【AMD CPU】CADの基本操作(拡大縮小・回転・移動)の処理時間を比較

SOLIDWORKS 拡大縮小・回転・移動にかかる処理速度を比較

CADの基本操作である拡大縮小・回転・移動の処理時間を、CPUとグラフィックボードが異なる6機種で計測しました。

これらの操作は、設計や図面作成などのCAD作業において頻繁に行うため、処理時間が短い機種を選ぶことで、作業効率を大幅に向上させることができます。

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検証に使用したワークステーションのスペック

 

機種機種A
HP ZBook Power 15.6inch G10 AMD パフォーマンスモデル
機種B
HP ZBook Power 15.6inch G10 パフォーマンスモデル
機種C
HP Z2 SFF G9
機種D
Lenovo ThinkPad P14s Gen 2a
機種E
Lenovo ThinkPad P16s Gen 1
機種F
HP ZBook Power 15.6inch G9 パフォーマンスモデル
CPUAMD Ryzen 9 PRO 7940HS w / Radeon 780M Graphics 4.0GHz 最大5.2GHz(8コア)Intel Core i7-13800H 14コア
2.5 / 5.2GHz(6コア)
1.8 / 4.0GHz(8コア)
13th Gen Intel Core i9-13900 24コア
3.0 / 5.8GHz(8コア)
AMD Ryzen 7 PRO 5850U with Radeon Graphics 1.9GHz
最大4.4GHz(8コア)
AMD Ryzen 5 PRO 6650U with Radeon Graphics 2.90GHz
最大4.5GHz(6コア)
Intel Core i7-12800H 14コア
2.4 / 4.8GHz(6コア)
1.8 / 3.7GHz(8コア)
HDDSSD×2(M.2 PCIe-4x4,NVMe,TLC)SSD(M.2 PCIe-4x4,NVMe,TLC)SSD(M.2,NVMe,TLC)+SSD(PCIe,Gen4x4 M.2)SSD(M.2 PCIe NVMe SSD)SSD(M.2 PCIe NVMe TLC OPAL2)SSD(M.2 PCIe,NVMe,TLC)
キャッシュ
メモリー
24MB24MB36MB16MB16MB24MB
RAM64GB24GB36GB16GB16GB24GB
最大仮想
メモリー
196,608MB98,304MB98,304MB98,304MB49,152MB98,304MB
グラフィック
ボード
NVIDIA RTX 2000 Ada Generation Laptop GPUNVIDIA RTX 2000 Ada Generation Laptop GPUNVIDIA RTX A2000 12GBAMD Radeon GraphicsAMD Radeon GraphicsNVIDIA RTX A2000 8GB Laptop
グラフィック
ボード
ドライバーVer.
31.0.15.374231.0.15.289231.0.15.288931.0.12026.331.0.12028.231.0.15.1694
OSWindows 11 Pro 23H2Windows 11 Pro 22H2Windows 11 Pro 22H2Windows 11 Home 22H2Windows 11 Pro 22H2Windows 10 Pro 21H2
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。
  • * グラフィックスカードはCAD推奨のドライバーを使用する。グラフィックスの基本設定を高パフォーマンスに設定。
  • * 設定―システム―電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定(Windows 11のみ)。
  • * 各計測作業前には必ずシャットダウンし、再起動する。LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

CADの基本操作に必要な役割

CADにおけるモデルの拡大縮小・回転・移動操作は、モデルの確認や視点の変更、形状の編集などにおいて頻繁に実施される基本操作です。これらの操作においては、CPUとグラフィックスボードの性能が重要です。

CPUは、モデルの座標や回転軸などの計算を行うため、CPUの性能が低いと、モデルの拡大・縮小・移動に要する時間が長くなり、作業効率の低下につながります。

グラフィックスボードは、モデルの描画を高速に行い、視覚的なフィードバックを提供しています。グラフィックスボードの性能が低いと、モデルの拡大・縮小・移動時にカクつきや表示遅延が発生し、作業の妨げとなってしまいます。

マクロを使用して、拡大縮小→回転→移動

SOLIDWORKSのマクロを使用して、モデルの拡大縮小→回転→移動にかかる時間を計測します。モデルの構成部品は次のとおりです。

構成部品の合計数1,042
部品872
ユニークな部品55
サブアセンブリ170
ユニークなサブアセンブリ15

マクロを使用して、拡大縮小→回転→移動 計測結果

詳細(mm:ss)
 機種A機種B機種C機種D機種E機種F
1回目0:190:450:401:471:320:55
2回目0:190:460:411:471:310:55
平均0:190:460:411:471:320:55
  • * CPUとグラフィックボードの構成は次のとおり(詳細は、検証に使用したワークステーションのスペック表をご覧ください)。
    機種A:AMD Ryzen 9 PRO / NVIDIA RTX 2000 Ada Generation Laptop GPU
    機種B:Intel Core i7 / NVIDIA RTX 2000 Ada Generation Laptop GPU
    機種C:13th Gen Intel Core i9 / NVIDIA RTX A2000 12GB
    機種D:AMD Ryzen 7 PRO / AMD Radeon PRO Graphics
    機種E:AMD Ryzen 5 PRO / AMD Radeon PRO Graphics
    機種F:Intel Core i7 / NVIDIA RTX A2000 8GB Laptop

