【NVIDIA RTX A400 vs A1000】SOLIDWORKS 2025 大規模アセンブリ操作比較

作業効率を左右するグラフィックスボードの差

プロフェッショナル向けグラフィックスボードであるNVIDIA RTX A400とA1000の性能差を、SOLIDWORKS 2025を用いた一連のCAD操作における操作速度の比較検証を通じて明らかにします。グラフィックスボード以外のハードウェア構成を同一としたワークステーション環境でテストを行い、それぞれのボードがCAD作業にどのような影響を与えるのかを詳細にレポートします。

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NVIDIA RTX A400とA1000 性能の違い

 

グラフィックスボードNVIDIA RTX A400NVIDIA RTX A1000
CUDAコア数7682,304
Tensorコア数2472
RTコア数618
GPUメモリー4GB GDDR68GB GDDR6
メモリー帯域幅96GB / s192GB / s
FP32性能2.7TFLOPS6.74TFLOPS
消費電力50W50W

主な違いのポイント

処理能力

RTX A1000はA400と比較して、CUDAコア、Tensorコア、RTコアの数が大幅に多く、FP32の演算性能も高い。これは、レンダリング、シミュレーション、AIを活用した機能など、GPUの並列処理能力が求められる作業において、A1000がより高速な処理能力を発揮する可能性が高いことを示しています。

メモリー

RTX A1000は、A400の2倍のGPUメモリーを搭載しており、メモリー帯域幅も広い。これにより、より大きなデータセットや複雑なモデルを扱う際に、パフォーマンスの低下を抑えることが期待できます。大規模なSOLIDWORKSアセンブリの操作などで有利になる可能性があります。

検証に使用したワークステーション

本検証では、HP Z2 SFF G9 Workstationをベースマシンとして使用します。グラフィックスボード以外の主要なハードウェア構成は表1のとおりです。

表1:HP Z2 SFF G9 Workstation ハードウェア構成
プロセッサーIntel Core i7-14700K
3.4GHz 最大5.6GHz
Preformance-cores 12個(基本3.4GHz/最大5.5GHz)
Efficient-cores 8個(基本2.5GHz/最大4.3GHz)
20コア/スレッド数28
ハードドライブSSD(NVMe)+HDD(SATA)
キャッシュメモリー33MB
RAM64GB
最大仮想メモリー196,608MB
OSWindows 11 Pro
  • * 検証では、RTX A1000、RTX A400共にグラフィックスボードドライバーVer. 31.0.15.5234を使用。
  • * 検証では、仮想メモリーの大きさをコンピューター上のメモリーの3倍の大きさにし、初期サイズと最大サイズは同じにする。
  • * グラフィックスカードはCAD推奨のドライバーを使用する。グラフィックスの基本設定を高パフォーマンスに設定。
  • * 設定―システム―電源モードを「最適なパフォーマンス」に設定(Windows 11のみ)。
  • * 各計測作業前には必ずシャットダウンし、再起動する。LANケーブルは接続せず、ウイルスソフトなどほかのアプリケーションが起動されていないことを確認する。

使用部品

構成部品の合計数5,215
部品4,360
ユニークな部品265
サブアセンブリ855
ユニークなサブアセンブリ80

大規模アセンブリ操作における所要時間比較

mm:ss
 RTX A400RTX A1000
ソフトウェア起動(1回目)0:040:04
ソフトウェア起動(2回目)0:030:03
アセンブリファイルを開く0:150:15
部品ファイルを選択0:010:01
部品ファイルを開く0:010:01
部品ファイルを編集0:030:03
フィーチャ再構築0:030:03
アセンブリファイル再構築0:020:02
アセンブリファイル保存0:020:02
干渉チェック1:141:13
アセンブリファイル保存0:030:03
標準三面図+等角投影図作成0:160:16
平面図削除0:010:01
作図スケール変更0:080:07
断面図作成0:050:05
アセンブリファイル編集0:010:01
図面ファイル更新0:240:24
図面ファイル保存0:110:10
アセンブリファイル保存0:020:02
すべてのファイルを閉じる0:040:04
ソフトウェア終了0:010:01
合計3:043:01

大規模アセンブリの表示変更における所要時間比較

大規模アセンブリ(エッジシェーディング表示)に対し、拡大縮小→回転→移動の連続操作をマクロで実行し、それぞれの所要時間を比較。その際、SOLIDWORKSのグラフィックパフォーマンスの拡張オプションをオンにした場合とオフにした場合で、それぞれ計測を行います。

オプション:オン

mm:ss
 RTX A400RTX A1000
1回目2:321:15
2回目2:311:16
平均2:311:15

オプション:オフ

mm:ss
 RTX A400RTX A1000
1回目5:085:09
2回目5:095:08
平均5:085:08

考察

大規模アセンブリ操作における所要時間を比較したところ、3秒差とわずかな差は見られたものの、全体的な計測結果はほぼ同等となった。この結果からファイル操作、基本的な編集、再構築、干渉チェックといった作業が中心のユーザーであれば、RTX A400でも十分な性能を発揮できると考えられる。

一方、大規模アセンブリの表示変更においては、グラフィックパフォーマンスの拡張オプションをオンにした場合、A1000搭載マシンはA400搭載マシンと比較して約2倍の速度を示した。

しかし、同オプションをオフにした状態では、両マシンでほぼ同じ処理時間となった。グラフィックボードの持つ並列処理能力が十分に活用されず、CPUレンダリングのような処理に切り替わっている可能性があるのではないか。

大規模アセンブリの表示品質を重視する、あるいは頻繁に表示スタイルを切り替えるユーザーには、グラフィックパフォーマンスの拡張オプションをオンにしたうえで、より高性能なRTX A1000の導入が作業効率の大幅な向上につながる可能性がある。

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RTX A1000/RTX A400 パフォーマンス比較 SOLIDWORKS 2025

主な内容

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