SOLIDWORKS 2021の操作が早いワークステーションを比較してみた

HPワークステーションのベンチマークテストの結果をレポート

大塚商会がご提供するHPワークステーションは、CADユーザーの求めるスペックを詰め込んだオリジナルモデルです。人気のノートタイプ7モデルを用いて、SOLIDWORKS 2021の処理速度にどのくらい違いがあるのかを検証しました。

製品の複雑化・多機能化に伴い、アセンブリも大規模になりつつあります。仕事中最も使うであろうCAD用パソコンやワークステーションを見直してみてはいかがでしょうか?

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検証マシンスペック

HP ZBook Fury 15.6インチ G8

 パフォーマンスモデルスタンダードモデル
CPUIntel Core i7-11850H
2.50GHz 最大4.8GHz(8コア)
Intel Core i7-11800H
2.30GHz 最大4.6GHz(8コア)
消費電力約150W約150W
OSWindows 10 Pro バージョン 21H1Windows 10 Pro バージョン 21H2
ハードドライブM.2 SSD(PCIe、NVMe、SED OPAL2、TLC)M.2 SSD(PCIe、NVMe、SED OPAL2、TLC)
キャッシュメモリー24MB24MB
RAM32GB16GB
最大仮想メモリー98,304MB49,152MB
グラフィックス
エンジン
NVIDIA RTX A2000 LaptopNVIDIA RTX T1200 Laptop
グラフィックボード
ドライバー Ver
30.0.14.724230.0.14.7242

HP ZBook Studio 15.6インチ G8 パフォーマンスモデル

CPUIntel Core i7-11850H
2.50GHz 最大4.8GHz(8コア)
消費電力約150W
OSWindows 10 Pro バージョン 21H2
ハードドライブM.2 SSD(PCIe、NVMe、TLC)
キャッシュメモリー24MB
RAM32GB
最大仮想メモリー98,304MB
グラフィックスエンジンNVIDIA RTX A2000 Laptop
グラフィックボード ドライバー Ver30.0.14.7242

HP ZBook Firefly 14インチ G8 スタンダードモデル

CPUIntel Core i7-1165G7
2.80GHz 最大4.7GHz(4コア)
消費電力約65W
OSWindows 10 Pro バージョン 21H2
ハードドライブM.2 SSD(PCIe、NVMe、SED OPAL2、TLC)
キャッシュメモリー12MB
RAM16GB
最大仮想メモリー49,152MB
グラフィックスエンジンNVIDIA T500
グラフィックボード ドライバー Ver30.0.14.7242

HP ZBook Studio G7

 パフォーマンスモデルスタンダードモデル
CPUIntel Core i7-10850H
2.70GHz 最大5.1GHz(6コア)
Intel Core i7-10750H
2.60GHz 最大5.0GHz(6コア)
消費電力約150W約150W
OSWindows 10 Pro バージョン 2004Windows 10 Pro バージョン 2004
ハードドライブM.2 SSD(PCIe、NVMe、TLC)M.2 SSD(PCIe、NVMe、SED OPAL2、TLC)
キャッシュメモリー12MB12MB
RAM32GB16GB
最大仮想メモリー98,304MB49,152MB
グラフィックス
エンジン
NVIDIA Quadro T2000 with Max-Q DesignNVIDIA Quadro T1000 with Max-Q Design
グラフィックボード
ドライバー Ver
27.21.14.520627.21.14.5206

HP ZBook Firefly 14 G7 スタンダードモデル

CPUIntel Core i7-10510U
1.8GHz 最大4.9GHz(4コア)
消費電力約65W
OSWindows 10 Pro バージョン 1909
ハードドライブM.2 SSD(PCIe、NVMe、TLC)
キャッシュメモリー8MB
RAM16GB
最大仮想メモリー49,152MB
グラフィックスエンジンNVIDIA Quadro P520
グラフィックボード ドライバー Ver27.21.14.5206

ワークステーションの設定

仮想メモリー

  • 仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにする。
  • RAM:32Gの初期サイズ・最大サイズ共に98,304。RAM:16Gの初期サイズ・最大サイズ共に49,152にする。
  • 初期サイズと最大サイズは同じにする。

グラフィックスカード

  • CAD推奨のドライバーを使用。

その他

  • 各計測作業前には必ずPCをシャットダウンし、再起動する。
  • LANケーブルは接続しない。
  • ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

使用モデルと計測内容

使用モデル

構成部品の合計数5,215
部品4,360
ユニークな部品265
サブアセンブリ855
ユニークなサブアセンブリ80

計測内容

  • ソフトウェア起動・終了
  • 部品ファイルを選択・開く・編集
  • 干渉チェック
  • 平面図削除
  • 断面図作成
  • 全てのファイルを閉じる
  • アセンブリファイルを開く・再構築・編集・保存
  • フィーチャ再構築
  • 標準3面図+等角投影図
  • 作図スケール変更
  • 図面ファイル更新・保存 など合計20項目

検証結果 どのマシンが一番速く動作したのか?

