLIDWORKS Flow Simulation ウィザード

SOLIDWORKS Flow Simulationでは、ウィザード形式の対話型インターフェイスを通じて、流体解析に必要な基本設定を進めることができます。単位系、使用する流体や固体、初期条件設定など、解析に欠かせない項目をガイド形式で入力できます。

また、図1のように計算で考慮する解析条件を選択式で定義することができます。このページではSOLIDWORKS Flow Simulationで考慮できる解析条件をご紹介します。

図1：設定画面

流体の流れ

流体の流れを考慮することができます。デフォルトでチェックが入っており、流体の運動を考慮した熱伝達や圧力損失などの解析が行えます。

一方、流体領域の影響を考慮せず、固体領域の熱伝導のみを計算する場合は、チェックを外すことで流体の流れを無視した解析が可能になります。これにより、不要な計算負荷を回避し、解析時間を大幅に短縮できます。

伝導

固体内部および流体内での熱伝導を解析対象に含めることができます。例えば電子機器の熱設計においては、ヒートシンク、基板、筐体などの部品間での熱の伝わり方や、各部の温度分布を精度高く評価することが可能です。

図2：伝導を考慮した解析例

時間依存

デフォルト設定では、定常解析（時間変化を無視した状態）を実行し、流れ場や温度場の安定状態を求めますが、「時間依存」にチェックを入れることで、非定常解析に切り替えられます。これにより、例えば「通流開始から何秒後に所定の流速がどうなるか」「炉内が所定温度に到達するまでの時間」など、時間軸に沿った変化を評価できるようになります。

図3は、部屋下部から外気を導入し、室内の空気が完全に入れ替わるまでの時間を評価した解析例です。図中のスカラー濃度分布は、初期状態の室内空気の割合を示しており（赤：100％、青：0％）、約120秒後には室内空気がほぼ外気と置換されていることが確認できます。