Creoのコスメティックフィーチャーとは?

製品に記すものとして表現

「cosmetic」という言葉は「何かの重要な部分ではなく、外観を扱う」とロングマン現代英英辞典にて和訳されています。

Creoでは、押し出しやカットのジオメトリのように加工や成形などによって製品形状そのものを表現するフィーチャーと異なり、製品に記すものとして表現したい場合に使います。

コスメティックフィーチャーは3種類

Creoコスメティックフィーチャーは3種類あります。

コスメティックスケッチ平面、曲面、自由曲面へスケッチや投影可能
コスメティックねじ軸や穴の円柱面、円錐面へ作成可能
コスメティック溝平面、曲面、自由曲面へスケッチや投影可能

それぞれのフィーチャーがどのようなものか、目的や使い方についてご紹介します。

コスメティックスケッチ

コスメティックスケッチとは、部品のサーフェス上に描画されるスケッチです。オブジェクト上に企業ロゴやシリアル番号をスタンプする際に有効です。

多くのフィーチャーではコスメティックスケッチを参照先として使用できません。そのため、Creo Simulateのサーフェス領域、パブリッシュジオメトリ、測定の用途にも使用できません。アノテーションフィーチャーは、コスメティックスケッチを参照することができます。UDF(ユーザー定義フィーチャー)へ含められます。

コスメティックスケッチ

用途

  • 塗料や接着剤等の塗布領域指示
  • グリス等潤滑剤の指示
  • クランプ位置指示
  • 検査箇所指示
  • 刻印場所指示 など

コスメティックスケッチとカーブの違い

 コスメティックスケッチカーブ
押出の参照×
検索対象
フィーチャーパラメーター
図面での表示○(橙色)○(緑色)
作成後の線種変更
リレーションに利用

3DAのSTEP / JT / Creo Viewモデル出力

 アノテーションコスメティックスケッチカーブ
AP203e2×
AP214is×
AP242×
JT
Creo View××

そのほかの制限事項

  • スケッチコマンドは全部使えるわけではなく、スケッチャー内の「データム作成」は使用できません。
  • スケッチ内の「不完全拘束モード」とは、インポートしたスケッチが約80エンティティまでの場合、フィーチャー終了が「不完全拘束」でないと終了できないことがあり、その場合に使うモードです。不完全拘束モードの場合には、通常のスケッチで処理される仮寸法は存在しません。

不完全拘束モード

コスメティックねじ

コスメティックねじはねじ山の直径を表現するコスメティックフィーチャーです。そのほかのコスメティックフィーチャーと異なり、コスメティックねじの線種は修正できません。

  • ねじを作成するサーフェスを選択して軸だと雄ねじ、穴だと雌ねじになります。
  • 雌ねじの場合、標準穴テーブル(標準ねじを定義)を選択してから穴サーフェスを選択すると、適合する下穴サイズの場合には自動でねじサイズが認識されます。
  • この場合、下穴径±0.02~0.03くらいまでであれば、自動認識可能。この場合「Match」と表示されます。
  • Creo NCの穴加工で、加工対象穴認識で利用できます。

コスメティックねじ

Match画面

コスメティック溝

コスメティック溝とはカーブの投影のようなもので、平面にスケッチしたコスメティックをすぐにサーフェスへ投影します。部品のみでご使用いただけます。

用途としては、Creo NCで溝加工(彫刻ミリング)の参照フィーチャーとすることができます。

コスメティック溝

彫刻ミリング

まとめ

以上、3種類の「コスメティックフィーチャー」についてご紹介しました。まとめると……

コスメティックスケッチ部品面に描画させたい指示や文字で、参照先にできない
コスメティックねじねじ山を表現するサーフェスで、雌ねじは下穴径を認識し自動ねじ径決めも可能
コスメティック溝モデル上へ投影し、Creo NCの彫刻シーケンスの参照先にできる

製品に記すものとして表現したい場合には、コスメティックフィーチャーをご使用になってみてはいかがでしょうか?