  1. HP ZBook Fury 15.6インチ G8 パフォーマンス

  2. HP ZBook Studio 15.6インチ G8 パフォーマンスモデル

  3. HP ZBook Fury 15.6インチ G8 スタンダード

一連操作の時間比較(mm:ss)
 Fury 15.6インチ
G8 パフォーマンス
Fury 15.6インチ
G8 スタンダード
Studio 15.6インチ
G8 パフォーマンス
Firefly 14インチ
G8 スタンダード
ソフトウェア起動(1回目)00:0400:0400:0400:05
ソフトウェア起動(2回目)00:0300:0300:0300:04
アセンブリファイルを開く00:0600:0600:0600:07
部品ファイルを選択00:0100:0100:0100:01
部品ファイルを開く00:0100:0100:0100:01
部品ファイルを編集00:0300:0300:0300:03
フィーチャ再構築00:0400:0400:0400:04
アセンブリファイル再構築00:0100:0100:0100:01
アセンブリファイル保存00:0100:0100:0100:01
干渉チェック01:4401:4701:4301:47
アセンブリファイル保存00:0100:0100:0100:01
標準3面図+等角投影図作成00:0400:0500:0400:04
平面図削除00:0100:0100:0100:01
作図スケール変更00:0200:0200:0200:03
断面図作成00:0100:0200:0200:02
アセンブリファイル編集00:0100:0100:0100:01
図面ファイル更新00:1000:1100:1000:11
図面ファイル保存00:0600:0600:0600:07
アセンブリファイル保存00:0100:0100:0100:01
全てのファイルを閉じる00:0100:0100:0100:01
ソフトウェア終了00:0100:0100:0100:01
合計02:3702:4302:3702:47
一連操作の時間比較(mm:ss)
 Studio G7 パフォーマンスStudio G7 スタンダードFirefly 14 G7 スタンダード
ソフトウェア起動(1回目)00:0700:0700:07
ソフトウェア起動(2回目)00:0500:0600:07
アセンブリファイルを開く00:0700:0900:08
部品ファイルを選択00:0100:0100:01
部品ファイルを開く00:0100:0200:02
部品ファイルを編集00:0400:0500:05
フィーチャ再構築00:0500:0600:06
アセンブリファイル再構築00:0200:0200:02
アセンブリファイル保存00:0100:0200:02
干渉チェック02:2602:3702:49
アセンブリファイル保存00:0100:0100:01
標準3面図+等角投影図作成00:0500:0500:05
平面図削除00:0100:0100:01
作図スケール変更00:0300:0300:03
断面図作成00:0200:0300:02
アセンブリファイル編集00:0100:0100:01
図面ファイル更新00:1200:1300:13
図面ファイル保存00:0800:0800:10
アセンブリファイル保存00:0100:0100:01
全てのファイルを閉じる00:0100:0200:01
ソフトウェア終了00:0100:0100:01
合計03:3503:5604:08

考察

SOLIDWORKSでの通常のCAD操作はCPU性能が優れている方が処理速度が速い傾向にあるが、GPUによる影響も大きい。

G8モデルは、最新の第11世代Core iプロセッサーが搭載され性能が向上しているため、G7モデルよりパフォーマンスが向上していると考えられる。

高性能なNVIDIA RTXグラフィックスを搭載している「HP ZBook Fury 15.6inch G8 パフォーマンスモデル」と「HP ZBook Studio 15.6inch G8 パフォーマンスモデル」は、その高いグラフィック性能で全体の処理能力を向上させていると考えられる。

レンダリングでは、CPUおよびGPU性能が高いと計算が速く処理時間が短い。

  • レンダリングの処理ではCPUのコア数が多いと処理が速い。
  • GPU性能のレンダリング時間への影響が高い。
  • GPU性能の高いNVIDIA RTXを搭載した機種がその効果を発揮している。

本ページでは一連の作業時間の比較レポートをご紹介しましたが、無料の資料にはそれ以外にもメモリー使用量、大規模アセンブリ計測、レンダリングパフォーマンスベンチマークテストなどをまとめています。

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パフォーマンステスト ~SOLIDWORKS~

主な内容

  • 大規模アセンブリ一連操作
  • Windows起動計測
  • Visualizeレンダリングテスト