考察

最新のCPUとグラフィックボードを搭載している機種Aが最も速い結果となった。

AMD CPUは、Intel CPUと比較してマルチスレッド性能が高い点が特長だ。AMDがCPUの設計に「Zen」アーキテクチャを採用したことで、複数の処理を同時に実行でき、グラフィックスの描画速度を向上させることができる。

NVIDIA製のグラフィックボードは、演算処理の効率を向上させるために「CUDA(Compute Unified Device Architecture)」アーキテクチャを採用している。CUDAアーキテクチャでは、GPUを「Streaming Multiprocessors(SM)」とよばれる小さな処理ユニットに分割し、各SMを独立して動作させることができるため、GPU全体で同時に複数の処理を実行でき、従来のCPUよりも高速な演算処理が可能になる。

CADの基本操作である拡大縮小・回転・移動は、頻繁に行うため、処理時間がかかりすぎる構成のワークステーションは避けた方がよいでしょう。グラフィックボードにおいては、やはりその分野で長年にわたってトップシェアを維持しているNVIDIA製を選びたいところだ。CPUにおいては、AMD PROシリーズであれば性能だけでなくコストパフォーマンスにも優れているため、手が届きやすいのではないだろうか。

AMDプロセッサー搭載ワークステーションの魅力を各ベンダーが直接語る

 

機種HP ZBook Power 15.6インチ G10 Mobile Workstation スタンダードモデルHP ZBook Power 15.6インチ G10 Mobile Workstation スタンダード Plusモデル(AMD)HP ZBook Power 15.6インチ G10 Mobile Workstation スタンダード Plusモデル(Intel)HP ZBook Power 15.6インチ G10 Mobile Workstation パフォーマンスモデル
価格340,000円360,000円475,000円541,000円
ディスプレイ15.6インチ15.6インチ15.6インチ15.6インチ
OSWindows 11 ProWindows 11 ProWindows 11 ProWindows 11 Pro
CPUAMD Ryzen 7 PRO 7840HSAMD Ryzen 7 PRO 7840HSIntel Core i7-13800HIntel Core i7-13800H
メモリー16GB(16GBx1)DDR532GB(32GBx1)DDR532GB(32GBx1)DDR532GB(32GBx1)DDR5
SSD512GB M.2 SSD1TB M.2 SSD(PCIe-4x4、NVMe、TLC)1TB M.2 SSD(PCIe-4x4、NVMe、TLC)1TB M.2 SSD(PCIe-4x4、NVMe、TLC)
グラフィックスAMD Radeon グラフィックスおよびNVIDIA RTX A1000 Laptop GPUAMD Radeon グラフィックスおよびNVIDIA RTX A1000 Laptop GPUIntel Iris XeおよびNVIDIA RTX A1000 Laptop GPUIntel Iris Xe グラフィックスおよびNVIDIA RTX 2000 Ada
サイズ幅 359.4×奥行き 233.9×高さ 22.8mm幅 359.4×奥行き 233.9×高さ 22.8mm幅 359.4×奥行き 233.9×高さ 22.8mm幅 359.4×奥行き 233.9×高さ 22.8mm
重量標準構成時:約2kg標準構成時:約2kg標準構成時:約2kg標準構成時:約2kg

一連の操作時間比較 結果

最後に、一連の操作比較結果をレポートする。

詳細(mm:ss)
 機種A機種B機種C機種D機種E機種F
ソフトウェア起動(1回目)0:060:040:030:060:080:04
ソフトウェア起動(2回目)0:030:020:020:040:080:02
アセンブリファイルを開く0:090:050:040:100:110:05
部品ファイルを選択0:010:010:010:010:010:01
部品ファイルを開く0:020:010:010:020:020:01
部品ファイルを編集0:040:030:020:040:040:03
フィーチャ再構築0:040:040:030:050:050:04
アセンブリファイル再構築0:010:010:010:020:020:01
アセンブリファイル保存0:020:010:010:020:020:02
干渉チェック1:281:271:111:521:491:26
アセンブリファイル保存0:010:010:010:010:010:01
標準三面図+等角投影図作成0:060:060:040:080:090:05
平面図削除0:010:010:010:010:010:01
作図スケール変更0:030:020:020:040:030:02
断面図作成0:020:020:010:030:030:02
アセンブリファイル編集0:010:010:010:010:010:01
図面ファイル更新0:100:080:080:160:130:08
図面ファイル保存0:040:030:030:060:050:03
アセンブリファイル保存0:010:010:010:010:010:01
すべてのファイルを閉じる0:020:010:010:010:010:01
ソフトウェア終了0:010:010:010:010:010:01
合計2:322:161:533:113:112:15

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