2020年1月20日に大手総合電機メーカーがサイバー攻撃の被害に遭ったという報道がされました。報道された内容からは、攻撃を受けた時期は2019年で、それによって個人情報と機密情報が漏えいしました。そして2020年11月20日に同社は再びサイバー攻撃を受け、取引先の金融機関口座に関する情報が漏えいしたとの報道がされました。
この2件の情報漏えい事件の内の1月に報道された事件は、中国の関連企業へのサイバー攻撃がきっかけであるとされています。この攻撃手法を「サプライチェーン攻撃」とよばれており、セキュリティ対策をしっかりと行っている企業を直接攻撃するのではなく、サプライチェーンとして関係を持っている企業の脆弱な箇所を経由して攻撃を行い、攻撃者は技術情報などの知的財産を窃取します。
11月に発表された事件は、クラウドサービスへのサイバー攻撃によるものでした。被害を受けた企業は、構築したクラウドサービスをグローバルに展開し、グローバル展開をしてグループ内の約15万人の規模で利用していました。こちらも二段階認証などのセキュリティ対策を行っていましたが、サイバー攻撃によって情報漏えいが発生してしまいました。
技術力が高く、万全のセキュリティ対策を施していたと思われる企業がサイバー攻撃の被害を受けていたことを1年間に二度も報道されたということは、攻撃者の標的となった企業がサイバー攻撃を防ぎ知的財産を守り抜くということが非常に困難になっていることの裏付けになっていると考えられます。