3Dプリンターのネットワーク接続は危険? ITファイアウォールの限界とOTセキュリティ対策

IT防御では足りない! 3Dプリンターを守るOTセキュリティ

製造現場での3Dプリンター活用は、試作から量産までのスピードを劇的に向上させます。しかし、有線・無線LANでネットワーク接続された3Dプリンターは、サイバー攻撃の新たな標的になっていることをご存じでしょうか?

特に、低価格モデルやエントリー機種では、OSを搭載せず「通信プロトコルのみ」で動作するため、従来のITセキュリティでは防御できません。結果として、リモート制御の奪取、印刷ジョブ改ざん、生産停止といった重大なインシデントが現実化しています。

ITファイアウォールでは3Dプリンターを守れない理由

1.ITファイアウォールは産業用機器に対応できないから

ITファイアウォールは、HTTPやHTTPSなどの標準プロトコルを前提に設計されています。そのため、Webアクセスやメール通信の不正検知には強い一方で、製造現場で使われる産業用プロトコルや制御コマンドには対応できません。

結果として、3Dプリンターの制御通信は「正常な通信」と誤認され、攻撃を防げないのです。

2. OT特有の通信が「正常」に見えるため

3Dプリンターは、MQTT、Web API、独自制御プロトコルを使って動作します。これらは軽量でシンプルな設計ですが、IT側から見ると「ただのTCP通信」や「HTTPリクエスト」に見えるため、攻撃者が悪意あるコマンドを送っても、ファイアウォールは異常と判断できません。

3. TLS暗号化未対応のため

多くの3Dプリンターは、MQTTやWeb APIでTLS暗号化が未対応のまま運用されています。

OT専用の対策をはじめましょう

このように、3Dプリンターをネットワークに接続する場合、従来のITセキュリティだけでは防御できません。OT(Operational Technology)環境に特化した防御策を導入することで、安全性を確保できます。

OT専用IPSによる深層通信検査

IT用IPS(侵入防止システム)は、HTTPやFTPなどの標準プロトコルを前提に設計されているため、産業用プロトコルや制御コマンドを理解できません。

一方、OT専用IPS(例:TXOne EdgeIPS)は、次の特徴を持ちます。

深層パケット検査(DPI)

MQTT、Modbus、OPC UAなどの産業用プロトコルを解析し、攻撃パターンを検知。

ゼロデイ攻撃への対応

不正な制御コマンドや異常なジョブ指示をリアルタイムで遮断。

仮想パッチによる脆弱性防御

製造現場では、ファームウェア更新が難しく、脆弱性が放置されがちです。仮想パッチ機能は、ネットワーク側で脆弱性攻撃をブロックし、機器を停止せずに防御します。

ネットワークセグメンテーション

3Dプリンターを社内LANに直結すると、攻撃者が横展開しやすくなります。3Dプリンターを専用VLANまたは物理セグメントで隔離し、許可された通信のみ許可する方法です。

まめ知識:市場動向

2025年現在、OT向けIPS市場は年率15%以上成長。IEC 62443準拠のネットワーク分離と制御監視が標準化されています。

OTセキュリティのポイント

  • IEC 62443に準拠したネットワーク設計
  • OT専用セキュリティ製品の導入
  • 定期的な脆弱性診断と仮想パッチ適用

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