CPUの違いがSOLIDWORKS 2022の処理速度にどのくらい影響するのか?

処理時間を比較してみた

大塚商会がご提供するHPワークステーションは、CADユーザーの求めるスペックを詰め込んだオリジナルモデルです。今回はIntel Core i5 / i7 / i9およびXeonを搭載したタワー型の5機種を用いて、SOLIDWORKS 2022の処理速度にどのくらい差がでるのかを検証しました。

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検証マシンスペック

 HP Z2 Tower G9
(Core i5)
HP Z2 Tower G9
(Core i7)
HP Z2 SFF G9
(Core i9)
HP Z2 SFF G5
(Xeon)
HP Z2 Tower G5
(Core i9)
OSWindows 10 Pro(21H2)Windows 10 Pro(21H2)Windows 10 Pro(21H2)Windows 10 Pro(20H2)Windows 10 Pro(20H2)
CPUIntel Core i5-12600
3.3GHz
最大4.8GHz
(6コア)
Intel Core i7-12700
2.1GHz
最大4.9GHz
(12コア)
Intel Core i9-12900
2.40GHz
最大5.1GHz
(16コア)
Intel Xeon W-1270P
3.8GHz
最大5.1GHz
(8コア)
Intel Core i9-10900
2.8GHz
最大5.2GHz
(10コア)
HDDSSD(M.2 TLC)+HDD(SATA)
キャッシュ
メモリー
18MB25MB30MB16MB20MB
RAM32GB32GB32GB32GB32GB
最大仮想
メモリー
98,304MB
グラフィックス
エンジン
NVIDIA T1000
8GB
12GB
NVIDIA RTX
A2000
12GB
NVIDIA RTX
A2000
12GB
NVIDIA Quadro
T1000
NVIDIA Quadro
P2200
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。
  • * グラフィックスカードはCAD推奨のドライバーを使用する。
  • * LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

HP Z2 Tower

HP Z2 SFF

計測内容

次の一連の操作を行う。検証用モデルにはSOLIDWORKS 2022を用いた。

  • ソフトウェア起動
  • アセンブリファイルを開く
  • 部品ファイルを編集
  • 干渉チェック
  • 標準三面図+等角投影図作成
  • 断面図作成
  • 図面ファイル保存
  • ソフトウェア終了 など合計20操作

部品数

  • 構成部品の合計数:1,042
  • 部品:872
  • ユニークな部品:55
  • サブアセンブリ:170
  • ユニークなサブアセンブリ:15

検証結果 どのマシンが一番速く動作したのか?

  1. HP Z2 SFF G9(Intel Core i9)

    Intel Core i9-12900 / NVIDIA RTX A2000 12GB / SSD+HDD

  2. HP Z2 Tower G9(Intel Core i7)

    Intel Core i7-12700 / NVIDIA RTX A2000 12GB / SSD+HDD

  3. HP Z2 Tower G9(Intel Core i5)

    Intel Core i5-12600 / NVIDIA T1000 / SSD+HDD

一連操作の時間比較(mm:ss)
 HP Z2 Tower G9
(Core i5)
HP Z2 Tower G9
(Core i7)
HP Z2 SFF G9
(Core i9)
HP Z2 SFF G5
(Xeon)
HP Z2 Tower G5
(Core i9)
ソフトウェア起動(1回目)00:0500:0300:0300:0500:07
ソフトウェア起動(2回目)00:0200:0200:0200:0300:05
アセンブリファイルを開く00:0600:0500:0500:0600:06
部品ファイルを選択00:0100:0100:0100:0100:01
部品ファイルを開く00:0100:0100:0100:0100:01
部品ファイルを編集00:0300:0300:0300:0400:04
フィーチャ再構築00:0400:0400:0400:0400:05
アセンブリファイル再構築00:0100:0100:0100:0100:02
アセンブリファイル保存00:0100:0200:0100:0100:02
干渉チェック01:2301:2301:1901:4901:48
アセンブリファイル保存00:0100:0100:0100:0100:01
標準三面図+等角投影図作成00:0500:0500:0400:0400:04
平面図削除00:0100:0100:0100:0100:01
作図スケール変更00:0200:0200:0200:0300:03
断面図作成00:0200:0200:0200:0200:02
アセンブリファイル編集00:0100:0100:0100:0100:01
図面ファイル更新00:1000:0700:0800:1100:11
図面ファイル保存00:0300:0400:0400:0700:03
アセンブリファイル保存00:0100:0100:0100:0100:01
全てのファイルを閉じる00:0100:0100:0100:0100:01
ソフトウェア終了00:0100:0100:0100:0100:01
合計02:1502:1102:0602:4802:50

考察

SOLIDWORKSはCPUおよびGPU性能が高いと計算が速く処理時間が短い。基本的なCAD操作はCPUおよびGPU性能それぞれが高い方が速くなる。
GPU、CADバージョン、メモリーなどほぼ同じ環境でCPUが異なるHP Z2 SFF G9(Core i9-12900 / RTX A2000 12GB)とHP Z2 Tower G9(Core i7-12700 / RTX A2000 12GB)を比較した際、一連操作や大規模一連操作でHP Z2 SFF G9(Core i9-12900 / RTX A2000 12GB)の方が速いことから、SOLIDWORKS基本的なCAD操作はCPU性能が高い方が処理速度が速い。大規模データになるほどCPUの性能差が処理速度に差がでる傾向にある。

SOLIDWORKS VisualizeのレンダリングではCPUおよびGPU性能が高いと計算が速く処理時間が短い。GPU性能のレンダリング時間への影響が高い。SOLIDWORKS Visualizeのレンダリングの計算ではCPUのクロック周波数だけでなく、コア数も大きく影響する。

本ページでは一連の作業時間の比較レポートをご紹介しましたが、無料の資料にはそれ以外にもメモリー使用量、大規模アセンブリ計測、レンダリングパフォーマンスベンチマークテストなどをまとめています。

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