なぜ、2次元CADが使われ続けているのか?
2次元CADが続く理由の大きな要因として、編集設計の比率が高いことが挙げられます。わざわざ3次元へ移行しなくても、2次元であれば、寸法値のみを修正して出図が可能なためです。また、製品開発後は、PL訴訟やリコール問題対策のため10年間は図面データを保管する必要があり、問題発生時には会社に保管していた図面データを利用して編集設計を行うことになります。
このような事情から、3次元設計のメリットは理解していても、2次元での編集設計が多いため、なかなか移行に踏み切れない場合も多いようです。「2次元CADと3次元CADの融合設計」により、既存の2次元図面を流用しつつ3次元設計を行うことで、無理なく段階的に3次元化を行うことができます。
なぜ、3次元設計をする必要があるのか?
かつての製品は現在ほど複雑ではなく、長年の経験で設計に求められる様々なノウハウを持った技術者であれば2次元でも高い精度での設計が可能でした。しかし、現在では熟練技術者が減少し、また製品形状や構造も複雑化しており、更なる業務の効率化は難しい状態にあります。
海外に目を向けると、中国や韓国では近年積極的に3次元CADを導入しており、設計者の3次元CAD使用率は日本より高く、ほかのアジア諸国との技術格差もかなり縮小され、日本の脅威となっています。このため日本のビジネスが海外に奪われる可能性もあり、3次元化は重要な課題の一つといえます。
| 日本 | 中国・韓国 |
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過去 | - 図面への理解力が深い(図面がないとモノができない)職人が多い。
- 日本でしかできない金型が多かった。
| - 技術的な蓄積はない。
- 低賃金により安価、コピー商品。
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現在 | 2D / 3D+CAE+NS 熟練技術者が少なくなり、経験・勘・ノウハウが減少。 | 3D+CAE+NS 3次元モデルだけでモノを作るスタイルに。 |
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2次元CADと3次元CADの融合設計
3次元設計となると、今まで2次元で設計していたパーツやアセンブリをすべて3次元化する必要があるため、その設計工数が膨大になると考えられがちですが、一度にすべての部品を3次元化することなく、2次元図面を段階的に3次元化し運用していくことができます。
新規パーツまたは設計変更のあるパーツから3次元モデル化
既存2次元図面の利用と管理
Autodesk Inventorを使用して、既存2次元図面をDWG/DXFファイルウイザードやコピー&ペーストを使用することで、パーツ作成に利用することができます。また、既存2次元図面は、Autodesk Inventorに図面として取り込んだり、3次元モデルにリンクして管理することができます。
2次元図面をパーツ作成に利用可能
Autodesk InventorとAutoCAD Mechanicalの相互運用性
AutoCAD Mechanicalを使用してAutodesk Inventorモデルからビューを作成することができますので、使い慣れた AutoCAD Mechanicalの環境で詳細図面を作成することもできます。
Autodesk Inventorでモデルが更新されると、AutoCAD Mechanical図面も更新されます。
Inventorデータの関連性を維持
2D3D融合設計のメリット
3次元化でメリットが得られるケースとして、以下のような場合が挙げられます。
サイズや位置など大幅な設計変更や、繰り返し変更をした場合
設計変更時の強度や干渉の問題を回避することができます。
曲面の多い複雑なパーツを作成する場合
2次元図面では表現が難しい物でも、3次元なら簡単に図面を作成することができます。
抜き勾配解析など3次元CADの有効な設計検証機能を使用したい場合
Autodesk Inventorを使用すれば、過去の資産を無駄にすることなく、2次元CADと3次元CADを融合させて設計することができます。
企業として生き残るためには、いち早く3次元設計を開始することが重要です。Autodesk Inventorを使用して、開発力を維持・向上し、設計を効率化することで、開発期間の短縮やコストの削減を行いましょう。
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