3Dプリンターで造形した樹脂金型と小型射出成形機を使った試作方法

3Dプリンターで使用できる材料は限られます…樹脂金型を作成すれば、そんな課題も解決!

  • 設計プロセスの早い段階で想定した材料で機能試験を行いたい。
  • 金型の製作に入る前に成形品サンプルを作りたい。
  • 新素材の評価試験を行いたい。

このような要望をお持ちではありませんか? 3Dプリンターと小型射出成形機「EasyMold」がそんな要望を実現できます。

3DプリンターとEasyMoldを用いて、耐薬品性材で作った成形品に実際に薬品を流す、他部品と熱溶着する工程をシミュレーションするといった試験を製造工程の上流段階で行えます。

L字型ジョイントを成形してみよう!

今回は図のようなL字型ジョイントの成形品製作フローでご説明します。型構造は上下割り、2方向のスライド式としました。型設計は型サイズの設定、ランナー/ゲート付け、製品形状の反転、スライド部の設計、型締め用のボルトナットなどの調整作業といった流れです。

  • L字型ジョイント

  • 型データ

3Dプリンター Form2で型を造形する

まず、型データを3Dプリンターで造形します。今回は光造形タイプの3Dプリンター「Form2」を使用します。低価格で小型ながら表現力の高いハイパフォーマンス3Dプリンターです。ソフトウェアはサポート自動設計機能があり、直感的に使用できます。

造形時間6時間50分
積層厚0.05mm
樹脂材料費(税別)約1,500円
  • Form2

  • Form2のソフトウェア画面

3Dプリンター造形型は耐久性が低い、3Dプリンターの積層が目立つ場合があるといった課題もありますが、型設計が終わったらすぐに造形できるスピードと手軽さが最大の魅力です。今回はスタンダードなクリア材で造形しました。

  • Form2で造形された型データ(サポート除去前)

  • 3Dプリンター造形型

造形が完了したらサポート除去、勘合部の仕上げなどを行い、型を組み立てて小型射出成形機EasyMoldにセットし成形します。

EasyMoldに材料を流し、成形する

EasyMoldは取り扱いが簡単でインサート成形なども容易に行える縦型の手動成形機です。切削金型を用いて超小ロット生産にも対応できます。製造業(容器包装、玩具、自動車、電機、材料など)、学校・研究機関など多岐にわたり、特に設計・開発工程で多く利用されています。

EasyMold成形情報

  • 成形材料:ABS黒(3Dプリンター用フィラメント使用)
  • 材料溶融温度:255℃設定

小型射出成形機:EasyMold

透明な材料で型を造形すると、材料の流れる様子をご確認いただけます。この点も3DプリンターとEasyMoldの魅力の一つです。成形後、型をばらして製品を取り出し、ゲートやバリを取り除くと完成です。

  • 充填された材が確認できる成形後の型

  • 成形品(ランナー/ゲートカット前)

3Dプリンター造形型で射出成形を行うメリット

最後に3Dプリンターで造形した型で射出成形を行うメリットを簡単にまとめます。

  • 切削(素材、刃物、CAM)に関する知識がなくても、手間が少なく早く型を製作できる。
  • 設計変更が発生しても即時に型設計に反映され、すぐに造形を始められる。
  • 型の割り方などの設計自由度が高い。

さらに詳しく知りたい方へ - 無料資料ダウンロード

本トピックスでご紹介しきれなかった内容を資料にまとめています。もちろん無料! ぜひ情報収集や検討資料としてお役立てください。

資料ダウンロードお申し込み